新人戦
(第63号 2017年2月13日)
この日は粉雪の舞う、寒い日でした。遠くの町から会場のあるところまで保護者の車に乗り試合会場に駆けつけてくれました。島のチームはお父さんたちが漁船を出してそれに乗って本土に渡り、そこからまた長い時間をかけてこの新人戦に参加をしてくれました。こうやっていろいろな思いを詰め込んで始まった新人戦が熱くなかろうはずはありません。
新しいチーム、5年生を中心としたチームはやっぱり初々しさで溢れています。6年生がいなくなって、またそれぞれのチームが同じスタートラインについたようでもあります。
私もいくつかの会場を回ってゲームを見ました。また、たくさんの方とお話もできました。その中で面白かった話題についてここに記してみたいと思います。
さて、コーチのあなたはどちらでしょうか。コーチには二つのタイプがあるそうです。一つは選手の短所を指摘し、それを直してやることに一生懸命になるタイプ。もう一つは選手の長所を見つけ、それを伸ばそうとするタイプです。どうも日本人には前者の欠点指摘型が多いように感じますがどうでしょうか。私もどちらかと言うとそちらでした。このタイプは選手に対してある理想の形を持っているわけで、そうなるように常に働きかけています。繰り返しの反復練習をとても尊重してもいます。
それに対して、長所伸長型はある程度選手の欠点には目をつぶり、ほめることによって伸ばしていこうとする指導者ですね。
ゲームの中では子どもたちの様々なプレーがあります。コーチの方々を見ておりますとやっぱり叱るような言葉のほうが多く、「いいプレーだったよ」とほめる言葉はなかなか聞こえてきませんね。でも、新人戦のあるゲームのプレーでは、選手が失敗をしたけどコーチは親指を立てて選手をほめ、選手がそれに対してうなずくという場面がありました。
1対1のマンツーマンディフェンスで、選手は一生懸命守っています。よく足を動かして相手に付いていっています。それでも最後に手を出したところでファールを取られました。「手を出すな」、「足を動かしてよく守った。おしかった」、さてあなたはどちらの言葉を発しますか。
今から始まるこの試合(このクオーター)どんなことをがんばろう、何に気をつけてやろうということが選手と指導者で共有できているかが問われます。それができていれば自ずとコーチの言動は決まってくるのではないでしょうか。選手と親指ひとつでコミュニケーションできる指導者は意識の共有ができているわけですね。
クオーターが終わってベンチに引き上げる選手とコーチがハイタッチをする場面を目にすることがありますが、それをいいなあと思い、カッコよく感じるのは私だけではないと思います。なぜならこの意識の共有がここに表れるからです。
ほめる指導にはコーチの努力が要ります。選手一人ひとりを今よりも深く見つめることが必要です。そして結果として、選手と指導者は心のつながりがより強くなります。
ほめる指導があってこそ、欠点を指摘しそれを矯正する指導も生きることになるのではないでしょうか。つまり二つは左右の二者択一の関係ではなく、上下の重層の関係ということなると思います。
今年の子どもたちの成長を楽しみにしています。
(第63号 2017年2月13日)
この日は粉雪の舞う、寒い日でした。遠くの町から会場のあるところまで保護者の車に乗り試合会場に駆けつけてくれました。島のチームはお父さんたちが漁船を出してそれに乗って本土に渡り、そこからまた長い時間をかけてこの新人戦に参加をしてくれました。こうやっていろいろな思いを詰め込んで始まった新人戦が熱くなかろうはずはありません。
新しいチーム、5年生を中心としたチームはやっぱり初々しさで溢れています。6年生がいなくなって、またそれぞれのチームが同じスタートラインについたようでもあります。
私もいくつかの会場を回ってゲームを見ました。また、たくさんの方とお話もできました。その中で面白かった話題についてここに記してみたいと思います。
さて、コーチのあなたはどちらでしょうか。コーチには二つのタイプがあるそうです。一つは選手の短所を指摘し、それを直してやることに一生懸命になるタイプ。もう一つは選手の長所を見つけ、それを伸ばそうとするタイプです。どうも日本人には前者の欠点指摘型が多いように感じますがどうでしょうか。私もどちらかと言うとそちらでした。このタイプは選手に対してある理想の形を持っているわけで、そうなるように常に働きかけています。繰り返しの反復練習をとても尊重してもいます。
それに対して、長所伸長型はある程度選手の欠点には目をつぶり、ほめることによって伸ばしていこうとする指導者ですね。
ゲームの中では子どもたちの様々なプレーがあります。コーチの方々を見ておりますとやっぱり叱るような言葉のほうが多く、「いいプレーだったよ」とほめる言葉はなかなか聞こえてきませんね。でも、新人戦のあるゲームのプレーでは、選手が失敗をしたけどコーチは親指を立てて選手をほめ、選手がそれに対してうなずくという場面がありました。
1対1のマンツーマンディフェンスで、選手は一生懸命守っています。よく足を動かして相手に付いていっています。それでも最後に手を出したところでファールを取られました。「手を出すな」、「足を動かしてよく守った。おしかった」、さてあなたはどちらの言葉を発しますか。
今から始まるこの試合(このクオーター)どんなことをがんばろう、何に気をつけてやろうということが選手と指導者で共有できているかが問われます。それができていれば自ずとコーチの言動は決まってくるのではないでしょうか。選手と親指ひとつでコミュニケーションできる指導者は意識の共有ができているわけですね。
クオーターが終わってベンチに引き上げる選手とコーチがハイタッチをする場面を目にすることがありますが、それをいいなあと思い、カッコよく感じるのは私だけではないと思います。なぜならこの意識の共有がここに表れるからです。
ほめる指導にはコーチの努力が要ります。選手一人ひとりを今よりも深く見つめることが必要です。そして結果として、選手と指導者は心のつながりがより強くなります。
ほめる指導があってこそ、欠点を指摘しそれを矯正する指導も生きることになるのではないでしょうか。つまり二つは左右の二者択一の関係ではなく、上下の重層の関係ということなると思います。
今年の子どもたちの成長を楽しみにしています。