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たるい良和の『エンターテイメント魂』 vol 2:エンターテイメント立国_1
■エンターテイメント立国
エンターテイメント力と国の強さは比例する
『エンターテイメント立国』POPカルチャーの振興を政策的に訴える、そこには技術立国や、電子立国などに比べ
「それでも男ですか、軟弱者」
というイメージを日本では特に抱かれることが多いと痛感しました。
また選挙で、ハリウッド・ブロードウェイ・ラスベガスに勝るエンターテイメントエリアを創る。
クリエイターの育成環境を整える。
格闘技のメッカにして、日本主催で格闘技のWCを実現する。
ゲーム・ギャラクターを始め、デジタルコンテンツを国の得意分野、産業として振興する『エンターテイメント立国』を公約に掲げると、こっぴどいソリッド・シチュエーションを体験します。
もちろん年金問題は重要です。
でもその年金問題を解決する為にどうやってそのお金を作るかという話をしなければ、どこから搾取して、そこに持っていくというだけのゼロサムゲームの立役者に過ぎません。
エンターテイメントと軽く見られがちですが、国の競争力、経済力、投資力、観光力は見事にエンターテイメント力に比例しているのです。
もちろん、それは、強い国は経済的に余裕があるから、結果として娯楽、エンターテイメント市場も活性化しているのだよという、宴会部長の必要性程度の認識をされることもありますが、エンターテイメント、娯楽、人を楽しまそうという感性の中にこそ量子的な見地の真の生物の本質、経済を高める礎があり、楽しさ、感動、魅力こそが、人もお金も引きよせ、活性化、ブラシュアップして、その国のイメージの根幹を作り上げているのです。
エンターテイメントは国のイメージをつくる
考えてみれば、あなたが、その国のイメージをまず最初に感知するのは、旅行や仕事での滞在や人と人との交流を始める以前にエンターテイメント、またそのコンテンツにおいイメージするところが大きいでしょう?
人は、愛、笑い、涙を伴うドラマ、好奇心を刺激される映像、魅力的なキャラクター、ファンになった憧れのスター、好きな音楽、文学作品などに心を開き、笑って、泣いて、そして泣き笑いして、心が感化して動くのです。
いい、悪いは別にして、演説をするとよくわかります。
人は理屈では決して動きません、感動してはじめて人は動くのです。
文化・エンターテイメントに影響力がなければそもそも検閲などあるはずもありません。
国交断絶には文化、特にエンターテイメントの交流を絶つのが常道なのですから裏を介して逆にいえば、国交を活性化するには単純に文化、エンターテイメントの交流を促進すればいいということです。
ハリウッド映画は、政治論争や、お硬い演説、政策のプロパガンダよりも、アメリカと民主主義の広告塔として機能し、成果をあげ、強くて、夢のあるアメリカのイメージを伝え、同じような、共通の概念で泣き、笑うことが実感され、知れ渡ると親近感もいっそう増しています。
またコンテンツに限らず、例えばアイルトン・セナ、ノゲイラやロナウジーニョのようなスター選手の魅力でブラジルのイメージは少なからず向上しています。
冬ソナや、その主演のヨン様やチェジウなど韓流ドラマやスターのおかげで、韓国に対する心が開かれた人も多いはずです。
ヒョードル、ハリトーノフを見て、ロシアに強い男を発掘に行こうと思う好奇心もわきます。
スペインの方と話したときも、政治的な話より、闘牛やサッカーのクラブ、アロンソの話をした方が盛り上がり、うちとけてくれました。
グローバリゼーション・ボーダレスエンターテイメント
さらに、人、物、金はもちろんのこと、これまでにないスピードで、ほぼ同時に配信できる情報、特に、デジタルコンテンツが国境を超える段階で、国、経済、また階級をこえてボーダレス状態が進み、価値観や感性まで相互に影響力を強めて、一体感をもたらしています。
POPカルチャー、キャラクター・スターは最大の外交官です
つまり、情報、エンターテイメントが王侯貴族や都会人、リッチな富裕層がたしなむ限定的ではなく、デジタル化、ブロードバンドネットワークで同時配信できる開かれた中では、外務大臣、いや、場合によっては大統領や総理、首長より数段、エンターテイメントのコンテンツやスターのほうが国際的に知名度が高く、その国や民族の魅力を広く認識させて、潜在的に世論に影響を与え、国際政治そのものにも影響力を強めているのです。
そして、そのことは政治的な配慮や、思惑、伝統芸能を中心に掲げる文化外交ではなく、単純に、リアルに没入する面白さ、POPカルチャーの影響力を強めています。
高貴?な文化を上流階級がたしなみ、徐々に大衆に降りていくトップダウンではなく、むしろ大衆が熱狂し、オープンエアーにUPすることによって、伝道師的な情報発信を連発し、これが噂のコンテンツ、スターなのかと、ボトムアップ式に伝道する現象が一般化しているのです。
外交上、相互に相手を理解するには、まず対話やお互いに理解できる共通言語が必要で、その共通言語こそが、どの民族にも共通の感動をもたらすスポーツの祭典であり、食文化やクールな技術、音楽であり、映画やアニメ、ゲームやキャラクターのデジタルコンテンツなのです。
つまり、エンターテイメント力、魅力で感化するソフトパワーは、むしろ政治力や圧力で無理やり強制するハードパワーにくらべ、戦争抑止力、観光や経済の活性化において最大、最新の外交官として機能しているのです。
つづく