漫画家アシスタント物語 第2章

ブログ「漫画家アシスタント物語」の第2章をまとめました

漫画家アシスタント第2章 その20

2005年08月30日 19時54分39秒 | 漫画家アシスタント
  ( この写真は、東京西武池袋線、富士見台駅前商店街です。この先にM先生の家がありました。
  《2005年 6月 撮影》)

 【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】
    


                         その20 ・・・・・・・・・・・・ 2005年06月22日 23時47分 (公開)


ここの仕事場はピリピリとした緊張感( 好きな方にはさわやかな気分かもしれませんが、仕事嫌い
の私には苦痛でした・・・ )が張りつめていました・・・・。

1977年 昭和52年 夏。東京練馬区富士見台のM・M先生のアシスタントの日課はほぼ以下の様
になります。

朝9時、先生宅、仕事場、廊下、階段、トイレ・・・等を掃除、シッカリ雑巾がけする。そして、M先生
の仕事机の上は特に注意してかたずける。5,60本もあるペン、筆類は整理してならべる。順番も決
まっている。

キレイに整頓し、書籍やLPの棚もシッカリ雑巾がけする。そして、極めつけは犬の世話です。2匹
いる大型犬のクソの始末をし、エサをやる。これ朝と夕方2回。正直言って毎日、仕事(漫画制作)
らしい仕事はありませんでした。

私が居た頃はちょうど仕事が少ない頃だったので、背景の仕事をしたのはお世話になった一週間
のうちの2日ほどだったと思います。

M先生は私の絵が大嫌いでした。リアルで緻密な劇画調の背景を何より嫌っておられました。

 「 劇画屋の絵なんか! 」

という言葉を毎日聞かされたものです。M先生の絵に対するこだわりや高い理想はとても尊敬でき
たし、お教えいただいた事( フランスの絵画技法の何とかカンとか・・・ )も芸術的で崇高だと思う。
その意味では、背景の仕事だけやっていれば私には、とてもいい勉強になる職場だったのですが・・・
・・・・。

ほとんど仕事らしい仕事がない。では、何をやっていたのか・・・?

犬の散歩。犬のフン掃除。野球。釣り堀・・・・etc。 夜、食事の支度を手伝い、食事後に後かたずけ
をする・・・。皿を洗いながら、いったい自分は何をやっているのか・・・ 毎日、ワケがわからない。 

犬の糞をドブへ捨てながら・・・なぜ自分は今こんな事をしているのか・・・・

 ポチャポチャッ

 『 しかし・・・・・ドブにこんなモン捨てていいのかなぁ・・・・もし、途中で詰まったりしたらどうなる
  んだろぉなぁ・・・・・また怒られたりして・・・・ でもぉ・・・ここに捨てるんだよって、○○さん(先輩
  アシスタント)が言ったんだし・・・・・・・・ 』

・・・・・・・などと考えながら・・・・・・・

時間だけが過ぎていく・・・。



                          「漫画家アシスタント 第2章 その21」 へつづく・・・



・前の記事へ戻る時はこちら→「 第2章 その19 」



   * 参考 *   
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.............. 私(yes)のアシスタント履歴

1974年昭和49年 さがみゆき先生 主に(少女系)怪奇漫画。単行本1冊分、
        4,5ヶ月のお手伝いでした。 (19歳)

1976年昭和51年 かわぐちかいじ先生 この当時、氏は今ほど有名ではなか
        ったのですが・・・・。背景技術をみっちり仕込まれました。(20歳)

1977年昭和52年 村野守美先生 漫画界一の豪傑と言われ、エピソードには
        事欠きません。たった1週間しか、勤まりませんでした。(21歳)

1978年昭和53年 ジョージ秋山先生 当時「浮浪雲」(ビックコミックオリ
        ジナルに連載)が、すごい人気で、渡哲也、桃井かおりの
        主演でTVドラマ化されていました。(23歳) 
        ‘05年平成17年、現在なお、秋山プロにぶら下り中。 (50歳)


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     ( より詳しい履歴は 「漫画家アシスタント 第1章 その1」 にあります。 )
    
     
 






【 各章案内 】  「第1章 その1」  「第2章 その1」  「第3章 その1」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」  「古い話で章 その1」
          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )








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