四季折々 やぶさか真佐の吉野だより

世界遺産の地 吉野から怒れるおばちゃんの四季折々をお届けします。

大震災から何を学ぶか

2011年06月16日 10時12分29秒 | Weblog

 役場職員による大震災派遣報告会を聞きに行ってきました。気仙沼市と陸前高田市で、どちらも大変なところです。気仙沼市は、私たちの物資が届いたところ、陸前高田市は民主的な町長さんのところでもあり、3月は宅急便も送れないほど悲惨な状態だったので強い思いを持っていました。

 若い職員さんたちが何を感じ、どんなことを学んだか、教訓として何が吉野に活かせるかとても知りたかったのですが、 私の思いと報告会の主旨が違っていたようです。でも、学ぶべきこともありました。相良医師の報告で、診療室内にキャンプの簡易テントを置いてわずかの時間だが回りを気にせずゆっくり休んでもらうという取り組み。避難所で他人の視線に疲れて半壊の自宅に戻っている人がたくさん居られるというニュースに心を痛めていたので、いい取り組みだなあと思いました。

 御所市のある地域の自主防災組織で、救出や避難に役立ちそうな機械やグッズの一覧表を作っておられた。バールがあるのはどこどこ。とよくわかる。一覧表を貼っておいていざというときに役立てようという取り組み。私たちの田中町でも作りたいと思っていたので、キャンプ用テントも項目に付け加えるといいとおもう。早速みんなで相談したい。

   今夜から激しい雨との予報。写真は先日の吉野川の増水風景。災害では、何より増水・氾濫が怖い。「大迫ダム70トン。大滝ダム150トン毎時。2時間後に妹背大橋下の水位が1m上昇」という放送だった。以前、最高で1200トン放水(実際は1000トンいかなかった)ということがあったので、流量は心配ないが、大滝ダム放水という言葉を初めて聞いた。大滝ダムは穴あきダムの状態だったので、大迫が放水した分のみだったのだろう。今回 大滝ダムの貯水量が上がったので放水したのだろうけれど、来年から始まるといわれている湛水が怖い。地滑り防護工事か゜何十年も続いているけれど、大丈夫かなあ。

 ダムの怖いところは、予想外の集中豪雨なら下流で氾濫しようと人が流されようと関係なくダムを守るために放流すること。10年位前にクロクラ川の放流で、目の前で人が流される場面を繰り返し報道していた。警告に従わなかった人が悪いのだが・・・。

 30年前の大迫ダムの時は、いきなりだったので確か、裁判になった。今は、放流のたびに知らせてくれるので、私は700トンが目安だと勝手に思っている。

 避難所運営や人間関係など「地域コミュニティーがしっかりできている」ことが大切という報告があった。その通りだと思う。吉野町の協働の町づくりで不十分な視点はここ。当たり前の日常の地域コミュニティーを取り戻すことが何より大事。コミュニティーつまりコミューン。共産党の語源である人間が助け合いつながりあって生きる素朴な集団。

 役場の職員さんたちは、伊勢湾台風を知らない世代。現在の吉野小学校の1階天井付近まで増水し、がれきに埋もれた。知っている私たちが伝えることと吉野町の防災計画の被害想定を引き上げることが急務。60代以上は、指定避難所の吉野小学校や飯貝老人憩いの家には近づかないだろう。伊勢湾台風の教訓を見つめ直す必要を痛感した。