たいだい。のいつまで続くの?

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歳の差

2004年06月24日 | 妄想コラム
 自宅で中学2年生に英語を教えている。ある日「say」の意味が分からなかったので、ヒントを出してみた。「えーっとなあ、チャゲ&飛鳥って知ってる?よし。じゃあ「say yes」って曲は?知らんかあ。じゃあ「101回目のプロポーズ」っていうドラマは?え?知らん?武田鉄矢が‘僕は死にましぇ~ん!’って言ってたやつよ。え~!知らんねや~!」
 そう。13歳の中学生にとっては「say yes」も「101回目のプロポーズ」も全くもって未知の世界。でも、よくよく考えると知らなくて当然なんだよなあ。だって、もう10年ちかくも前に流行ったんだから、当時3歳か4歳の子供が知ってる方がおかしい。まだチャゲ&飛鳥を知ってると言ってくれただけでもエラいかも。
 僕と生徒の年齢差は20以上。ヒットしたドラマや曲について話が通じないのは当たり前。たまに若い人(こんな表現を使う自分がなにか淋しいなあ)とカラオケに行っても聖子ちゃんやブルーハーツの曲を歌うと「あ~聞いた事ある~!ものまね番組で~!」なんて言われるし。同年代とカラオケに行き、アルバムの超マイナーな曲を歌っても、一緒に口ずさんでくれたりなんかすると、涙ちょちょぎれるもんね(あ~古い、ほとんど死語)。
 
 芸能界なんかでよく‘歳の差カップル’がいるけど、あの人たちは普段どういう会話をしてるんだろうね。日常会話なら全然問題ないけど、「あのときこうやったなあ。」「そうね~。そうだったわね~。」なんて会話はしようと思ってもできないでしょう。昔の曲を聞いたり、ドラマを見たりしたときに感じるノスタルジックな思いも、決して「共有」はできないし。なーんか、それって寂しいなあ。僕がもし歳の離れた女性と付き合うとして、どれくらいが限界かなあ?やっぱり10歳くらいかなあ。

 最近10代の子供による犯罪が頻発している。そしてそのたびに叫ばれる「どうして子供の気持ちが分かってあげられなかったのか?」という主張。それを聞くたび、僕は「んなもん無理じゃ!大人が子供の気持ちを分かる?奇麗事言うな!」と逆に叫び返したくなる。
 さっきのヒット曲やドラマひとつとっても噛み合わないのに、もっとデリケートな心の内面を共有するなんて、どだい無理な話。考えてみるといい。10代だった自分の内面を果たして成長した大人の中で、どれだけの人が覚えている?「親だから話せないこと、大人だから話せないこと」はなかったか?なんでもかんでも子供だから、大人が分かってあげなければいけない、という考え方自体を変えないと、ますます距離は広がるばかりだ。
 大人だから、子供だからという認識の前に「人間だから」というもっともっと、しかし一番大事な善悪の判断を学び、教えないと。
 でもなあ、国会議員を見ても、一流企業や警察を見ても、不正やそれを隠そうとするニュースがバンバン毎日明るみになっている中で、清々堂々と子供に善悪を教える環境がどこにある?「バレなければ何をしてもいい」と、国が、大人が‘見本’を示しているんだ。こんな世の中にいつからなってしまったのか。子供は完全に大人社会の犠牲者だ。今のままの日本が続く限り、僕は悲しいけれど、一つも楽観的な意見は出せないよ。

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