漫画家アシスタント物語 第2章

ブログ「漫画家アシスタント物語」の第2章をまとめました

漫画家アシスタント第2章 その7

2005年05月13日 02時27分10秒 | 漫画家アシスタント
 ( この写真は、1976年から78年頃まで住んでいた高円寺のボロアパートです。よく見ると、ドアの
  ベニヤがはがれています。注:人物は本編となんら関係ありません。)

 【 はじめての方は、どうぞ 「漫画家アシスタント 第1章 その1(縮小版)」 よりご覧ください。】



                        その7...........................'05年 3月22日 21時49分 (公開)


漫画家アシスタントになるのは、雑誌の求人広告と編集員や知人の紹介そして、好きな漫画家のと
ころへ直接出かける「押しかけ弟子」といったいくつかのパターンがあると思います。

私は、1976年(20歳)で同人誌仲間の紹介があって、初めての本格的な専属アシスタントになりました。

その人の名はK・K先生(当時27歳・・・若い!)今なら誰一人として知らぬ人のない大御所ですが、29
年前はその名を知る人はほとんどいませんでした。

一部の漫画マニアから愛されていたK・Kさん(「先生」と呼ぶとイヤがります「『Kさん』でいいから」と
云われますので、ここでは「Kさん」と呼ばせていただきます。)

Kさんの所では、ある程度の技術を持っていないと仕事は出来ません。私の場合どうにかスクリーン
トーン処理が出来るレベルでしたので、雇ってもらえる事になりました。


面接の日、私の背景サンプルを見てもらう。 Kさんの背後からアシスタントたちが覗き込みながら・・・

  アシスタントO(23歳) 「 一応トーンは使えるんだァ・・・ これなら、即戦力で使える!  
                 ウォップ!ウォップ!(彼独特の満足表現)・・・ 」

  アシスタントH(23歳) 「 フンッ、処理がザツだな。まァ、使ってるうちになれるかもしれ
                 ませんけど・・・ 」

ニヤニヤと薄笑いを浮かべながらアシスタントHが小ばかにしたように私を見る。Kさんはさすがに雇
う立場にいるので、ニコリともしない。


このアシスタントHとは1年後にトラブルを起こしてKさんの所を辞めることになります・・・。 初めて会っ
たその日からイヤミな先輩でした。

この後、毎日この人のイヤミに耐える事が大きな修行になるわけです。 今から考えると、この人が
いなければ今でもKさんの所で仕事をしていたかもしれません・・・・。


Kさん、サンプルを見つめながら・・・

  Kさん     「 ・・・・・ 明日から・・・・・・・ 」



  漫画家アシスタント物語、血の教訓

   『 吐き気のする先輩はどんな世界にも一人や二人はいるもの。本人の前ではニコニコ我慢し

     ましょう。ハングリーポイント( 「第1章その8」参照 )を上げるチャンスです。

     そして、こいつは、追い抜く相手なんだと決意すれば、時間はかかるかもしれませんが、99

     %追い抜けます。相手にこちらをバカだと思わせておけば楽勝です! 』




                             「漫画家アシスタント 第2章 その8」 へつづく・・・


・前の記事へ戻る時はこちら→「 第2章 その6 」

 






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          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」  「古い話で章 その1」
          ( 但し、第1~3章は『縮小版』になります )








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