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古今東西のアートのお話をしよう

第三期 やまと絵展 東京国立博物館


11月7日(火)〜11月19日(日)が第三期です。三期の目玉は、「日月山水図屏風」です。寝覚物語絵巻、後鳥羽天皇像は三期限定の展示です。


(会場は一切撮影禁止のため写真はネット画像を借用)


まずは、「日月山水図屏風」6曲1双
右隻 右から桜の春から夏、金色の日輪、空には金銀の箔が散りばめられる

左隻 右から雪山から秋、銀色の月輪、雪山の空は銀泥、松は高蒔絵のように盛上がる


6曲1双
下部の波立つ荒波が右から左へ流れるが、島に当って渦巻く
あるいは、山にあたる雲海ともいわれる
ずっと眺めていると、水あるいは雲の動きが見えてくる
垂直に落ちる滝とくねくねと曲った松が生き物めいている
大胆な構図、装飾性、箔、泥など工藝的技法の採用など、後代の『琳派』の元がここにあるようだ


屏風を右端、左端から観ると、凸面は近く、凹面は遠くなり、松林が立体的に見える
波の動きがよりダイナミックに感じる

日月山水図屏風 室町時代15世紀 国宝 大阪・金剛寺

この屏風は、南朝とゆかりがある河内長野の大阪・金剛寺で、潅頂儀式(かんじょうぎしき:密教の儀式)に用いられていた。
奈良・當麻寺の「十界図屏風」との関連も指摘されている。


雪舟の四季花鳥図屏風

四季花鳥図屏風 雪舟等楊筆
室町時代15世紀 重要文化財 京都国立博物館 6曲1双

右隻の岩、滝、松は屏風の凹凸で見ないと、前後関係が分からない
後の「秋冬山水図」などに比べると、雪舟独自の空間は見られない


鳥獣戯画は、丙巻


鳥獣戯画丙巻 平安〜鎌倉時代12〜13世紀 国宝 京都・高山寺

前半は人間、後半は擬人化された動物で甲巻をオマージュしたものだが、甲巻の躍動感はない

「病草紙」は、「地獄草紙」「餓鬼草紙」「辟邪絵」「小柴垣草紙」とともに、後白河法皇がプロデュースして、蓮華王院宝蔵に納められた「六道絵」のひとつ。

病草紙 肥満の女 平安時代12世紀
重要文化財 福岡市美術館


病草紙 ふたなり 平安時代12世紀
国宝 京都国立博物館

眠っている両性具有の性器をもつ人の着物をめくって、面白がる二人の男。三人の構図が巧みで、二人の男の位置、着物をめくる男の手足、楽器の配置などで、独特な遠近を出している。感情を的確に表す描線は、見る者に二人の男の無邪気な悪意と両性具有者の悲しみを描き出す(ただしこれは現代的見方だろう)。病草紙の中でも傑作だと思う。


地獄草紙 平安時代12世紀 国宝 東京国立博物館

実見すると、地獄の鬼たちが楽しそうに人間をオモチャにして遊んでいるとしか思えない。
今でも漫画のモチーフとして生きている。


久能寺経 平安時代12世紀 国宝


寝覚物語絵巻 平安時代12世紀
国宝 奈良・大和文華館


後鳥羽天皇像 伝藤原信実筆 
鎌倉時代13世紀 国宝 大阪・水無瀬神宮


妙恵上人像(樹上座禅像) 鎌倉時代13世紀 国宝 京都・高山寺

高山寺を開いた妙恵上人の肖像。松林を飛び交う小鳥や樹上のリスが愛らしい。妙恵の顔貌は迫真の表現。
全体の穏やかさに溶け込む妙恵上人の禅境。


和漢朗詠集 巻下(太田切) 伝藤原公任筆 平安時代11世紀 国宝 
東京・静嘉堂文庫美術館


一遍聖絵 法眼円伊筆 鎌倉時代1299年 国宝 神奈川・清浄光寺(遊行寺)


百鬼夜行絵巻 伝土佐光信筆 室町時代16世紀 重要文化財 京都・真珠庵


年中行事絵巻(住吉本) 住吉如慶他筆[原本]常盤光長筆 江戸時代1661年頃

「日月山水図屏風」を実見できた事が何より嬉しい。お勧めします。

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