多文化共生のすすめ

Toward a Multicultural Japan

EU

2006年03月06日 | Weblog
最近の風刺漫画問題でも注目されるEUの移民問題であるが、"Migration and Integration" はEUの一大テーマである。欧州委員会は、この1、2年の間に、"First Annual Report on migration and integration"(2004年7月)、"First European handbook on integration of immigrants"(2004年11月)、"Green Paper on an EU approach to managing economic migration"(2005年1月)といった重要なペーパーを発行している。

EUの移民政策を考える上でのキーワードといってよい「統合(integration)」だが、日本ではまだ政策用語として定着していない。定着していないどころか、おそらく、規制改革・民間開放推進会議の第二次答申(2005年12月)に「社会的統合」が用いられたのが初めての例であろう。そこでは、「社会的統合」を「受け入れた外国人及びその家族の人権や文化的・社会的背景に配慮しつつ、受入れ国の経済・社会で生活する上での諸権利を認めるとともに、義務を果たさせること」と定義している。

来る3月9日に、外務省と国際移住機関(IOM)が共催するシンポジウム「外国人問題にどう対処すべきか- 外国人の日本社会への統合に向けての模索 -」が行われる。テーマに「統合」を掲げていること、そして、ドイツとフランスから、国や州政府の社会統合政策のキーパーソンを招いていることからも、大変興味深いシンポジウムである。