漫画家アシスタント物語 第2章

ブログ「漫画家アシスタント物語」の第2章をまとめました

漫画家アシスタント第2章 その22

2005年09月03日 19時16分57秒 | 漫画家アシスタント
  ( この写真は、M先生がおられた東京西武池袋線、富士見台駅近くの住宅街です。《2005年
   6月 撮影》)

【  はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】



                       その22 ・・・・・・・・・・・・ 2005年07月06日 23時34分 (公開)


宗教信者の長話をM先生はジッと耐えておられた・・・ (1977年昭和52年,夏)

「静かなること林の如く・・・ 動かざること山の如し・・・」その山が・・・・・ついに動いた・・・・! 

その信者は自分の饒舌に酔うように・・・人の生まれながらの不幸や不運を、先祖の因縁や因業話
と説き始めたその時・・・!

M先生は信者の目をにらみ付ける。憤怒の形相でにらみ付ける!そして・・・

 「俺の目を見ろぉッ!」 と一喝! さらにつづけて・・・

 「お前は死ぬッ!」

信者は完全に茫然自失・・・

 「俺の目ににらまれた者は必ず死ぬッ!」

信者はあわてて目をそらし、震えながら・・・

 「そ・・・そんな事を・・・・・」

 「俺の目を見ろぉッ! お前は死ぬんだぁーッ!」

 「そ・・・そんな事をしてはいけません・・・!」

 「お前は死ぬッ!」

気の毒な信者はそのまま玄関の外へ逃げ出していく・・・・・・。



M先生はそこまで話してから、嬉しそうにニコニコ笑いながら、目を丸くして聞き入っている私に・・・

 M先生 「ウソは言ってねーよなぁ?」 

 私   「・・・・・・?」

 M先生 「誰だって一度は死ぬんだからよぉ!」

 私   「・・・!」

 M先生 「ガッハハハハハハッ」


この先生を何て面白い人なんだと思う反面・・・これほど怖い人もいないな・・・と、一緒に笑いながら
少し背筋が寒かったのを覚えています。

毎日が緊張の連続・・・ 自分のいる場所がないような漠然とした不安・・・・・

そして、凧の糸が切れるように、あっけなく別れの時が来ます・・・・・・・



                         「漫画家アシスタント物語 第2章 その23」 へつづく・・・
 


・前の記事へ戻る時はこちら→「 第2章 その21 」






【 各章案内 】  「第1章 その1」  「第2章 その1」  「第3章 その1」
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          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」  「古い話で章 その1」
          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )






このページへのコメント 【 計 6 】



なつかしいです ((*`Д´*))

2005-07-08 13:28:36

はじめまして。
私も15年ほど前に、知人にだまされてM先生の元に一週間ほど監禁されたことがありました。恐ろしい上に話がヤケに面白く(話作りの天才ゆえ、誇張とツクリが多かったのかも)、生涯忘れられない想い出です。
一週間もいると、先生が何をおっしゃっても愛想笑いが自然に出るようになりましたね。




(*`Д´*)さん はじめまして。 (yes)

2005-07-08 23:07:11

コメントありがとうございます。

ホント、すごいんですよね! ね! 

まさに「漫画界の豪傑」ですよね! (*`Д´*)さんも一週間
ですか・・・? 偶然にも私と同じなんですね・・・。

ちなみに、2,3日しか勤まらない人もザラに居るらしいですよ・・・
「15年前」というと私と10年以上時間的には差がありますけど、
やっぱり、あれですか、「俺はフランスの絵画技法を勉強したん
だ!」とかっていうような話は出ましたか?




いやまったく ((*`Д´*))

2005-07-09 01:28:48

出ました出ました、その話(笑

ちなみに、一緒に行った私の友人は、アシ部屋で大声で「M先生なんて誰も知らないじゃん」「興味ない」などと言いたい放題で(こいつも少しおかしいヤツでしたが)、先生は明らかに聞こえているのに何も言わず、いざ友人が原稿を見せに行った段階になってから、最初は背景の問題点の指摘からネチネチと作画レベルの話→心構えの話に移って行き、最後はご想像通りの原爆のような罵倒です。友人がかろうじて「あの、アシ代はいりませんので」と口を挟むと「当たり前だー!」と絶叫。文字通り追い返されました。

あの調子ですから常に人材不足だったようで、一度先生直々にアシ探し依頼のお電話をいただいたこともあります。「あ、オレじゃダメなんだ」と、ホッとしたものです。




やっぱり、出ましたか!(爆笑)  (yes)

2005-07-09 18:28:48

私は辞める時は給料の話は出来ませんでした。とても数日分の
「日当」を要求出来るような雰囲気ではありませんでした。
もし、要求してたら「爆死」してたかも・・・・・!

ところで、「アシ部屋」って、あのプレハブですか? 

そして、階段を上がって2階左手の部屋のあの・・・・ て、徹夜
した時に使う2段ベッドもありましたか? アシスタントたち
の汗と脂でベトベトの布団も・・・ ま、まさか・・・あったのでは
・・・・・・???・・・・! (ゾ、ゾ~~ッ)




Unknown ((*`Д´*))

2005-07-09 23:13:58

いえ、実はその少し前に、近くのマンションに引っ越されていたのです。3LDKくらいだったかな。

私は幸いにも円満に帰宅できたのでお金はもらえましたが、臨時の助っ人なのに内弟子なみのお給金で、正直ひきつりましたね。でも、本当はこんなヘタクソに金なんか払いたくなかったと思います。
たしか帰りに新宿でゲーム機とソフトを買って使い切った記憶が。「ソープも行けねえじゃん!」って思ったのは覚えてます(笑

あの一週間のおかげで、どんな職場でもビビることはなくなりました。仕事抜きであればもう一度お会いしてみたい怪人物ですね。




コメントありがとうございました (yes)

2005-07-10 05:12:17

そうですか・・・・ M先生は引っ越されていたんですか・・・

(*`Д´*)さんは「円満帰宅」だったんですか・・・ それは
よかったですね。 もらったお金で何を買ったかまで覚えてい
るなんてすごいですよ。

私は残念ながら「不満帰宅」なので、もうM先生に会いたくと
も会うことは出来ないと思います。

お互いたった一週間ですが、誰でも体験できるという訳には
いかない貴重な体験だったんですね・・・。


たびたび「なつかしい」コメントありがとうございました。
そして、M先生以降の事や、現在の事など、漫画に関する事で
何かありましたら、是非またコメントを送ってください!
お待ちしています。






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