たいだい。のいつまで続くの?

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世界柔道 閉幕

2005年09月13日 | 妄想スポーツ
 世界柔道が終わった。アテネ五輪のメダル数を上回ったが、手放しで喜べる結果ではなかった。なぜかというと、鈴木桂治以外のアテネ金メダリストはことごとく金メダルを逃したからだ。結局男子2個、女子は1個の金メダルに終わった。

 金メダルを逃した選手と獲得した選手の間にはどんな違いがあったんだろう?とぼくなりに考えてみた。そして両者の間には「気持ちの差」が大きな影響をあたえていたと思う。

 鈴木桂治は本来の階級である100㎏での出場。今までは井上康生の独壇場だったこの階級。よきライバルの陰に隠れて、鈴木は100㎏級ではなく、100㎏超級、無差別級での出場を強いられた。
 今回、金メダルを獲得した時に流した涙は彼の心情を表していた。
 「アテネの金より嬉しい」
 とまで言い切ったのは、やはり本来の階級である100㎏級でのメダルだからだろう。そしてこうも言った。
 「『康生ではなく、鈴木ではどうなんだろう?』」という周囲の反応。そのプレッシャーもあった。」
 やはり井上康生の存在は彼にとって実に大きなものだった。けれど史上初の3階級制覇も成し遂げた鈴木だ。これからは井上康生と並ぶ‘日本のエース’として日本の柔道界を引っ張っていける存在となった。


 男子の泉浩。女子の薪谷翠。彼らもこの大会にかける意気込みはかなりのものがあったと思う。特に新谷は絶望的な怪我からの復活を期していた。ぼくは最終日、彼女が金メダルを獲った試合は感動して泣いてしまった。それだけ彼女のメダルは日本中に感動と勇気を与えた。

 初出場組みで印象に残ったのは小野卓志と高井洋平だ。ともに銅メダルに終わった2人だが、試合後の態度が真逆だったのには驚いた。やはりともに敗者復活で勝ち上がったのだが、小野は3位決定戦で一本勝ちした瞬間、ガッツポーズ。それに対し、高井は唇を噛みしめる涙の表情。同じ銅メダルでも小野は「歓喜」の、高井は「屈辱」の意味をもつ。ぼくはどちらがいいとは決していえないと思う。決して小野が銅メダルで満足していたとは思えないし。金を獲れなかったけれど、敗者復活で勝ち上がっての銅は、彼の中では充実感があったと思う。
 高井は金を目指しての銅だから悔し涙に終わったが、そのハングリーさもとても好感がもてた。

 初出場で結果が出なかった北田、宮本、江種、銀メダルの中澤らには貴重な体験を生かして今後の大会に向けて精進してほしい。

 終わったばかりだが、2年後の世界柔道ではどんな選手が出るのか、今回出場の選手は出るのか。彼らが成長して再び世界の場で活躍する日をいまから心待ちにしている。