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『介護福祉士』国家試験をめぐって-派遣労働か外国人労働者かの選択しかないのか

2012-01-30 01:00:48 | 雑感
   
    【2012年1月29日】


 今日、『介護福祉士』の国家試験があった。身近な私の周辺からも受験する一方、インドネシアとフィリピンからの『海外労働者』も受験したというニュースが報じられた。

 外国人労働者の受験は、それぞれとの国とのEPA(経済連携協定)による『看護師』と『介護福祉士』の受け入れによって来日した労働者が、滞在期間4年の内に国家試験に合格することが、引き続き日本で働き続ける条件になっていることによるもので、介護福祉士の場合、受験の要件として現場での経験が3年必要なことから、今回が最初で最後の機会となるという。
 テレビの画面で「不安もあるけどがんばります!」と、やっと身につけた日本語でインタビューに応えるインドネシア人たちを見ると声援もかけたくなってしまうが、どうして彼ら(彼女ら)が、そこまでハンディを追ってまで日本に来なければならないのか。

 1つの理由として、日本に労働力が不足しているという。失業率が上昇している中で、労働力が不足するとはおかしな話だが、きつい仕事の介護労働者になる若者が少ないとも言われる。
 もう1つの理由は日本の対外的な経済援助の一環であるという大義名分である。

 テレビなどの報道を見る限り、海外からの労働者はやる気満々である。是非合格して日本で仕事を続けたいという。
 
 当初、外国人労働者を受け入れるにあたって、当然懸念もあった。人を相手にする繊細な場面が要求される仕事で、宗教観や風習の違いからくる行き違いや言葉の問題がそれだ。それと意思疎通を図るうえで、言葉は決定的な問題である。日本語がほとんどできない研修生を受け入れた施設では、その対応に追われたという。受け入れの体制作りや語学研修でかかった持ち出し費用は100万とも200万円ともいわれた。
 そこまでして、国の施策に協力し、《働き手》を養成した施設としては、是非合格して日本に残ってもらいたいと思うのは当然といえる。


 その一方で、低賃金と劣悪な条件-しかも非正規雇用でがんばっている日本の青年がたくさんいる。今の介護労働現場は7割以上が非正規労働といっていい。まずは、ここをもっと底上げすべきではないのか。介護現場に限らず非正規雇用や派遣労働をなくすことが先決と思うのだが。それにしても日頃見ている介護現場はひどすぎる。

 先日、介護報酬の改定案が示された。総額でいうと1.2%の改訂(上昇するという意味?)というが、自分の関係するデイサービスでは実質10%ほどの値下げになる。同額の介護保険料収入を得ようと思えば、今より1時間ほど時間を延長しなければならない。今でさえ、ぎりぎりの人員しか-しかも非常勤職員しか-採用できない介護保険収入の中で、どうして給与を上げることができるのか。

 今の政権は、かつてこの劣悪な処遇を改善するといって、一人月4万円の底上げを約束したが、今回当然のように見送られた。1万円ちょっとの『処遇改善交付金』が『処遇改善加算』に化けただけである。(加算になれば、利用者の利用料にも負担が跳ね返ることになる。

 身分も不安定なうえに、賃金も上がらない、賞与も無い、保険料も払うのに足りないような給与では、そっぽを向かれるのも仕方ないと思える。


 安い労働力を求め海外にのがれた企業が、タイの洪水被害の時、工場を稼働できないタイから日本に《避難》してくる際に、「タイから《熟練労働者》を日本に入国させたい。」と政府に要望している、との報道に耳を疑った。

 EPAの場合は、個別交渉で日本が援助する形でしているが、今参加を検討しているTPP(環太平洋経済連携協定)だと、こんな悠長なことは言っていられない。無条件で、外国の-それが熟練労働者であろうが何であろうが-どんどん日本に入ってくることになる。言葉が話せないとかそんなのは問題にされない。逆に、受け入れるための体制まで日本の義務とされる。日本の労働者の賃金は、安い外国人の賃金レベルにあわされ-そうしなかったら、高い給与の日本人は企業にはじかれる-ますます労働条件は切り下げられる。これがアメリカの主導し日本の大企業が追随するする『グローバリズム』なのだから。


      ○       ○      ○

 昨日、テレビを見ていたら、北野武が(個人的にはあまり好きではなくこの手の番組も滅多に見ないのであるが)「(年金のことなどの話を受けて)これだけ若者が痛めつけられているのだから、もっと若者は怒らないといけない。」と放言していたのに、おもわず相づちをうった。北野武は、全く別のことを考えて言ったのかもしれないが、ある面その通りだと、合点する。



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