『アマチュア無線の都市型ノイズ対策に関して、ノイズ・インターフェアー激減!』
JL1UTS Nick
さて、4/16にCQ ham radio 萩原様に、DX Reportを送信後、「>ロスを減らすということでしたがノイズはいかがでしょうか?」とのご質問を受けましたので、本職のノイズ対策を披露したいと思います。
1. 「ノイズの源を探る」
まず、ノイズの元凶は何なのか? これが分からなければ、当然にも有効な対策はできません。
本職は、1997年にルーフタワーを撤去し、クリエート・デザイン社の自立タワーを東京の専門業者に建設していただきました。その当時から都市型と推察できるノイズにより、当時メインとしていた14MHzと7MHz帯のノイズ受信対策を開始しました。特に7MHz帯に関しては、S meter にして、アンテナの方向にもよりましたが、S3~5程度振っていました。まずは「自宅のインヴァーター系が怪しいぞ」と思い、エアコンや自宅全体のブレーカーを落としてみたのですが、ノイズレベルに変化はなく、自宅周りに電柱が林立していることから「これは自宅周りの送電線系統などが原因ではないか?」と推理しRF Inquiry社のコモンモード・フィルター(写真1)とクランプ・コアを購入しました。同軸ラインに挿入したところ、中々の効果がありノイズレベルも下がりました。
もとより、アースもしっかり設置し、電源ラインにもACライン・フィルターなどを挿入しております。
2. 「ローバンドに関する、都市型ノイズ対策」
なお、本職のメインバンドは7MHz/10MHzであり、運用モードは大方CWです。
その後、よりDX局との交信を容易にするがために、我が家の財務大臣(7L3PFH Chie)と相談し、夢のクランクアップ・タワーを建設し、WARCバンドに関してもビームアンテナを上げ、また敷地が230坪程度しかないのですがTOPバンドのスローパーを展開しました。然しTOPバンドは常時S9+の原因不明のノイズにより辛うじて国内や近場専門程度しか使えず、と言う状態でした。
そこでサガミ・エンジニアリング製のローパスフィルターとコモンモード・フィルター・CMF-5K(写真2)を多段重ねて挿入し、同軸ケーブルにTDKのZCAT3035-1330(写真3)を特に7MHzと10MHzのノイズレベルを下げる事を目的に、試行錯誤しつつ現在9個シリーズに装着(写真4)したところ、7MHzではS2程度、10MHzに於いてはSも殆ど振れなくなり功を奏しています。(写真5)また、80/75バンドに於いてもS2程度までノイズレベルは下がりました。(写真6)、TOPバンドに関してもS6程度まで下げることができました。(写真7)
フィルターやクランプ・コアの装着個数に関しては変数ですから、自分がどのバンドを環とするかによって、当然ながら変化します。本職の場合殆ど「捨てているバンド」である18MHz帯に於いては、上記の対策では不十分であって常時S5~7程度の都市型ノイズが残存しております。(写真8)これではwatchする気も失せますね・・・
なお、ノイズ対策とは然程関係ないかも知れませんが、タワーにサガミ・エンジニアリング製の同軸切替機=CXS-4 (写真9)を設置してシャックへは1本の同軸ケーブルで引き込んでいる体制をコンストラクションしております。
3. 「まだまだ課題は残る」
本来、時間があれば同軸ケーブルを、よりシールド効果の高いと推察される品と比較することの必要性も感じておりますが、多忙な現役教師の身分ですので、それらに関しては定年退職後にじっくり考察しようと思います。
本職の些細なレポートが皆さんのノイズ対策の一助になれば幸いに存じます。
* 「 CQ ham radio 2015年6月号掲載 」*
以上 JL1UTS Nick
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