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遙かなる絆-ランナー第5回●

2015年02月05日 | 遙かなる絆-ランナー
遙かなる絆-ランナー第5回●
地球防衛機構(EDO)シリーズ
飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
山田企画事務所 ナレッジサーブ「マンガ家になる塾」

第5回

地球の南極空港ステーション空港ロビーで、皆がサイボーグ、ヘルム・リッカートの顔を見ている。

ヘルムの方を見なから、話しあっている人々もいる。彼は有名人であった。

ヘルムは「ロードランナー」の第一人者である。

 空港ロビーの雑踏の中で彼は座って考えていた。ここは地球の南極空港ステーション。

今、まさに、ルナ=シティ行きの『シャトルα』が出発しようとしていた。

 ヘルムは過去を思い出している。

自分が、何故ロードランナーになったのか。他に方法はなかったのだろうか、あの時は金が欲しかったのだ。

ヘルムはそう自分を納得させようとしていた。

 サイボーグ手術には、莫大な金が必要だった。

彼の両親はサイボーグ公社との契約書にサインをした。

 その契約書には、サイボーグ手術の代償に、五年間公社の命ずるがままに働くように書かれていた。

さらに加えて、彼は「ロードランナー」として一定の成績をも上げなければならなかった。

 次々と開催される、昔のマラソンに相当するロードゲームで彼は走り続けた。

オーストラリアー周レース、南極大陸レース、赤道レース。

彼は勝ち続けた。

勝利の女神がまるで彼に取り付いたかのようであった。

チューブとも言われる「ムーン・ウェイ」は、地球から月へのびる、三十八万キロという長くて柔らかい管と考えていいだろう。

 20世紀後半に盛んだった地下トンネル開削技術が応用されている。

 地球と月との間に、何百もの静止衛星(中継ステーション)を浮かべ、その間を管がつながっているの
である。

南極空港の出発点から、月のメースチングクレーターの出口まで、数億の管がジョイントされている。

この管の一つ一つを、ユニットと呼ぶ。

ユニットは伸縮性のあるPER製の外皮に被われていて、二重リングがその中に含まれている。

第一のリングは地球の自転に合わせ、回転し、第二のリングは月の公転に合わせて回転する。

 ユニットを輪切りにすれば、ほとんど地下トンネル構造とかわりはない。

 真中に情報ケーブルがあり、その上下に各々、月行きと、地球行きのシャトルトレイン軌道が通って
いる。

そのまわりを作業回路が包んでいる。その外側には前述のリングがあり、一番外側はPER製の外皮で覆われている。

 このムーンーウェイの基本アイデアは、一九七〇年代に日本の科学ジャーナリスト、草下英明氏によっ
て発表されていた。

 新燃料鉱物、「エルフ13」が月で発見されたことにより、このアイデアは実現化されることになったのだ。

 ムーン=ウェイの中を、シャトルトレインが走り、月から「エルフ13」が大量に地球に流れこんでいた。

 シャトルトレインは、マッハ7でムーンウェイ内を爆走する。超電荷力推進である。

 このウェイによって、200時間で人類は月に行き来できるようになった。

それこそ長い列車旅行をするような感覚で、月へ行けるようになったのだ。



片目のジャック、ことテロリストハンター、サムナーの乗り込んだエア・カーが、南極空港に到着到若した時、

すでに『シャトルα』は213名の乗客を乗せて出発したあとだった。

プランクトン=シティからここ南極空港まで「死の天使」の執拗な防害工作が続いたからだった。

(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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