バッハをマリンバで(5) ホールの選択
バッハをマリンバで演奏する際、ホールの選択は非常に重要だ。
なぜかというと、もともとマリンバのために作曲されたバッハの作品は一曲もない。
すべて何か違う楽器のために作曲された作品だ。
そして、もともと想定されていた楽器はほとんど例外なく、マリンバよりも響きの持続時間が長い。
弦楽器や管楽器はもともとこすったり吹奏するわけで、基本的に持続音の楽器であるし、
チェンバロやリュートは弦をはじいて音を出す楽器であって鍵盤を叩いて音を出すマリンバと発音原理は近いとはいえ、残響音はかなり長く残る。
音および残響の持続時間の短さはマリンバの特徴でありよさでもあるが、近代以前の音楽を演奏する際には多くの場合ハンディキャップとなってしまう。
そのハンディを補ってくれるのがホールの響きだ。
だから、ヨーロッパ風の教会堂(*)のように残響が長く美しい会場だと、マリンバで弾くバッハはごきげんなのだが、録音スタジオやライブハウス、野外等、デッドな環境だと弾く人聴く人、ともに苦しい時間を過ごすことになる。
だから、ホールの選択は非常に重要だ。
知らないホールでの演奏を依頼されると、そのホールの響きが非常に気懸かりだ。
たいがいの場合、依頼主さんのお話と写真、そして構造図があればある程度判断はつく。
しかし、結局行ってみたらあまりにもデッドな環境で・・・・・という場合も時にはある。
マリンバでバッハを弾く場合できる限り事前に会場をリサーチする必要がある。
アンサンブル・フィリアのホームグラウンドは特に決めていないが、今までのほとんどの自主公演は京都にある青山音楽記念館・バロックザールというホールで開催した。
このホールはわずか200席しかないし、京都市の中心部からはやや離れており、少しだけ交通も不便だ。
しかし、その響きは極上。バロックザールというネーミングはだてではなく、バロック期の室内楽の演奏にはきわめて適している。
次回のアンサンブルフィリアコンサート、2011年1月22日(土)に決まっている。ぜひご来聴いただきたいところであります。
今度のテーマは「トッカータ」特集。トッカータと名のつく名曲を3曲、そしてカンタータやコラールの名曲をその間にちりばめる予定。きっと楽しいコンサートになると思う。ぜひぜひご来聴を!
(*) 多くの方が誤解していると思うけど、教会堂のすべてが長い残響を持っているわけではない。礼拝などの教会活動が行われる場のことを教会堂と呼ぶのであって、国によって、民族によって、風土によって、教会堂の構造は千差万別だ。暑い地方ではテントの教会堂もあるし、野原に木の葉の屋根だけを設け、壁はないという教会堂もある。モンゴルだったらきっと獣皮で出来た天幕で教会堂を造るに違いない。石造りの高い天井、美しく長い残響の暗く荘厳な教会堂というのはヨーロッパ風の教会堂に限られる。
ついでに言えば、教会というのは建物のことではない。礼拝のために定期的に(多くの場合日曜日)集まる人々のことを言うんだ。その人たちが使う建物のことを教会堂とか礼拝堂、チャペルと呼ぶ。中には建物を持っていない教会もある。日曜日ごとに「次はどこで集まろうか?よし、じゃあ、***川の河原で3時集合!」って相談しながらやってる教会も世界にはたくさんある。
豆知識、覚えておいて損はないですぞ。
バッハをマリンバで演奏する際、ホールの選択は非常に重要だ。
なぜかというと、もともとマリンバのために作曲されたバッハの作品は一曲もない。
すべて何か違う楽器のために作曲された作品だ。
そして、もともと想定されていた楽器はほとんど例外なく、マリンバよりも響きの持続時間が長い。
弦楽器や管楽器はもともとこすったり吹奏するわけで、基本的に持続音の楽器であるし、
チェンバロやリュートは弦をはじいて音を出す楽器であって鍵盤を叩いて音を出すマリンバと発音原理は近いとはいえ、残響音はかなり長く残る。
音および残響の持続時間の短さはマリンバの特徴でありよさでもあるが、近代以前の音楽を演奏する際には多くの場合ハンディキャップとなってしまう。
そのハンディを補ってくれるのがホールの響きだ。
だから、ヨーロッパ風の教会堂(*)のように残響が長く美しい会場だと、マリンバで弾くバッハはごきげんなのだが、録音スタジオやライブハウス、野外等、デッドな環境だと弾く人聴く人、ともに苦しい時間を過ごすことになる。
だから、ホールの選択は非常に重要だ。
知らないホールでの演奏を依頼されると、そのホールの響きが非常に気懸かりだ。
たいがいの場合、依頼主さんのお話と写真、そして構造図があればある程度判断はつく。
しかし、結局行ってみたらあまりにもデッドな環境で・・・・・という場合も時にはある。
マリンバでバッハを弾く場合できる限り事前に会場をリサーチする必要がある。
アンサンブル・フィリアのホームグラウンドは特に決めていないが、今までのほとんどの自主公演は京都にある青山音楽記念館・バロックザールというホールで開催した。
このホールはわずか200席しかないし、京都市の中心部からはやや離れており、少しだけ交通も不便だ。
しかし、その響きは極上。バロックザールというネーミングはだてではなく、バロック期の室内楽の演奏にはきわめて適している。
次回のアンサンブルフィリアコンサート、2011年1月22日(土)に決まっている。ぜひご来聴いただきたいところであります。
今度のテーマは「トッカータ」特集。トッカータと名のつく名曲を3曲、そしてカンタータやコラールの名曲をその間にちりばめる予定。きっと楽しいコンサートになると思う。ぜひぜひご来聴を!
(*) 多くの方が誤解していると思うけど、教会堂のすべてが長い残響を持っているわけではない。礼拝などの教会活動が行われる場のことを教会堂と呼ぶのであって、国によって、民族によって、風土によって、教会堂の構造は千差万別だ。暑い地方ではテントの教会堂もあるし、野原に木の葉の屋根だけを設け、壁はないという教会堂もある。モンゴルだったらきっと獣皮で出来た天幕で教会堂を造るに違いない。石造りの高い天井、美しく長い残響の暗く荘厳な教会堂というのはヨーロッパ風の教会堂に限られる。
ついでに言えば、教会というのは建物のことではない。礼拝のために定期的に(多くの場合日曜日)集まる人々のことを言うんだ。その人たちが使う建物のことを教会堂とか礼拝堂、チャペルと呼ぶ。中には建物を持っていない教会もある。日曜日ごとに「次はどこで集まろうか?よし、じゃあ、***川の河原で3時集合!」って相談しながらやってる教会も世界にはたくさんある。
豆知識、覚えておいて損はないですぞ。