香港独言独語

長らく続く香港通い。自分と香港とのあれやこれやを思いつくままに語ってみる。

青と白で水色

2009-09-01 19:04:15 | Weblog
レンタルビデオ屋さんへ行くと、旧作がどんどんなくなっていっている。

ちょっと前ツタヤに行って池脇千鶴の「丘を越えて」をさがしてもらった。すると、

「すみません。もう在庫がないんです」

「えっ、1週間ぐらい前棚にあった気がするんやけど」

「2、3日前に整理したみたいで、申し訳ありません」

との返事。

まぁ店側としても、新作がガンガン入ってくるから、置き場に困るわけで、借りられないDVDをいつまでも在庫で抱えているわけにはいかないのだろう。その辺の商売事情はよくわかる。たまにあまりにもぎゅうぎゅうに棚に並べられてるもんで、引っ張り出してみて元に戻そうとしても、窮屈すぎて中に入らないこともあるしね。

だからとうとうDMMに加入した。別にツタヤでもいいんだが、DMMの方がホームページで作品の探し方が簡単なような気がしたからで、テレビの宣伝の「ネットで借りてポストに返却~」という宣伝にひっかかったわけじゃない。いや、ちょっとそれもあるか、深層心理では。

ホームページで見るとかなり以前の作品も充実しているから、現在邦画での遅れを取り戻すべく奮闘努力している身としてはかなり助かる。それにレビューがたくさん載っていて、それも参考にできるため、知らない役者さんの作品でもその評価の星の数を基準にいっちょう観てみるか、という気も起こったりすわけである。

もちろん、レビューはあくまでも評価する人の好みにかかっているので、星の数が少ないからといって、必ずしも私に合わないというわけではないし、逆もまた言える。星は多いが、いやあちょっとなぁ・・・、というのもあるのである。

でも、五つ星が満点のところで四つ星がついていると、かなりの確率で当りがある。星三つの場合は完全に観る者の好みで分かれる。例えば、自分が好きな役者さんだとそれだけで少々の欠点には目をつむれたりするからだ。

ただ、ネットで借りる場合の欠点は観たい作品が即観られるというわけにはいかないところだ。レンタル店の場合だと、棚にあればすぐに借りられるが、ネット注文では、一応自分のリストを作って、その中で在庫があれば送ってくるシステムになっているから、次に何が来るかは相手任せということになってしまう。人気作品は競争率も激しいらしくなかなか来ない。

そこで、近作でどうしてもすぐ観たい場合はツタヤの店舗に行って借り、待てる分、あるいは、旧作で店舗にない作品はひたすら待つ、という二刀流で行くことにしたわけである。

現在のところ池脇千鶴と蒼井優の線を中心に注文を入れているわけだが、今回蒼井出演の「青と白で水色」が届いた。レビューでは星5個の満点だが、たった一人しか投稿がなかったので、一抹の不安はあったけれど、これがなかなかよかった。

日本テレビシナリオ登龍門2001大賞受賞作品とタイトルに書いてあったが、時間も46分と短くテンポもいい、かといって短編というほど短くは感じない。新人でこんな脚本を書ける人がいるとは、世の中には才能のある人はごまんといるんだなぁ、と恐れ入った。

内容は高校のいじめをテーマにしたもので、主演は宮崎あおいだ。恥ずかしながらいい年をして蒼井優ファンのおじさんとしては、蒼井優がいじめ役というのが、う~んそんな役やって欲しくないなぁ、となるところだけれど、まぁ仕事ですからねえ、仕方ない。

しかし、蒼井も宮崎も共に1985年生まれで、2002年製作だから両者ともに17歳の時に、高校生が高校生を演じたということだが、いやぁ宮崎あおいはうまいです。17でこれか、というぐらい熱演してます。これからは宮崎あおいも自分のファンリストに入れることに決定した。

「篤姫」はNHKの時代劇だから演技にも制約があったんだろうし、ちらちらと観たぐらいであまり感心しなかったが、このドラマでの演技力はほんと保証します。ま、私が保証しても何の価値もないけれどね。

それに較べ、蒼井はどういうかなぁ、まぁ役柄仕方ないんだろうけど、いまいちだったな。生意気な女子高生というオーラはがんがん出てたし、憎たらしいいじめっ子という役は十分伝わってきて、こういう女子高生のガキは近所にもおるなぁ、と思ったら、おじさん蒼井優のファンのくせに一発しばきたくなったほどだ。

観るものに憎たらしいやっちゃなぁ、と思わせたということは、一応演技としては成功と言える。

しかし、二人は中学時代にはかなり仲の良いい友達同士だったという設定だから、いじめる際にも何かそうした背景を示唆するものがあってしかるべきだろうと思う。

けれど、顔がアップになった時、表情にもう一ひねりアクセントがない。いじめながら、いじめられ役の宮崎と目を合わせた時に、視線をついそらす、といったあたりに、ある種の後ろめたさを表していると解釈できないこともないが、もうちょっと微妙な振幅が欲しいなぁと思ってしまった。

池脇千鶴ならあんな場面でももうちょっと何か付け加えるような気がする。もっとも池脇にはいじめ役は回ってこないだろうけど、絶対。何しろあの顔だからね。

ま、外野ではいろいろ言えるが、17歳なら監督さんの指示通り動くだけで精一杯だったんだろうなぁ。

ただ、思うのは蒼井優は緻密な演技派ではないんじゃないか、ということだ。だから、どう言ったらいいか、前に池脇千鶴は変化球投手だと言ったが、蒼井優はストレート主体のピッチャーではないだろうか。

つまり蒼井優は細かな演技よりも、各シーンでの存在感で表現するタイプじゃないだろうか。そのシーンシーンで独自の雰囲気を自分にまとわらせて、それをまるごとぽんとそこに置いて見せる。惜しむらくは、この映画の場合はストレートがちょっと一本調子だったんじゃなかろうか。宮崎あおいが熱演してるだけに余計そう思わされるのかもしれないが。

もっとも宮崎が主演で、蒼井はサブの立場だから、フルに力を発揮できなかったとしても無理はない。あまり多くを要求するのも酷な話ではあるな。

蛇足になるけど、小栗旬が結構おいしい役をもらって、うまい演技をしている。日頃テレビのドラマは観ない主義なので、なんかチンピラっぽいやっちゃなぁ、という偏見を持っていたが、このたび心を入れ替えました。

小栗も結構やりますな。そんなん、ちょっとかっこ良過ぎるで、と冷かしたいぐらい、いい味出してます。小栗旬の女性ファンの方なら観て損はないと思う。あ、もちろん男性ファンの方もどうぞ。

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1 コメント

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Unknown (とおりすがりの映画ファン)
2009-09-01 22:23:12
宮崎あおいさんは1985年11月30日生まれです。『青と白で水色』は 2001年12月1日に日テレ系列で放送されたのが最初ですから、撮影時はまだ15歳ですね。蒼井優さんは1985年8月17日生まれですから撮影時は16歳ですね。
宮崎あおいさんの存在感と輝きは既に13歳当時に撮影された『ユリイカ』の頃から「映画に愛された少女」の愛称にふさわしいものがありました。
蒼井優さんはまだこの当時は才能も魅力も開花していないどころか存在感も希薄でしたね。
でも、この2人の天才女優が最初に共演した映画『害虫』撮影は2人とも15歳だったのですから、その後の2人の活躍ぶりを鑑みてもやっぱり凄い女優さんたちだなあと思います。