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古今東西のアートのお話をしよう

“古寺巡礼” 東京都写真美術館


5/14(日)で終了する“土門拳の古寺巡礼”、雨にも関わらず、高齢者の皆さまが多かった
カメラファンの夫と付添の妻

写真展というものに滅多に行かない私でも、「土門拳(どもんけん)」という名前を知っている
その俳優のような名前の字面と響きのためだろうか…



初めての東京都写真美術館
壁には大写しの写真が…

ロベール・ドアノー 
パリ市庁舎前のキス 1950年
“おしゃれ”ですね


「古寺巡礼」の第一集が刊行されたのが1963年、東京都写真美術館で60周年を記念した“土門拳の古寺巡礼”が開催(3/18〜5/14)されている


『【土門 拳】山形県酒田市生まれ 

明治42年(1909 ) 〜平成2年(1990 )

リアリズムに立脚する報道写真、日本の著名人や庶民などのポートレートやスナップ写真、寺院、仏像などの伝統文化財を撮影し、第二次世界大戦後の日本を代表する写真家の一人とされる。また、日本の写真界で屈指の名文家としても知られた。

戦前から仏像行脚を続けた土門は、みずからの眼で選んだ古寺や仏像を徹底して凝視し撮影。建築の細部や仏像の手や足、口などをクローズアップで捉える独自のスタイルを貫いた。『古寺巡礼』の刊行途上、脳出血で倒れ、以後は車椅子生活になってからも不屈の精神で撮影を続行し、1975年、第五集で完結。

』引用元展覧会HPより


会場は全て撮影禁止のため写真はネット画像を借用しました

飛鳥寺 釈迦如来坐像面相
我国で造られた最初の仏像と云われる、修復を重ねたため全体像は醜怪であるが、土門はアーモンドの“目”だけを切り取った

唐招提寺金堂 千手観音立像部分


薬師寺東塔

神護寺 薬師如来立像
堂々たる体躯の平安前期の傑作
その迫力ある男性的面相


中宮寺 観音菩薩半跏像面相
女性的柔和な微笑み
クローズアップにすると木彫であることが分かる

浄瑠璃寺 吉祥天立像頭部
時の美しき皇后を写したと云われる
豊かな彩色がのこる美女


室生寺 十二神将(未神)頭部

室生寺 十二神将

東大寺戒壇堂 広目天立像面相
射すくめるような睨み
戒壇堂でもこれだけ近くでは見られませんね

三十三間堂内陣 雷神面相
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」のモデルではないかといわれています

瑞泉寺開山堂 夢窓疎石坐像頭部
高山寺開山堂の明恵上人坐像頭部とともに学僧・芸術家でもある二人の柔和な表情が印象的

岡倉天心は飛鳥仏、天平仏を日本の仏像の最高峰としてきたが、平安前期「弘仁仏」の評価を水沢澄夫とともに高めたのが土門拳と言われる

現代美術家の杉本博司氏も日本独自の美意識が形成された平安前期の仏像を高く評価している
彼が所有する焼け焦げた平安仏は確かに優美であった

会場で買い求めた、写真集

自分では気づかない、仏像の魅力的部分や、アングルも参考にできる、
実用的仏像鑑賞のガイドブックとしても手元に置きたい

「自分の好きなものしか撮らない」という土門拳の意思は、
土門拳の目とレンズを通して、

仏像の美とエロスを我々に
見せてくれる

★★★★☆

最後の週末、お勧めします
 

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コメント一覧

yama-chan1
@ericafuj 私も寺院は京都より奈良派で、戒壇院の四天王がつくる張り詰めた空間は特に忘れられません。薬師寺の聖観音菩薩立像、薬師三尊、東塔。法隆寺、唐招提寺金堂の甍、春日大社の風穴も… 奈良の地酒「風の森」もおいしかったですよ。
ericafuj
@yama-chan1様、
そうだったんですね。こちらこそありがとうございました。奈良のお寺が好きですね、お寺も仏像も雄大なので。東大寺戒壇院は何度も通いました。
yama-chan1
@ericafuj 貴女の情報で写真展に足を運びました。ありがとうございます。
どんなお寺さん、仏像がお好きですか。
ericafuj
土門拳の写真展、最終日の今日、私も行ってきました。とっても良かったです。
仏像が好きなので、また色々お寺をまわってみたくなりました。
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