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遙かなる絆-ランナー第7回●

2015年02月07日 | 遙かなる絆-ランナー
遙かなる絆-ランナー第7回●
地球防衛機構(EDO)シリーズ
飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」


マコトは爆発の瞬間、無意識の内に、テレポートしていた。

彼の体はムーン=ウェイ・ルートの軌道内にあった。

軌道内は余り損傷を受けていないようだった。

爆風は、シャトルトレインの前後に吹き荒れたようだった。

シヤトルトレインは原型をとどめていない。

軌道内には空気がほとんど存在していない。

マコトは自分の体の表面全体に薄いバリヤーを張っていた。

そのバリヤーが彼を窒息死から救っていた。

だれか他に生き残っていないのだろうか。

超能力であたりを探索する。

生体反応。

サーチする。

機械と人間の合体?。

何者だ?。

マコトはその生体にテレバシーでさぐりかける。

 戦争のイメージ、.体がパラパラ把吹き飛ぶ、体が引き裂かれる、光線、死体。

そんな混沌としたイメージが、その生体から送られてきた。

「宇宙コマンド。兵士らしい。冷たい機械、光線銃、飛行物体、ロケット」

サイボーグらしい。

それも有酸素タイプだ。

マコトはサイボーグの存在を念力で探した。

彼はシャトルトレインの残骸に体をはさまれていた。

マコトは念動力を使い、シャトルトレインの残骸から彼を動かし、空気のバリヤーを彼のまわりにめぐらした。

その間、マコトは力を使い果たし、気を失った。
 
ヘルムの意識が次第にもどってくる。

朦朧としているヘルムの頭の中に声が響く。

この声がどこから来るのか、わからなかった。

「ヘルムよ、よく聞いてくれ。おまえの目の前にいる子供マコトは、単なる子供ではない。エスパーだ。

彼が月のある場所に行くことにより、新しい世界が現出する。

その世界は今の世界より、より豊かで、平等で、光あふるる平和な医界なのだ。

お前達のようなサイボーグも差別されることはない。

蔭口をささやかれることもないのだ。

 いいか、ヘルム、おまえはその子供を背負い、残されたムーン=ウェイ二十万キロを月に向かって走りぬけるのだ。

この困難は神が与えた試練だと思え。

おそらくいまだかって、この地球から月までを走り切った男はいない。

おまえはその最初の男になるのだ。

 いいか、おまえがあのシャトルトレインにこの子マコトと一緒にいたのは決して偶然ではないのだ。

我々がすべてプログラミングしたことだ。おまえは選ぱれたランナーなのだ」

声は告げた。


(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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