小説工房/山田企画事務所www.yamada-kikaku.com/

小説●ビジネスマンガ制作 山田企画事務所yamada-kikaku.com

日本人の日序章 第18回ラインハルト議長指揮するJVOのアルゴステーションを占拠し、ミサイル発射を阻止しょうとした7人のサムライノクニ・エージェントは、防御アンドロイドヤコフ21と対峙した。

2021年01月21日 | 日本人の日序章(1980年)
日本人の日序章■財閥ラドクリフ企業グループが世界の経済と政治状況における一国の役割を分析。その一人の男は その国が存在しないと仮定し、世界分析を行う。結果は、男の推論どおりである。その国の名は。
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n1162gl/18/

 

日本人の日序章 第18回ラインハルト議長指揮するJVOのアルゴステーションを占拠し、ミサイル発射を阻止しょうとした7人のサムライノクニ・エージェントは、防御アンドロイドヤコフ21と対峙した。
 

日本人の日序章 第18回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

Http://www.yamada-kikaku.com/

 

 

アルプス要塞の通信オペレーターは、アルゴステーションの異状

に気づく。

 

「チーフ、大変です。アルゴステーションとの回線が不通になりま

した」

「よし、もう一度チェックしろ」

 

「だめです。補助回線も復帰しません」

 通信オペレーターのチーフ、ブライアンは恐るべき知らせをラインハルト議長

に報告しなければならなかった。

 

「ラインハルト議長、アルゴステーションが通信不能になりました」

「どんな情勢なのだ」

 

「どうやら、アルゴステーションには生命が存在しないようです」

「なんだと! 聞いたか、ファーガソン」

「日本人の奴らのしわざかもしれませんな」

 

「なぜ、アルゴステーションをねらったのだ」

「あの計画がもれたのかもしれません」

 

「ミサイルはすでに運びこまれているのか」

「そうです。いつでも発射可能です」

 

 ラインハルトはしばらく考えていて、あることに気がついていた。

 「ファーガソン、アルゴステーションの近くには有人殺人衛星はな

いのか」

 ファーガソンは近くにあるコンソールに向かいキーボードをたた

いていた。

 

 ファーガソンがうれしそうな声をあげる。

 「近くにa-13が存在します。乗員はアントン・ヤノーシュです」

 「よし、ヤノーシュをアルゴステーションに向かわせろ」

 

 「でも、アルゴステーションには対キラー衛星装置が装備されてい

ますが」

「かまわん、ヤノーシュならうまくやるかもしれん」

 

■日本人の合体ロケット「富士」はようやくアルゴステーションの

ロケット発着ランチャーに接舷していた。

 

 ステーションのバリヤー装置は作動していない。日本人形作戦が

成功しているようだ。先行して送りこまれた日本人形が、アルゴス

テーションの防備装備をバラバラにしているはずだった。

 

 だが、どこまで、アルゴステーションの防禦装置を裸にしている

かは疑問だった。

 

 が、少なくとも、ランチャーまでは到着できた。

 

 角田は腕時計のディスプレイを見ながら、ステーションの脱出用

(ツチに辿りつく。後には宇宙服を装着したソンガが続いている。

 ステーションに辿りつくまで、三機が地球防衛圏内で攻撃破壊さ

れていた。残る四機が中間地点で合体していた。合体ロケットの名

は「富士」である。

 

 アルゴステーションまで辿りつけたのは、花田、角田、村上、朝

賀の四名だった。

 

日本人抵抗組織で、アルゴステーションを目指した人間は、

 

アコンカグワ 角田 博

アマソン。シティ 高野周三

インドネシア ポロブドール 朝賀 健

マダガスカル 船井光一

タイ奥地 塚本猛

南極 光明基地  村上千馬

南太平洋上 潜水艦「嶺」 花田万頭

 

花田、角田、村上、朝賀の四名以外は犠牲となった。

全員、日本組織サムライノクニ・エージェントである。

覚悟の上だったが4名は瞑目した。

 

 アルゴステーション中にはいろうと脱出ハッチを開けた瞬間、光条がステーション内

からのびてきた。すばやく反応して、逃がれる。光線銃だった。自

動防禦システムだろうか、そう考えている彼らの宇宙服のインカム

に声が入ってくる。

 

 「ヘイ、ジャップ共、今のは、俺からのあいさつだと思ってくれ。

ここから先は、お前たちを一歩も入れないぜ」

 

 「彼には例の神経ガスは効かなかったのでしょうか」

 短躯の村上が、花田に尋ねる。その答えは相手側から返ってきた。

 

 「俺は、このアルゴステーションの防禦サイボーグ、ヤコフ21だ。

俺以外の人間は、お前たちの人形のおかげて、全員くたばっている

さ。俺に勝ちさえすれば、このアルゴステーションはお前たちジャ

ップのものだぜ」

 

 ヤコフ21が花田たちに注意が集中している間、日本人形たちは機

械中枢部を破壊にかかっている。

 

 「おい。早く入ってこいよ。もう酸素がなくなるぜ」

 花田達は、一度、「富士」にもどろうとした。

 

 が、その一瞬「富士」は爆発する。

 「くそっ、一体なぜ」

 朝賀が叫んでいた。その時、再びインカムにヤコフ21の声が響い

てくる。

 

 「ふふっ、俺が爆発させた。もう、お前たちはそこにへばりついた

ままだ。早く入ってこないとな」

 「くそっ」

 叫びながら村上が、別の脱出(。チにとりつく。

 「やめろ、村上」

 他の三人は叫んでいたが、遅かった。

 

 光条が走り、村上の体はまっ二つに吹き飛ばされる。

 「まずは一人だ。早く入ってこいよ。楽しみはこれからなんだから

な」

 ヤコフ21は舌なめずりをしながら、コンソールルームにすわって

いる。彼の前には全てのハッチのモニターが映しだされていた。

このコンソールですべての自動レイザーガンシステムを作動させる

事が可能なのだ。

 

 「花田さん、何とか突入しましょう。我々の維持装置の酸素量も少

ない。それに突入したところで、アルゴステーション内にはまだ神

経ガスが残っているはずだ。つまりは我々は宇宙服を着ていないと

アルゴステーション内でも行動できない事です」

 

 朝賀が真剣な表情で言う。

 

 「あるいは、宇宙ステーションの各所に穴をこじ開け、空気を抜い

てしまうかだ」 花田がいう。

 

 「もう一つ、人工重力装置を破壊して、ステーション内を無重力状

態にする事も考えられます」

 角田が思いつめた表情で言う。

 

 全員が腕時計のディスプレイを見た。

 「ヤコフ21のいる場所は中央制禦室と考えられます」

 

 「とすれば、この中央制禦室真下に重力発生場があります。ここを

破壊すれば、少なくとも、我々は動きやすくなります」

 

 角田は勢いこんで発言した。

「わかった。角田、その重力発生場は君にまかせる。ソンガもつれ

ていけ」

 

 角田とソンガは残っていた救命用の宇宙スクーターを操縦し、ス

テーション最下部へむかっていった。

 

 

日本人の日序章 第18回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

Http://www.yamada-kikaku.com/

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。