並木たより

写真付き日記

隔ての壁

2006-03-23 22:41:40 | 音楽

041041 総延長730km(予定).

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イスラエル旅行から帰国された方の話を聞いた。イスラエルとパレスチナを隔てる高さ8m以上もある鋼鉄の壁が特に印象に残ったとのこと。「この壁のおかげでテロの9割が防止されている」との説明があった由。

ナチスドイツに迫害されたユダヤ人が、第二次世界大戦後、パレスチナに故郷を求めてイスラエル共和国を建国したのは1948年のこと。その根拠は紀元70年のローマ帝国軍によるエルサレム陥落まではユダヤ人のご先祖がパレスチナに住んでいたということ。

しかし、2000年前の居住権を認め、その後2000年間の歴史を無視するならば、ヨーロッパのほとんどはバイキングに、アメリカはインディアンに、日本は多分アイヌに返さねばならないことになる。

エルサレムがその名(「エール・シャーローム」:神の平和)の通り、諸国民の平和の都となり、すべての国境から(そしてすべての人の心から)「隔ての壁」が取り払われるのはいつのことだろうか。

「キリストはわたしたちの平和であって、二つのものを一つにし、敵意という隔ての中垣を取り除き」(エペソ書2:14)

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専門区分

2006-03-14 17:12:35 | 音楽

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満開となった幸浦の早咲き桜

(本文とは関係ありません)

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家内が自動車の運転免許を取得した折、「文系なのによく免許が取れましたね」と感心された。人を文系と理系に分類して、それぞれ役割分担させようという妙な先入観念がわが国(の特に文教担当者)にはあった。

半世紀前「数理経済学」が登場した時、「文系の経済学に数学が必要」と話題になった。「知的財産権」では、法律と技術と両方の素養が必要となる。コンピューターのサービス設計をするSE(システム・エンジニア)は理系の素養だけでは不足で、利用者(ユーザー)の要求条件をもれなく洞察する右脳的センスが求められる。

20年前、NTT民営化直後の関連企業では、新人採用に当たって、応募者側(学校側)の「文系・理系の区分」と事業側の「事務職・技術職の区分」を一対一に対応させず、文系の技術職や理系の事務職を採用・育成する試みがなされた。

世界はグローバル化し、学問分野も学際化が求められている。実態に合わない専門区分やそれに基づく人材分類(レッテル貼り)を、そろそろ見直すべき時に来ている。

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「分け隔てをしてはならない」(ヤコブ書2:1)

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支那蕎麦(しなそば)

2006-03-08 20:10:23 | 音楽

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支那ソバ(ラーメン)が食べたいと駄々をこねて、次姉を困らせたことがある。1947(昭和22年)年夏頃、私は4歳、姉は16歳、もう60年も昔のこと。場所は有楽町駅前。おそらく御茶ノ水の病院に母を(最後に)見舞った帰り、何かの用事で銀座に寄った折のこと。

「お金が無い」と姉、「ほんとに無いの?」と私、「帰りの電車賃で一杯分はあるけど、これを使ったらおウチまで歩いて帰らなければならない」と姉。「ボクおウチまで歩いて帰る!」と私。おウチまでの距離(有楽町~南品川:約8km)も知らずに「オトコノ約束ダ!」

大きな器に顔を突っ込んで一心に支那ソバを啜(すす)る弟を覗きこんで、「おいしい?」「美味しい?」と何度も姉が尋ねる。「ウン、ウン」と生返事を返しながら(姉の空腹に気付くゆとりもなく)、夢中で汁まで平らげる。「ああッ、満腹!」

約束通り、文句も言わず、姉に手を引かれて、すっかり暗くなった第一京浜国道を歩きながら居眠りを始めたらしい。最後に覚えているのは、暖かい姉の背中に揺られながら、久しぶりに母に会った満足感と、支那ソバの満腹感と、歩き疲れた疲労感に包まれた快い睡魔。(おそらく姉は空腹をかかえ、眠り込んだ弟を背負い、半べそをかきながら、2里の夜道を歩いて帰ったのであろう。直後に母が亡くなり、葬儀にとりまぎれて、この無謀な「大冒険」も家族に訴えられることもなく、記憶の彼方に封印されてしまった)

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「わたしが空腹のときに食べさせてくれた」(マタイ25:35)

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