バカに付ける薬は無いって言うけど、『うっかりや』だって同じことだ。
俺は、また深いため息をついた。
小さい頃から俺は、「うっかりや」だった。はいはいができるようになってすぐから、親が目を離した隙に物にぶつかるわ段差から落ちるわ、歩けるようになるとしょっちゅう転んだり頭を打ったりなんかして、これでよく死なないものだと親に感心されたものだった。
成長するにつれて俺の「うっかり」は、 . . . 本文を読む
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庄三は、目をあけた。
左目は開けることができず、ゆっくりと右目を開ける。まぶたが、ひどくざらついた。そのまましばらくじっとして、もうろうとする意識の霧から抜け出ようとした。
意識が戻ってくると同時に、急激に全身の痛みに襲われた。耐えられなくなって、庄三は悲鳴をあげようとした。それさえ、まともにできなかった。歯を食いしばると、ひざとひじを使って、なめくじのようにのろのろと海から . . . 本文を読む
生まれてこのかた18年、初めて二日遅れの筋肉痛を経験して己の老いを思う今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ほんとに筋肉痛って時間差で来るようになるもんなんですね!!迷信だと思ってました(・ω・;)
…で、今日はどうしようかな。
実は最近ネクタイのデザインコンペに応募しようと目論んでおりまして。しかし昨日言われて明日ラフスケッチ提出としろか…なかなか無茶ですぜ(@_@;)
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「失礼いたしますが警部さん、先に私に証言させていただきたく思います。私はトーマス・ホール、このお屋敷の使用人でございます。」
警部は手帳に記された名前と、目の前の誠実そうな男とを見比べて頷いた。きっちり撫で付けられた髪、隙の無い服装に、彼の内面がにじみ出ているように感じられた。
「土曜日、私はお休みをいただきましてリゼルネパークに行っておりました。若い頃からテニスが好きでし . . . 本文を読む
☆これはアガサ・クリスティーにドップリだった頃に書きました。えせミステリー。こん時書いた小説のほとんどが、舞台が英語圏でした。地名とか人名がインチキ臭いw
――――――
「ちょっと早すぎましたかね。」
バーグマン警部は帽子を取って、ていねいに言った。玄関を開けた若い女中は顔を赤らめて、彼を上から下まで眺めた。
「『ジェシカおばさんの事件簿』みたいね!警部さん、どうぞ中へ!」
警部は、心 . . . 本文を読む