( この写真は、JR線、武蔵小金井駅近く、Kさんの元仕事場のご近所風景《2005年4月》)
【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】
その12 ・・・・・・・・・・・2005年04月27日 03時10分 (公開)
「99パーセントの努力と1パーセントの才能」この言葉は少なくとも漫画界には、通用しない。
1の努力で10結果を出す奴と10努力しても1しか結果を出せない奴もいる。 レスリングや柔道の
様にクラス別けがない。才能が有ろうが無かろうが、中卒も東大卒も・・・何千何万という新人がご
ちゃ混ぜでガチンコ勝負の世界・・・。
自分がどの位才能があるのか、どの位根性があるのか、どの位のレベルにあるのか・・・ 誰もわか
らない・・・ 。原稿を編集部に持ち込む・・・ そして、30分後、編集部を出る・・・・・ 後ろ手にドアを閉
め、神保町界隈の喧騒の中へ・・・・・・・
その時だけ、「現実」を理解する。
入ったばかりの私は、Kさんの仕事場で簡単なコマの背景を指示されなが処理していました。( 19
76年 春 ) 劇画の背景で大事な事は、「資料写真そっくりに描く」でした。 その辺のコツを少しず
つ理解し出した頃・・・ ( 1976年 夏 )
我ながらしっかり背景が描けたかな・・・ などと思いつつ気分よく仕上げ処理していると・・・
アシスタントN 「 Y君(私)、いいねェ。 上手くなったねェ! 」
アシスタントO 「 ウォップ ウォップ! 」(『まあまあだな』の意)
サッと先輩Hさんが割り込んでくる。
アシスタントH 「 こんなの、たいした事ねェな・・・ 」
アシスタントN 「 でも、電車に反射する光がリアルでいいねェ・・・ 」
アシスタントO 「 ウォップ ウォップ・・・ 」(『言われてみればそうかも・・・』の意)
先輩H、小ばかにした様な薄笑いを浮かべながら・・・
アシスタントH 「 トーン使い過ぎ。暗いよ。 」
アシスタントO 「 ウォップ ウォップ・・・ 」(『言われてみればそうかも・・・』の意)
毎日、こんな調子だった。
仕事もかなり慣れてきた頃、この先輩Hさんとは生涯理解し合えないと思う出来事が起きた。
出版されたKさんの雑誌をみんなで見ている時だった。
Kさん 「 この背景いいよなァ! Y君(私)だろ、これ? 」
絵を見ると私の絵ではない。
私 「 その絵は・・・・・・ 」
横からナイフでも突き刺すように・・・
アシスタントH 「 これは、Oですよ! Yじゃありませんよ! Yにこんな絵描けませんよ! 」
Kさん 「 え・・・? Y君かと思ったよ・・・ O君か・・・ 」
私 「 は・・・ 」
アシスタントO 「 ウォップ ウォップ 」(『私の絵です』の意)
アシスタントH 「 Oのペンタッチはすごいですよねェ! ハハッ、Yの絵とは全然違いますよ! 」
最年少で、一番下っ端の私には、じっと我慢するしかなかった。
毎日、毎日、不愉快な事が10回位あった。しかし、この時の屈辱は今でも忘れる事が出来ない・・・・・・。
漫画家アシスタント物語、血の教訓
『 漫画家に成りたい人間は沢山いる。そして、漫画家に成ってほしくない人間も・・・・・・ 』
「漫画家アシスタント物語 第2章 その13」 へつづく・・・
・前の記事へ戻る時はこちら→「 第2章 その11 」
(私の漫画履歴は、 「漫画家アシスタント 第1章 その1」 にあります。)
【 各章案内 】 「第1章 その1」 「第2章 その1」 「第3章 その1」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )
【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】
その12 ・・・・・・・・・・・2005年04月27日 03時10分 (公開)
「99パーセントの努力と1パーセントの才能」この言葉は少なくとも漫画界には、通用しない。
1の努力で10結果を出す奴と10努力しても1しか結果を出せない奴もいる。 レスリングや柔道の
様にクラス別けがない。才能が有ろうが無かろうが、中卒も東大卒も・・・何千何万という新人がご
ちゃ混ぜでガチンコ勝負の世界・・・。
自分がどの位才能があるのか、どの位根性があるのか、どの位のレベルにあるのか・・・ 誰もわか
らない・・・ 。原稿を編集部に持ち込む・・・ そして、30分後、編集部を出る・・・・・ 後ろ手にドアを閉
め、神保町界隈の喧騒の中へ・・・・・・・
その時だけ、「現実」を理解する。
入ったばかりの私は、Kさんの仕事場で簡単なコマの背景を指示されなが処理していました。( 19
76年 春 ) 劇画の背景で大事な事は、「資料写真そっくりに描く」でした。 その辺のコツを少しず
つ理解し出した頃・・・ ( 1976年 夏 )
我ながらしっかり背景が描けたかな・・・ などと思いつつ気分よく仕上げ処理していると・・・
アシスタントN 「 Y君(私)、いいねェ。 上手くなったねェ! 」
アシスタントO 「 ウォップ ウォップ! 」(『まあまあだな』の意)
サッと先輩Hさんが割り込んでくる。
アシスタントH 「 こんなの、たいした事ねェな・・・ 」
アシスタントN 「 でも、電車に反射する光がリアルでいいねェ・・・ 」
アシスタントO 「 ウォップ ウォップ・・・ 」(『言われてみればそうかも・・・』の意)
先輩H、小ばかにした様な薄笑いを浮かべながら・・・
アシスタントH 「 トーン使い過ぎ。暗いよ。 」
アシスタントO 「 ウォップ ウォップ・・・ 」(『言われてみればそうかも・・・』の意)
毎日、こんな調子だった。
仕事もかなり慣れてきた頃、この先輩Hさんとは生涯理解し合えないと思う出来事が起きた。
出版されたKさんの雑誌をみんなで見ている時だった。
Kさん 「 この背景いいよなァ! Y君(私)だろ、これ? 」
絵を見ると私の絵ではない。
私 「 その絵は・・・・・・ 」
横からナイフでも突き刺すように・・・
アシスタントH 「 これは、Oですよ! Yじゃありませんよ! Yにこんな絵描けませんよ! 」
Kさん 「 え・・・? Y君かと思ったよ・・・ O君か・・・ 」
私 「 は・・・ 」
アシスタントO 「 ウォップ ウォップ 」(『私の絵です』の意)
アシスタントH 「 Oのペンタッチはすごいですよねェ! ハハッ、Yの絵とは全然違いますよ! 」
最年少で、一番下っ端の私には、じっと我慢するしかなかった。
毎日、毎日、不愉快な事が10回位あった。しかし、この時の屈辱は今でも忘れる事が出来ない・・・・・・。
漫画家アシスタント物語、血の教訓
『 漫画家に成りたい人間は沢山いる。そして、漫画家に成ってほしくない人間も・・・・・・ 』
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