漫画家アシスタント物語 第2章

ブログ「漫画家アシスタント物語」の第2章をまとめました

漫画家アシスタント第2章 その24

2005年09月10日 03時21分11秒 | 漫画家志望
 ( この写真は、M先生の所で仕事をしていた当時に住んでいた東京、高円寺にあった木造モル
  タルアパート銀嶺荘、リフォーム後の入り口です。2005年7月に撮影した写真です。《30年前の
  「第2章 その7」の写真参照》)

 【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】
 


                       その24 ・・・・・・・・・・・・・ 2005年07月21日 22時06分 (公開)


M先生の所を辞めてから、また例のごとくアルバイトニュースを毎朝、始発電車が出る頃、駅前売店
へ買いに行く日々がつづく・・・・。 

アルバイトは意外と簡単に決まった。TBSテレビのスタジオの美術係・・・と言ってもTBSのバイトで
はなく、その下請けで建具をスタジオ内に組み込む仕事をしている会社のバイト・・・・・。( 1977年 昭
和52年、22歳 )

2,3人の求人広告への応募者は100人以上! それなのに、なぜ私の様な風采の上がらない( 体力、
知力ともにダメ! )男が合格したのか・・・・・ それは、とにかく一番に電話で連絡し、一番に面接を受
け、たった一枚のスリーピースで外見を取りつくろった事が勝因だったのです・・・!

漫画とは全然関係ないんだけど、漫画家志望の私を結構面白がってくれる人たちが多く、普通のサ
ラリーマンの世界とは違って明るく自由な雰囲気が楽しい職場でした。

当時のアイドル、ピンクレディー、松坂慶子、南沙織、桜田淳子etc・・・多くの芸能人を見ました。( 「 会
えました 」と書くより、口を利く機会もなく、ただ「 見ました 」と書いた方が正確! )

中でもドリフターズの「 8時だよ、全員集合! 」のロケや、吉永小百合さん( おもわず敬称付き! )と
仕事をした事は最高の思い出の一つです。

ドリフの「 全員集合 」と言えば・・・ 番組のロケで地方に行ったとき、偶然そのロケ地の近くにに自宅
のあった先輩( 石川さん )が、私をその自宅に連れて行ってくれました。驚いたのは、職場ではまった
く見せない一面を見られた事でした。

その先輩が素人とは思えぬフラメンコギターの演奏を披露してくれたのです・・・・! ホコリだらけの下
請け作業者の意外( 素敵 )な一面です。

いつも、すすけた顔のオヤジさん( 名前忘れた! )意外にも英語ペラペラ!「 オレはベース( 米軍基地
住宅 )で建築の仕事をしてたからよォ、金髪のカミさん連中のでかいケツはたまらなかったぜェ!はは
ははっ! 」

ロックとクスリの事しか頭に無かったトミー。作家志望の大道具さん。そして、ガッチリとした体にやさし
さをいっぱい詰め込んだ様な和田さん・・・深夜、赤坂で美味しい味噌ラーメンをおごってもらったりしま
した・・・・・。毎日毎日、汗とホコリにまみれてガタガタ、バタバタ走り回る裏方さんたちを・・・私は決して
忘れる事ができません・・・・・。


さて、第2章もいよいよ終わりです。第3章からは29年もアシスタントをやる事になるJ・A先生のところ
での出来事の数々です。

「 漫画家アシスタント物語 」はここまでが序幕で、ここからがまさに本編という事になります。

アシスタントの生活、漫画家志望者の希望と挫折・・・幻想と絶望・・・ その全てがこの第3章に描かれ
ます。



                      「漫画家アシスタント物語 第3章 その1(縮小版)」 へつづく・・・



・前の記事へ戻る時はこちら→「 第2章 その23 」






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          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」  「古い話で章 その1」
          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )





このページへのコメント 【 計 4 】




探していたサイトです (ごしま)

2005-07-27 21:09:38

探していたサイトが見つかりました。ありがとうございます。
はじめまして、ごしまと言います。大阪在住の50才です。
この事件がなければ、yesさんのサイトを見ることもなく、このメールを送ることはなかったはずです。
私には4月に大学に入学したばかりの息子がいます。
3ヶ月も満たない6月の26日です、「学校に行っている意味がないので辞める」と言うのです。そうですマンガ家になると言うのです事件です。
今まで息子がマンガを描いているところを見たことがありません。
大学に行きながらでも、マンガは描けるやろと言っても、大学に意味がないとの思いが強いようです。
息子は5ヶ月ほど独学でマンガを描いて、東京に出てアシスタントをしてマンガ家を目指すストーリーを描いています。
家族は先の見えないことに反対をしていましたが、息子の強い気持ちに、今は応援しています。昼は図書館に通い、夜にマンガを描いています。
参考になることはないかと、検索して最良なサイトを見つけました。マンガ家の壮絶な人生に触れることができる貴重な内容です。まだ息子に見るように勧めていませんが、現実を目の当たりにして奮起するものと思います。
がんばってください、ありがとうございます。




ご心配のことと思います・・・ (yes)

2005-07-28 04:30:02

ごしまさん、はじめまして。

コメントありがとうございました。

息子さんの事、さぞご心配のことと思います。 実は私は結婚
して10年になりますが、子供がありません。・・・ですので、どう
しても、親の立場や気持を十分理解できず、失礼な点や不適切
な物言いなどもあろうかと思いますが、どうか許してやってく
ださい。

私が親の敷いたレールをはずれ、ドロップアウトしたのは、息
子さんと同じ18歳の時です。今、息子さんは親や親類の心配な
ど目には、入らないと思います。 一途に自分の道を進む事だ
けしか頭には無いのではないでしょうか・・・。 ごしまさんの
コメントを読んで昔の自分を思い出しました・・・。

大人の側から見れば、海の怖さも知らないのに、ヨット単独太
平洋横断に出発してしまったかの様に思われるかもしれません
が・・・・・

本人にすれば、初めて自分の人生を自分で選択し自己実現して
いく緊張や興奮、孤独と希望に胸一杯なんだと思います。


私が心配する唯一つの事は・・・ 息子さんの将来の事でも、才能
の事でもありません。 それは、親の言う事を聞かずに勝手に学
校辞めてしまうんなら、まず自立する事が大事だという事です。
(もし、まだ仕事をしていない場合の話です)

自分の食い扶持ぐらいは自分で稼ぐ。 額に汗して働きながら
(労働は一日2,3時間でもいいから!)、好きな事をやる。その
あたり前の事が出来ないのは、大変危険な事だと思います・・・・・
(将来的に)。


どうも生意気な事を書いてしまいました。 ごしまさん。すいま
せん。 深夜の軽い興奮状態でキーボードを打っているものです
から・・・・・・ ご勘弁下さい。

この「漫画家アシスタント物語」の一文・・・いえ一語でも、何か
のお役に立つ事があるのなら、こんな幸せな事はありません。

この辺で、失礼いたします。




貴重な時間申し訳ないです (ごしま)

2005-07-28 21:29:15

漫画家志望の息子の親です。
貴重な時間を頂戴して、ありがとうございます。
息子も社会人として自立しなければと自覚はしており、アルバイ
トには行っています。東京に出たら仕送りを期待すると言う気持
ちはなそうです。
今は、私も息子も学びの時期と捉えています。
第2章 その25 が掲載されましたら「漫画家アシスタント」を
見るように勧めます。
気にかけていただき、重ねて御礼申し上げます。
ありがとうございます。




ごしまさん、安心しました。 (yes)

2005-07-29 02:41:17

アルバイトをされていると知り、安心しました。

本当に失礼な事を書いてしまって申し訳ありませんでした。

18歳の新たな人生の旅立ちが、たとえ艱難辛苦の連続でも・・・
必ず乗り越えていかれる事を御祈り申し上げます・・・。
( 祈るといっても、無神論者の私は、期待すると書いた方が
正確かのしれませんが・・・ )


わざわざ、お礼のコメントなど頂戴して恐縮です。それでは、
失礼いたします。



   

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「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」

          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )




漫画家アシスタント第2章 その23

2005年09月09日 04時19分29秒 | 漫画家アシスタント
 ( この写真は、M先生の所で仕事をしていた当時《1977年昭和52年》に住んでいた東京、高円寺
  にあった木造モルタルアパート銀嶺荘の一部です。画面左側に建物の一部がみられます。《19
  77年 撮影》)

 【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】



                       その23 ・・・・・・・・・・・・・ 2005年07月14日 12時48分 (公開)


とにかく、緊張した毎日でした・・・・。 ( 1977年昭和52年 夏 )

そして、その緊張は一週間しかもたなかった。緊張の連続はつまらない、些細なミスにつながる・・・・・。

毎日、何度ととなく怒鳴られる・・・。 日に何回怒鳴られたか思い出せない・・・・。

勤め始めてから4,5日して、

 「忙しくなってから辞められると困るから、辞めるんなら今辞めろ!」

この言葉を3回聞いたら辞めようと思っていた・・・・・ 二日と経たぬうちに、その時が来た。 簡単だっ
た。

 「では辞めさせていただきます。」

一週間何をやったのやら、2,3ページの仕事と犬の散歩、野球につり堀、ゴミ焼きに皿洗い・・・食って、
寝て・・・朝起きたら、犬のフン始末・・・・・

それだけで終わった。しかし、不思議と一つ一つの事が鮮やかに記憶されている。 濃密な一週間
でした。



M先生の所でのエピソードを最後に一つだけ書いておきます。それは・・・ちょっとせつなく、申し訳
ない事・・・・・

M先生には奥さんと小学生のお嬢さんが一人おられました・・・ 我々アシスタントはよく「先生は恐っ
かねーなぁ」などとボヤキ合う事がありましが、

ある時、先生の奥さんに呼び止められ・・・・

 「○○(私の名前)、××(お嬢さんの名前)の前で先生が怖いって言わないでね。あの娘はアシ
  スタントのお兄ちゃんたちが大好きなの・・・・・だから先生が怖いって聞くと、とても悲しむの
  よ・・・ だから・・・ね。」



M先生の所で強い影響を受けた私の背景技法は、後にJ・A先生の所で発揮されます。 大胆な構
図、斬新な筆使い・・・ 未熟者がただテクニックを表面的にマネした時に起こる悲劇的な結果を予想
する事すらなく・・・・・。

漫画雑誌「○ック コミック オリジ○ル」に連載中の「H雲」の仕上がった背景のその悲劇的な結果を見
て、J・A先生が・・・

 先生 「な・・・何だァ!この絵は・・・・・? おみ~ィのこの絵は何なんだ
     よォ!」

日焼けした黒い顔を赤黒く怒張させるJ・A先生・・・・・・。

 先生 「おみ~ィはよォ~ッ・・・ 何考げ~てッだよォオオ!」

 私  「は・・・はあ・・・・・・?」



                           「漫画家アシスタント物語 第2章 その24」 へつづく・・・



・前の記事へ戻る時はこちら→「 第2章 その22 」

 






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このページへのコメント 【 計 3 】




このさきが気になる~!(笑) (昔漫画家)

2005-07-22 22:09:37

教えてくださいよ!(笑)
だみだょ~お!のあとは!




ブログ拝見しました。 (通りすがりの中学生)

2005-07-23 00:52:02

ブログ拝見しました。
吐き気がしました。(褒め言葉)
漫画家を目的とするので無く、一生に一度くらい
人の心を動かすものを作ってみたくはありませんか?
あなたの人生には凄みがあります。
それが事実だからです。
この点こそが貴方の真の財産です。
吾妻ひでおの失踪日記。
業田良家の自虐の詩。
これらの作家のように、貴方の半生記を書かれれては
いかがでしょうか。
貴方が野垂れ死のうとも、あなたの作品は残る。
永遠の存在になってください。
貴方にはそれができるだけのものを既に持っている。


ちなみに、2chのこのスレから飛んできました。

【社会】「漫画家になれず、うさ晴らし」 練馬の連続放火男=漫画家アシスタント、詳しい動機供述
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1122017019/




コメントありがとうございました。 (yes)

2005-07-23 03:19:41

昔漫画家さんへ 

 はじめまして。「この先」といってもたいした事はありません。
 『やり過ぎたか・・・ まずいな・・・』などと反省しきり・・・。

 他人と全然違う絵を描く事にだけ、意識を集中させていた私の
 目を覚まさせてくれた先生の「お叱り」だったわけです。

 その言葉ではじめて自分が描いた無茶苦茶な背景が使い物にな
 らない事を悟りました。しかし、その事よりも驚くべきはその
 絵がボツにならなかった事です。(普通の漫画家なら絶対描き
 直させると思います)

 当時の単行本を見るとゾーッとします。 な、なぜボツにしな
 いのか? 未だに理解できません。著作権や色々な問題があり
 ますが、チャンスがあれはその時の絵を公開したいと思います。


通りすがりの中学生さんへ

 はじめまして。 お褒めにあずがり光栄です。

 「虎は死して皮を残す」などと言います。漫画家アシスタント
 は野たれ死んで何を残すのか・・・。 残せるほどに価値のある作
 品を作れるように日々精進いたします。

 ところで、「2ちゃんねる」の件ですが、お教えくださって本当
 にありがとうございました。 

 「漫画家アシスタント物語」や「WEB漫サイ」について、さら
 に感想や注意点などありましたら、またコメントしてくださいね。

 今日はどうもありがとうございました。 





漫画家アシスタント第2章 その22

2005年09月03日 19時16分57秒 | 漫画家アシスタント
  ( この写真は、M先生がおられた東京西武池袋線、富士見台駅近くの住宅街です。《2005年
   6月 撮影》)

【  はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】



                       その22 ・・・・・・・・・・・・ 2005年07月06日 23時34分 (公開)


宗教信者の長話をM先生はジッと耐えておられた・・・ (1977年昭和52年,夏)

「静かなること林の如く・・・ 動かざること山の如し・・・」その山が・・・・・ついに動いた・・・・! 

その信者は自分の饒舌に酔うように・・・人の生まれながらの不幸や不運を、先祖の因縁や因業話
と説き始めたその時・・・!

M先生は信者の目をにらみ付ける。憤怒の形相でにらみ付ける!そして・・・

 「俺の目を見ろぉッ!」 と一喝! さらにつづけて・・・

 「お前は死ぬッ!」

信者は完全に茫然自失・・・

 「俺の目ににらまれた者は必ず死ぬッ!」

信者はあわてて目をそらし、震えながら・・・

 「そ・・・そんな事を・・・・・」

 「俺の目を見ろぉッ! お前は死ぬんだぁーッ!」

 「そ・・・そんな事をしてはいけません・・・!」

 「お前は死ぬッ!」

気の毒な信者はそのまま玄関の外へ逃げ出していく・・・・・・。



M先生はそこまで話してから、嬉しそうにニコニコ笑いながら、目を丸くして聞き入っている私に・・・

 M先生 「ウソは言ってねーよなぁ?」 

 私   「・・・・・・?」

 M先生 「誰だって一度は死ぬんだからよぉ!」

 私   「・・・!」

 M先生 「ガッハハハハハハッ」


この先生を何て面白い人なんだと思う反面・・・これほど怖い人もいないな・・・と、一緒に笑いながら
少し背筋が寒かったのを覚えています。

毎日が緊張の連続・・・ 自分のいる場所がないような漠然とした不安・・・・・

そして、凧の糸が切れるように、あっけなく別れの時が来ます・・・・・・・



                         「漫画家アシスタント物語 第2章 その23」 へつづく・・・
 


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          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )






このページへのコメント 【 計 6 】



なつかしいです ((*`Д´*))

2005-07-08 13:28:36

はじめまして。
私も15年ほど前に、知人にだまされてM先生の元に一週間ほど監禁されたことがありました。恐ろしい上に話がヤケに面白く(話作りの天才ゆえ、誇張とツクリが多かったのかも)、生涯忘れられない想い出です。
一週間もいると、先生が何をおっしゃっても愛想笑いが自然に出るようになりましたね。




(*`Д´*)さん はじめまして。 (yes)

2005-07-08 23:07:11

コメントありがとうございます。

ホント、すごいんですよね! ね! 

まさに「漫画界の豪傑」ですよね! (*`Д´*)さんも一週間
ですか・・・? 偶然にも私と同じなんですね・・・。

ちなみに、2,3日しか勤まらない人もザラに居るらしいですよ・・・
「15年前」というと私と10年以上時間的には差がありますけど、
やっぱり、あれですか、「俺はフランスの絵画技法を勉強したん
だ!」とかっていうような話は出ましたか?




いやまったく ((*`Д´*))

2005-07-09 01:28:48

出ました出ました、その話(笑

ちなみに、一緒に行った私の友人は、アシ部屋で大声で「M先生なんて誰も知らないじゃん」「興味ない」などと言いたい放題で(こいつも少しおかしいヤツでしたが)、先生は明らかに聞こえているのに何も言わず、いざ友人が原稿を見せに行った段階になってから、最初は背景の問題点の指摘からネチネチと作画レベルの話→心構えの話に移って行き、最後はご想像通りの原爆のような罵倒です。友人がかろうじて「あの、アシ代はいりませんので」と口を挟むと「当たり前だー!」と絶叫。文字通り追い返されました。

あの調子ですから常に人材不足だったようで、一度先生直々にアシ探し依頼のお電話をいただいたこともあります。「あ、オレじゃダメなんだ」と、ホッとしたものです。




やっぱり、出ましたか!(爆笑)  (yes)

2005-07-09 18:28:48

私は辞める時は給料の話は出来ませんでした。とても数日分の
「日当」を要求出来るような雰囲気ではありませんでした。
もし、要求してたら「爆死」してたかも・・・・・!

ところで、「アシ部屋」って、あのプレハブですか? 

そして、階段を上がって2階左手の部屋のあの・・・・ て、徹夜
した時に使う2段ベッドもありましたか? アシスタントたち
の汗と脂でベトベトの布団も・・・ ま、まさか・・・あったのでは
・・・・・・???・・・・! (ゾ、ゾ~~ッ)




Unknown ((*`Д´*))

2005-07-09 23:13:58

いえ、実はその少し前に、近くのマンションに引っ越されていたのです。3LDKくらいだったかな。

私は幸いにも円満に帰宅できたのでお金はもらえましたが、臨時の助っ人なのに内弟子なみのお給金で、正直ひきつりましたね。でも、本当はこんなヘタクソに金なんか払いたくなかったと思います。
たしか帰りに新宿でゲーム機とソフトを買って使い切った記憶が。「ソープも行けねえじゃん!」って思ったのは覚えてます(笑

あの一週間のおかげで、どんな職場でもビビることはなくなりました。仕事抜きであればもう一度お会いしてみたい怪人物ですね。




コメントありがとうございました (yes)

2005-07-10 05:12:17

そうですか・・・・ M先生は引っ越されていたんですか・・・

(*`Д´*)さんは「円満帰宅」だったんですか・・・ それは
よかったですね。 もらったお金で何を買ったかまで覚えてい
るなんてすごいですよ。

私は残念ながら「不満帰宅」なので、もうM先生に会いたくと
も会うことは出来ないと思います。

お互いたった一週間ですが、誰でも体験できるという訳には
いかない貴重な体験だったんですね・・・。


たびたび「なつかしい」コメントありがとうございました。
そして、M先生以降の事や、現在の事など、漫画に関する事で
何かありましたら、是非またコメントを送ってください!
お待ちしています。





漫画家アシスタント第2章 その21

2005年09月02日 05時04分30秒 | アシスタント
  ( この写真は、東京西武池袋線、富士見台駅から5分ほど離れた商店街です。この道を曲がった
  奥にM先生の家がありました。《2005年 6月 撮影》)

 【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】



                        その21・・・・・・・・・・・・  2005年06月29日 21時16分(公開)


M・M先生の逸話はたくさんあります。多くは他のアシスタントから「ここだけの話だけどね・・・」と、こっ
そり教えていただきました・・・ 
                           (1977年昭和52年 夏)

逸話のほとんどは、他の漫画家とのケンカ話。ケンカの中でも驚いたのが、暴走族を相手に大立ち回
りの殴りこみをやってのけた事・・・ どれも興味深い話なのですが、なにぶん「伝聞」による話だし、本
人に確認したわけでもありませんので、残念ながら省略させていただきますが・・・・・

私がいた一週間の間に実際見聞きした事だけでもお話いたしましょう・・・・・。

まず、出版社とのケンカ・・・ M先生が単行本を出版した時・・・ 印税として約束した金額が売れ行き
不振を理由に減額された事に怒りを爆発。電話で出版社を怒鳴りつけていました・・・。

そしてもう一つは、中古のコピー機の調子が悪い事を電話で業者に文句を言っていた事。ものすごい
けんまくで怒っておられました。

アシスタントが仕事場や路上で怒鳴られるのは毎日の事でした。私には・・・

 「劇画屋の絵はダメだ!」 

先輩アシスタントには絵の構図が悪い事で・・・

 「何やってんだ!これは何だ!」

日本で一番美しく、やさしい漫画を描くM先生が、漫画界一の「豪傑」であると言われている事を知っ
たのはずっと後の事です。

ここで誤解を避けるために言っておかなければならないのですが、M先生は怒る時は怒る人ですが、
間違った事は仰っていません・・・ ただの一言も曲がった事は言っていないのですが・・・・・・・ 私は
ついていけませんでした・・・。


最後に一つだけM先生が直接話してくださった面白い(?)話を・・・・

有名な某宗教団体の会員がM先生の所へ勧誘にやって来た時の事です。宗教の話だけして、さっさ
と帰ればよかったものを・・・・・・ 

黙ってうなずきもせず一言も発しないM先生の顔色を判断して。早々にあきらめて退散していれば、あ
んなに恐ろしい目に会わずにすんだのに・・・・・・・・

M先生はまだ黙っている。爆発寸前の活火山のように・・・・・・・・



                          「漫画家アシスタント物語 第2章 その22」 へつづく・・・



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