今年も7月21日(月)の海の日に、チェロの個人レッスンを受けているEspressivoの発表会が、フィリアホールリハーサル室で行われた。この場所で7月下旬に開かれるのは3年連続で、ちょうど夏本番を迎えたこの季節の一つの恒例行事のような気もしてくる。早いもので発表会には連続5回目の参加となるが、これはギターの人と並んで、最古参組の一人となる。習い始めて最初の2年は、横浜山の手の旧イギリス領事館でこれも風情があったが、このところフィリアホールに落ち着いたのは、音楽専用の施設の使いがってのよさと、やはり教室の近くで参加者に便利ということだろう。
今年選んだ曲は、バッハの「ヴィオラダガンバとチェンバロのためのソナタ」の第1番から、終楽章アレグロを練習用に短く編曲したもので、レッスンに使っているスズキメソッド3巻の最後にある。全部で3曲あるこの組曲は、それほど有名でないかもしれないが、早逝したピアノの天才グレン・グールドが、アメリカのチェロの巨匠レナード・ローズと70年代の初めにCB Sに全曲を入れた録音があって、まだ社会人になった間もない頃に、先輩から紹介されて以来、このCDを長いこと愛聴してきた。
グールド特有の超高速のアレグロと、異常にゆっくり流れるメヌエットの情緒の対比が極端で、演奏の仕切りは完全にグールドのペースだが、何十歳も年下の若き天才の頭脳から湧き出る音楽の啓示をひたすら信じ、快活に迸る音の流れに完全に身を預けている(ように聴こえる)ローズのチェロも実に生き生きと見事で、弦とピアノが一体となった胸のすくような演奏は特筆に価する。 このいわば長年の憧れの曲を、少々無謀かもしれないと思ったが発表会用に選び、この2ヶ月間、これまでになく精を出して練習してきた。
テンポは、グールドとローズの演奏は、♪=160をはるかに超える超快速で、とてもじゃないがマネできない。♪=130くらいで弾ければ「アレグロ・モデラート」としては少し遅いが、音楽としてはまずまず聴けるスピードといえるが、これでもフレット上を元気よく駆け回るパッセージをこなすに要求される左手指のすばやく正確な動きや、右手の弓の切り返しや移弦のスピードがついていかない。結局、♪=115くらいで慌てずに弾くことに落ち着いた。
発表会の当日も、昼間に2時間以上、脇目も振らずに仕上げにかかり、本番でもなんとか大きな破綻はなく弾きとおせるかという感じも持ったが、夜9時近くなった本番では、やはり緊張のためか大幅に崩れてしまった。今回は、全般にかなり充実した練習が出来たし、あまり力みすぎないように、比較的リラックスして臨んだつもりだったが、逆に集中力が足りなかったのか、あるいは、自分の出す音が拡散し自分の耳に聴こえないことに焦ったか、一瞬、音楽の流れを集中して追うことを忘れ、最初の上昇パッセージで早くも崩れてしまった。後半はなんとか持ち直してきたが、全体としては実力の半分も出せなかった。
ピアノパートは、相当のテクニックを必要とするが、T先生は忙しい公演の仕事の合間に、難しいピアノ譜をきちんと仕上げてこられ、ミスもなく弾ききられたのは流石だ。先生は、チェロかピアノのどちらで音大を受けようかと思った時期があるくらい、ピアノも相当達者で初見で結構弾けるが、それでも今回はそれなりの準備が必要だったようで、お時間をとらせた上に、本番で生徒の出来が悪くて申し訳ない感じだった。
最後にフルート3本と、チェロ、ギター、pfで「翼をください」の合奏をやったが、こちらはチェロは通奏低音を奏でるだけなので、楽しめた。5回目の演奏会も、残念ながら満足行く演奏は出来なかったが、今回かなり身を入れて練習したせいか、これまでより一歩深く、この楽器の魅力に目を開かれた気がする。
今年選んだ曲は、バッハの「ヴィオラダガンバとチェンバロのためのソナタ」の第1番から、終楽章アレグロを練習用に短く編曲したもので、レッスンに使っているスズキメソッド3巻の最後にある。全部で3曲あるこの組曲は、それほど有名でないかもしれないが、早逝したピアノの天才グレン・グールドが、アメリカのチェロの巨匠レナード・ローズと70年代の初めにCB Sに全曲を入れた録音があって、まだ社会人になった間もない頃に、先輩から紹介されて以来、このCDを長いこと愛聴してきた。
グールド特有の超高速のアレグロと、異常にゆっくり流れるメヌエットの情緒の対比が極端で、演奏の仕切りは完全にグールドのペースだが、何十歳も年下の若き天才の頭脳から湧き出る音楽の啓示をひたすら信じ、快活に迸る音の流れに完全に身を預けている(ように聴こえる)ローズのチェロも実に生き生きと見事で、弦とピアノが一体となった胸のすくような演奏は特筆に価する。 このいわば長年の憧れの曲を、少々無謀かもしれないと思ったが発表会用に選び、この2ヶ月間、これまでになく精を出して練習してきた。
テンポは、グールドとローズの演奏は、♪=160をはるかに超える超快速で、とてもじゃないがマネできない。♪=130くらいで弾ければ「アレグロ・モデラート」としては少し遅いが、音楽としてはまずまず聴けるスピードといえるが、これでもフレット上を元気よく駆け回るパッセージをこなすに要求される左手指のすばやく正確な動きや、右手の弓の切り返しや移弦のスピードがついていかない。結局、♪=115くらいで慌てずに弾くことに落ち着いた。
発表会の当日も、昼間に2時間以上、脇目も振らずに仕上げにかかり、本番でもなんとか大きな破綻はなく弾きとおせるかという感じも持ったが、夜9時近くなった本番では、やはり緊張のためか大幅に崩れてしまった。今回は、全般にかなり充実した練習が出来たし、あまり力みすぎないように、比較的リラックスして臨んだつもりだったが、逆に集中力が足りなかったのか、あるいは、自分の出す音が拡散し自分の耳に聴こえないことに焦ったか、一瞬、音楽の流れを集中して追うことを忘れ、最初の上昇パッセージで早くも崩れてしまった。後半はなんとか持ち直してきたが、全体としては実力の半分も出せなかった。
ピアノパートは、相当のテクニックを必要とするが、T先生は忙しい公演の仕事の合間に、難しいピアノ譜をきちんと仕上げてこられ、ミスもなく弾ききられたのは流石だ。先生は、チェロかピアノのどちらで音大を受けようかと思った時期があるくらい、ピアノも相当達者で初見で結構弾けるが、それでも今回はそれなりの準備が必要だったようで、お時間をとらせた上に、本番で生徒の出来が悪くて申し訳ない感じだった。
最後にフルート3本と、チェロ、ギター、pfで「翼をください」の合奏をやったが、こちらはチェロは通奏低音を奏でるだけなので、楽しめた。5回目の演奏会も、残念ながら満足行く演奏は出来なかったが、今回かなり身を入れて練習したせいか、これまでより一歩深く、この楽器の魅力に目を開かれた気がする。
でも、継続は力なり。多分、数年前のyasuさんと比べたら、格段に良くなっているのでは?(聴いていないのでわかりませんが・・・)
私は、諸般の事情により、音楽活動はしばし小休止の予定です。
また集まる機会がありましたら、是非。
本番が鬼門であるのは、ピアノなんかもそうだとは思いますが、弦楽器は特にことさらだと感じます。音色も初心者の間は、蚊の鳴いたような音しか出ないですし、ある程度のレベルまで行かないと楽しむ、という所まで行かないようです。まだまだ道のりは遠そうです。