【２０１２年２月１４日】
今朝の、ＨＮＫテレビを垣間見ていたら、働く女性が保育所探しで苦労している状況を『保活』という造語で特集していた。『婚活』、『就活』の延長線上で類語を作ったと思われるが、違和感を感ぜずにはいられなかった。
そもそも、保育所探しは、仕事を持つ母親たちが《自分の趣向》や《好き嫌い》によって選択したり、あるいは《ポイントを押さえた作戦》によって、《成果》を得るものなのだろうか。
保育所に入れるかどうかの分かれ道が、活動の如何によるかのような、つまり、しっかり手順を踏んで要点を押さえれば、希望した保育所に入れるかのような報道は聴取者に誤解を与えるし、《婚活》と同レベルの感覚で、面白おかしく扱おうとしているとすれば、働く女性を馬鹿にした話である。
もちろん『婚活』が面白半分の話だとは思わなし、『嫁探し・婿探しの難しさ』に個人の嗜好を超えた社会的背景があることはもちろんであるが、事情が全く違うのを、言葉の面白さから同列において、『保育所探しの難しさ』を安易に個人の責任のように還元する姿勢に違和感を覚える。
保育所待機児童の数は、同じその番組の中でも示されていたように、全国で２万人を超える。働く女性のために、本来行政の施策でしっかり責任をもって確保すべきものを、個人の努力・活動の成果に解消するような取材姿勢に、苛立ちを感じるし、『ふざけるな！』と抗議したい。
