並木たより

写真付き日記

バクダット燃ゆ

2008-04-25 00:33:05 | 日記・エッセイ・コラム

「砂あらし 地(つち)を削りですさぶ野に 爆死せし子を抱きて立つ母」(岡野弘彦)

こうした体験を、つい半世紀前に、強烈に味わったばかりと言うのに、(我が同胞の)何と物忘れの早いことか。

他人の体験を、自分の体験のように思い込んでいただけで、本当は似非体験であったのではなかろうか。

本当に体験した者には、忘れようにも忘れられぬ、「骨がらみ」の記憶なのだ。

かく言う自分の体験も、ほんの数時間の空襲体験だけである。しかし、それが、決して忘れることの出来ぬ、「原体験」なのである。

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