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[支配者たち」(ハーモナイザー01)1986年作品 

2014年12月31日 | SF小説と歴史小説
[支配者たち」(ハーモナイザー01)1986年作品 
飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
●山田企画事務所


ロシュがやってきたのは、名も全く知られていない淋しい町たった
時ですら、この町を見向きもしないって通り過ぎていくだろう。
そんな感じだった。
この霧に包まれた町は、まるでこの世の中に存在しないような感じさえした。

制服に身を固めた、30名はいる大勢の護衛官たち。装甲車の中にいる、そのの一人が、ロシュの身を案じて、声をかける。
「ロシュ様、大丈夫ですか、こんな地図にはない記載されてない小さな町で、一人でお出かけ。とは、記載されていない事自体がおかしいのですよ」。
「心配するでない。この町。この場所に来ることは、、すでに、神が決められている。いわば、一つの宗教儀式なのだ」
強い調子でいった。
暗殺の計画も進んでいるこの時期に、一人で、という護衛官たちの、いわば、避難の目も気にせずに。

「ですが、ロシュ様」
「いいか。これは、命令だ。もし私が当分かえらなくても心配するな」
ロシュは強い口調で言う
、大星間帝国統治者のロシュは、彼の大仰な護衛官団を、その場に残し、
たった1人で、とでも小さな町へ向かっていった。

護衛官団は、町のまわりを取り囲み、彼がその町から出てくるまで待続けるだろう。


その小さな町の通りには、人影はなく、静謐さが全て覆っていた。まだ珍しく舗装されていない、むき出しの道をゆっくり歩いていく。彼は歩いて来た方向を、いわば、彼の信奉たちの方を、ふり返りもしなかった。


町のすぐ後ろにある小さな丘から、樹齢数百年に及ぶ樫の木立ちが、町並み方にその大きな陰を投げかけていた。

町外れにある。目立たない2階建ての家の前に立って、ロシュは、考えつかでにその建物を見上げ、ため息をついた。
やがて、思いつめたように、中に入っていった。

古びた看板には「夢の国」とあり、風でふるえて、音を立てていた。
昔のままのオーディが、いた。
今まさに眠りから覚めたばかりという顔で、カウンターの中に座っていた。

「ロシュ、100年ぶりかね。どうだい、この星の世の中の子は。ちぇつ、いつもと同じ会話、言葉か」

ロシュは、少々疲れた顔で答える。

「君も夢の中で見ただろう。戦争、革命、闘争。殺りく、暴動。、流血、それから、そうそう、わずかばかりの短い平穏、平和。、、、私に残ったものは、また、失望と疲労。、、いつもの通りだ」

ロシュは、首をうなだれていた。

「それじゃ、俺の頃と、また同じだったんだな。独裁者ロシュ殿、10のの太陽系、と127の星を支配する。大星間帝国の創設者にして、統治者のロシュ殿のか」

自虐的にオーディはいう。

「なお、オーディ。私はいつも思う。私たちは、一体、何のために生かされているのだ」

ロシュは、吐き出す様にいった。

「ロシュ、それは考えないことだ。俺たち二人は、ハーモナイザーによって選ばれた人間だった。
宇宙意思「ハーモナイザー」から与えられた役目を果たさなければならない。
そのおかげで、俺たち二人は、永遠に続けることができるのではないか。」

ハーモナイザーは、絶対に開始ともいえる。絶対紙ともいえる。
「俺たちは、確かに不老不死の体となった。ハーモナイザーによってな。
だが、命が、永遠の命が何人になる。自分の愛した女が老いさらばえ。
子供達が生まれ育ち、そして、俺の目の前で死んでいくんだ。これは悲しいぞ。

そんな森羅万象を眺めているのは、気分の良いものではない。おれたちは神ではない。

が、いわば、神の役割を果たさねばならない。また私の意志で数多くの罪のない人がきづづき死んでいく。
えー、何のための不滅の命なのだ。私たちは一体何者だ。何のために生きているんだ。教えてくれ」

ロシュは、もう絶叫していた。

オーディは、しばらく黙っていたが、やがて、ゆっくりと口を開いた。

「ロシュ、俺にいえることは、ただ、眠れ。それだけだ。その大きなカに君は疲れている。次の時代に期待しろ。今度の俺の時代で、ハーモナイザーがオレたちに与えた命令がわかるかもしれない」。

「わかった、わかった、オーディ期待するよ」。

われわれの製造理由? それを理解することはな。

その実、ロシュは、もう、期待はしていないのだ。
ロシュは、今にも消え入りそうな力を、なんとか絞り出して、地下室へ降りていく。

明滅する光の中を、ムービングウエイが走り、丘の中央に隠された「円盤」にたどり着く。
寝床となる「シリンダー」中に横たわる。この中で、何度か目の100年目の眠りの中に入る。

反対にオーディは、この町をでていく。
この町を100年の間、訪れる人もない。訪れる人はない。
この町は霧の中へ沈んでいく。

周りにいた護衛官たちは、オーディの「神の力」で「全滅」する。



ロシュが見るのは、必ずその時の映像だ。

るか昔、地球から、最初の恒星間飛行を行った、当時の二人の宇宙飛行士は事故にあい、宇宙空間を漂流。


死の直前、彼らは、ハーモナイザーという超生命体に助けられた。
時々、ロシュは、自分たちは、まだ、あの漂流していた宇宙船にいるのではないか。

これまでロシュが経験していたことすべてが、夢であることことではあり、死の一歩手前。

宇宙飛行士の妄想ではないか。


ロシュの子供のころからの夢は、支配者になる事であり、いつもプルターク英雄伝や、
ナポレオン、ヒットラーそして、その他のそれぞれの時代の独裁者の伝説を映画や
ビデオ、本で読んだり見たりした。死ぬ間際の幻想映像ではないか。

そうろしはもうそんな夢に、やがてオーディが現れる。
オーディは、ロシュが作り上げた星間帝国を崩壊させようとした。
ハーモナイザーから与えられた全知全能を持って、この世に、新しい秩序を作とうとしていた。

そして、この星で、100年の時が流れた。

●共同体主席オーディがやってきたのは、名も全く知られていない淋しい町たった。

時ですら、この町を見向きもしないって通り過ぎていくだろう。
そんな感じだった。
この霧に包まれた町は、まるでこの世の中に存在しないような感じさえした。

制服に身を固めた、50名はいる大勢の、同志親衛隊たち。気動車の中にいる、

その一人が、オーディの身を案じて、声をかける。
「同志オーディ様、大丈夫ですか、こんな地図にはない記載されてない小さな町で、一人でお出かけ。とは、

記載されていない事自体がおかしいのですよ」。
「心配するでない。この町。この場所に来ることは、、すでに、神が決められている。いわば、一つの通過儀式なのだ」
強い調子でいった。
暗殺の計画も進んでいるこの時期に、一人で、という同志親衛隊たちの、いわば、避難の目も気にせずに。

オーディ共同体として主席同志オーディは、どうしたも、目の前にとでも小さな町へ向かっていかなばならない。
そして今度は、めざめたばかりのロシュが持っていたのだろう、「夢の国」へと、、

(完
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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