【ツカナ制作所】きまぐれ日誌

ガラス・金工・樹脂アクセサリー作家です。絵も描いております。制作過程や日常の話、イベント告知等。

【自作台本】へなちょこクエスト

2018-04-16 08:45:09 | 自作台本
※おっす!今回も台本です。今回は初めから声劇として構成したものです。実際やってみた方はぜひ感想コメントくだされ!でも著作権てもんがありますので無許可公演や無断転載(コピペ)などはお控え下さい~当たり前だけどねw






ーーー『へなちょこクエスト』コメディ/ファンタジーーーー

勇者
白魔法使い
魔王
手下

勇者「いよいよこの時が来たか・・・」

白魔「えぇ。いよいよね」

勇者「明日は魔王の誕生日会。多くの魔物が城に招かれて飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ。城警備はザルになり、変装した俺たちが乗り込んでも誰も気付くまい。油断した魔王を背後からグサリ・・・フフフ、我ながらいいアイデアだ」

白魔「ああん、たまんない!勇者のくせに卑劣で闇を抱えてて、暗い過去があって誰にも心を開かない冷たいかんじ、ほんとたまんないっ!尊い!推せる!」

勇者「(小声で)落ち着け俺・・・やればできる子だ俺は。愛しの白魔法使いちゃんの趣味は把握済み。それにあわせた演技の練習もさんざんしてきた。魔王を倒し世界を平和に導いた暁には、『俺の常に暗闇のような心に光を灯してくれるのは君だけだ』と若干メンヘラ気味に告ってハピリーエヴァーアフター。よし、我ながらいいアイデアだ!」

手下「おいお前ら」

勇者「わっ!こ、こんにちは!」

手下「今日は魔王様の誕生日パーティーだ、楽しもうぜ!

勇者「い、イエーイ!」

手下「ほら、二人とも中に入れよ」

勇者「ふぅ・・・心臓が止まるかと思った」

白魔「あ、あそこに魔王がいます!」

魔王「フフフ・・・ハーッハッハッハ!よくものこのこと集まってくれたなぁ貴様ら。我が輩の誕生日を祝うためにわざわざ遠方から。実に涙ぐましい話だ。別に感謝してるわけではないが、お前たちには今から五臓六腑が張り裂けるほどたらふく、死ぬほど旨いもん喰わせてやるから覚悟するがいい!」

手下「やんややんやー!」

勇者「どうやら人望・・・いや、魔物望の厚い魔王のようだな。というかツンデレ・・・なのかあれは」

白魔「ゆふひゃひゃま、ごはんおいひいれふよ」

勇者「えぇ・・・なんでフツーに魔物のご飯食べてんだ白魔!」

白魔「ごくん・・・ねぇねぇこれ何の肉ですか!?おいしい!」

手下「それか。それは吸血モグラの唐揚げだ。旨いだろう。俺も好物だよ」

白魔「のおおおおいしい!」

手下「そのまま食べるか塩をかけるのが定番なんだがな、柑橘シロップをかけても旨いぞ!衣が濡れるのが邪道ってタイプにはオススメしないけどな」

白魔「おいひい!おいひい!」

勇者「だあーもう!このままじゃ異世界ファンタジーものが昨今流行りのグルメものになっちゃう!」

魔王「どうだ、楽しんでるか貴様ら」

勇者「わっふう!」

手下「おお、魔王様!今年もこのようなパーティーにお招き下さり感激の至りです。今後もますますのご活躍を期待・・・いえ、確信しております。魔王様は我々魔物の希望です!うぅ・・・まさか私のような若輩者にまでお声かけ下さるとは」

魔王「フッフッフ、ハーッハッハッハ!我が輩にとっては、我が輩以外の貴様ら魔物は皆同等のものだ。我が輩の仲m・・・手下として、我が輩は近衛隊長だろうが貴様のような遠方の友軍だろうが同様に扱う!」

手下「ま、魔王様~!めっちゃ優しい~!好き!」

魔王「ええぃ、寄るな。我が輩今朝からちょっと風邪気味なのだ!貴様にうつったらどうする!」

手下「ひぇーめっちゃ優しい~!無理~!」

白魔「キツい口調の裏に隠されたツンデレな優しさ、気遣い・・・やるわね魔王・・・敵じゃなかったら推せるレベル・・・いや、逆に魔王という闇の深い立場ゆえに、素直に優しさを表現できない的な・・・尊い」

勇者「ねえ、白魔ちゃ・・・白魔、何ブツブツ言ってんだ」

白魔「あ、勇者様!なんでもないの」

手下「勇者?今勇者って言ったか」

白魔「あ、い、違うんです」

手下「勇者ってやつも大変だよな。不死身の魔王様を倒しに、わざわざ魔界まで来るなんてさ」

勇者「不死身・・・」

手下「でもって、勇者って大抵、身よりのない人間がなるらしいんだ。家族がいれば反対されるからな。それで、誰かに認めてもらいたくて魔界征服しようとする。誰かに認めてもらうのが根底にある目的だから、できるだけ小人数で来る。もちろん俺たち魔物にかなうわけない、ましてや魔王様は死なない。大変だよなぁ勇者は」

勇者「で、でも、五年前に魔王・・・様は倒されて、今の魔王様はその子供だって」

手下「そうそう、人間界にはそういう噂を流してる。よく知ってるなお前」

白魔「なんでそんなことを?」

手下「そう、そこが魔王様のすごいとこだ。一人身の勇者たちを人間界で英雄にし、幸福にさせ、かつ同時に魔界の安全守るため、魔王様が何度死んだフリをし、『先代魔王のカタキめ』ってセリフを言ってきたことか」

勇者「じゃあ今の魔王が76代目ってのは」

手下「もちろんずっと同一魔王様さ。知らなくても無理無いな。お前若そうだし」

勇者「へぇ・・・」

手下「唐揚げ食うか」

勇者「頂きます」






魔王「今日会場に潜入してた勇者は?」

手下「83名です」

魔王「減ったなぁ・・・よかった」

手下「今回も全員大人しく帰りましたね」

魔王「貴様の・・・君のおかげだ。いつも助かっている」

手下「身に余る光栄です」

魔王「彼らにはたらふく食べさせてやってくれたか。」

手下「よく食べる白魔法使いにはタッパーを持たせました」

魔王「そうか・・・なぁ、実際に我が輩が76代目で、魔王は不死身なんかじゃ無いって知ったら、彼らはどうするんだろう」

手下「さぁ・・・とにかく、この作戦は素晴らしいと思います」

魔王「平和が一番だからな。」

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