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腐敗惑星のアリス★第13回腐敗惑星《静かの海》にある地下羊宮の中で、 「トリニティ、外界へ出る時かもしれん。成人式が必要じゃ」 トリニティは地下羊宮の疑似人格チャクラに言われた。

2020年06月30日 | 腐敗惑星のアリス
AF腐敗惑星のアリスー宇宙連邦の監視機構の元で、腐敗惑星内で新生命トリニティが蘇生し、世界の秩序を変える動きが始まる
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腐敗惑星のアリス★第13回腐敗惑星《静かの海》にある地下羊宮の中で、 「トリニティ、外界へ出る時かもしれん。成人式が必要じゃ」 トリニティは地下羊宮の疑似人格チャクラに言われた。
 

腐敗惑星のアリス★第13回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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腐敗惑星《静かの海》にある地下羊宮の中で、

「トリニティ、お前はそろそろ外界へ出る時かもしれんのお。お前には成人式が必要なのじゃ」

 

ある日、おもいがけずにトリニティは、地下羊宮の疑似人格チャクラじいさんにそう言われた。

 

 (地下羊宮の外へでるですって。いやだなあ。外へ行かなくてすむように、どうごまかすかだわ)

「でも、チャクラ、あたしはまだまだ学ぶことがあるような気がする」

 チャクラは答えない。トリニティはチャクラのきげんを探ってみるため、やんわりと尋ねる。

 

「外界に行って、そこで何をするの」

「お前の役割をはたすのじゃ」

 

(つまり、仕事を外でしろって事ね。嫌よ。しかくない。仕事なんて)

「どんな役割なの」

 

「お前は《禁断の実》をみつけなければならんのじゃ」

(禁断の実ですって、何、それって。勉強していないわよ。でも、何か大変なことがおこ

りそうね。あぶないわ)

 

 そのトリニティのおもいを気にせずに、チャクラは続ける。

「《禁断の実》はワシ地下羊宮『チャクラ』の分断された体の一部なのじゃ。記憶容量ががっちりつまったメモリーバンクじゃ」

 

「という事は、チャクラの記憶容量は充分ではないというわけね」

(もう、今までの勉強でうんざりよ。これ以上の勉強なんて、必要ないわよ)

 

「その《禁断の実》は、はるか昔、世界がこうなる前には、ワシの体に組み込まれていた。

ある者がワシから盗み去ったのじゃ」

(盗んだですって。偉い、偉い。その人はほめたたえらえるるべきよ)

 

「ある者って、チャクラの敵なの」

「昔は友達じゃった。が、しかし今は敵じゃで」

 

「昔は友達?じゃ知りあいなのね。チャクラと同じ様な体をしているの。もしそうなら動

けないじゃない」

「彼らは動ける。それもかなりの高速で空間を移動できるのじゃ」

(ええっ、何ですって)

「彼らですって」

「そうじゃ、彼らの名前は「戦闘16面体」。おまけに彼らのボディはワシがプランニングし、作りあげたのじゃ」

(きゃっ、戦闘16面体ですって。聞いただけで怖そう。いやだわ)

「どういう目的で、その彼らを作ったの」

 

「お前を守るためにじゃ」

「それが、あなたのもとを出ていったの。あたしを今でも守ってくれるのね」

 

 ふーん、安心と思ったトリニティだったが、チャクラの答えは想像とちがった。

「残念じゃが、トリニティ、今の彼らが、お前の成長をしれば…」

 

トリニティはチャクラの答えを待つ。

 チャクラはしばらく考えていた。再びトリニティが尋ねる。

 

「戦闘16面体が、あたしにあえばどうなるの」

 いいながらトリニティは、心臓がとまりそうよ。

 

「お前を殺そうとするじゃろうて」

チャクラは平然と答えた。トリニティは衝撃をうける。

 

(うわーん、何よ。どういう運命なのあたしは。悲惨だわ。これからのあたしはどうなる

の。そんなにあぶないところにでていけというの。そんなのないわよ)

 

 トリニティは、ここから、逃げ出そうと思った。

 

(続く)20090501改定

作●腐敗惑星● 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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