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アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー第30回●

2018年02月10日 | アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産

アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー第30回●
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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 「母さん。お父さんや、この腐肉たちを助けてあげる方法はないの、
あたしはもう、戦いはいや」本当に疲れるもの。
 「あなたたち、何か方法は」レムリアは他の者に尋ねる。

 「我々には無理です」
 「皆を元にもどしてあげてよ」
トリニティが涙を流しながら叫んでいた。

「王なら、その力がおありじゃ」
 「そうするように王に呼びかけましょう」

 「風民の意識をかりましょう。風民よ、お願い、聞いて、風民も腐敗の風
でなくなりましょう」レムリアが叫ぶ。
 風民の意識が腐肉の意識を動かす。
 「寂寥王よ、あなたを許そう。この我を元の体に戻してくれるのな
ら」 
「待て」
ラフラタであるものがいった。

「お前たち、どういうつもりだ。この寂寥王を倒すのだ」
「ラフラタよ。お前はこの寂寥王の心の寂しさを感じられないのか。
孤独が解らないのか。創造者の苦悩が理解できないのか」

「ラフラタよ。お前の心をのぞいてみた」
 「お前には心が存在しない」

 「つまりは、ダークサイドの人間というわけだ」
 「寂寥王よ、我々はあなたを信用します。許しましょう」

「ラフラタの意識を、我々より排除しよう」
風民たちがこう考え始めた

 「やめろ、お前たち、どちらの味方だ」

が、ラフラタの意識は数千、数方の意識から攻撃を受け、分
断、消滅させられた。

■ やがて、地表は平和に満ちた。腐肉と風はすべて、もとの生物体
に戻った。

この星は生物やロケットなどの機械類であふれていた。


もとの姿に戻った回収子ゲノンは、肉体と霊体が合体したレムリアに言う。

 「君はもう帰るつもりは、ないのだな」
 「そう、ゲノン、許して。私にはこの子がいるの。それに、この世
界をもとに戻す手伝いをしなければならない」

 「では、君の守護神には、君が死んだと報告しておこう」
回収子ゲノンは宇宙の未来へと去って行った。

■ 「ラフラタはなぜ、急に我々を攻撃してこなかったのでしょう」
レムリアが言った。

 「寂寥王の分身が帰ってくるのを待っていたでしょう」
ゴーストトレインが答える。

 「罠を作って待っていたのだ。それゆえ、この星が腐敗したのはあ
やつのせいかもしれない。寂寥王の心を惑わせて、この星を寂寥王
言う。

 「ダークサイドじゃったか、あやつは」
チャクラが尋ねる。

 「だから、彼らは、世界をこのまま、破滅させたいのだ、それには
寂寥王を殺してしまう、あるいは、行動できなくしてしまうのが一
番なわけだ」
16面体の考えだ。

 「それが、奴らダークサイドの野望じゃろう」
チャクラも考える。

 「では、あたしに最初にあいにきた男はお父さんの分身、残留意志
なのね」
トリニティは昔をおもいだしていた。

「そうよ、別の星を再生していたのだと思うわ」レムリアが言う。
 「では、まだ、寂寥王に働いてもらわねばならないわけですね」
ゴーストトレインが言う。

「そういうことじゃ。レムリアとトリニティには悪いが」
 「かわいそうな、お父さん」トリニティは思った。
まだ、働かせるの、いいかげんにしたら。
(続く)

1975年作品 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
アリス・イン・腐敗惑星ー寂寥王の遺産ー
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