並木たより

写真付き日記

今、首相を代えてどうするの!

2011-06-20 15:33:19 | 日記・エッセイ・コラム

加納貞彦早大教授の以下の御意見に全面賛成です。本間 勝

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皆さん

日経ビジネスの記事に武田斉紀という人(私はこの人をまったく知りません)が以下
の記事を書いていました。
私は、非常に同感したので、ここにコピーをします。私自身は、これまで自民党の首相が2人、民主党の首相が1人と、わずか1年以内で任期半ばで政権を放り出してしまったのに対して、菅さんは、この難局にあたって、よくやっていると思っています。一番の批判は、長期的な見通しがなく、いろいろな構想を提案しており実行が遅いということのようですが、①他の誰がこのようなトリプル・パンチ(もともとの経済不況の上に大地震、原発)でよりよい指導力を発揮できたというのでしょう。②不十分なリーダーでも、方向があってさえいれば、任期中は皆で協力して乗り切るのが組織・民主主義国家というものではないでしょうか。③菅首相の今まで提案した政策(たとえば、浜岡原発の停止、再生可能エネルギー法案)は、方向としてあっていると思います。④、それに復興へ向けた新設された各種の審議会の議論を早める方法はあるにせよ、最低限の時間をかけることは民主主義の基本だと理解しています。民主主義は時間がかかるものだと思います。

一番大事なことは、民主主義で選んだのだから、4年間の任期の間にきちっとした仕事をさせるということではないでしょうか。誰でも多少とでも責任あるトップの地位についたものなら、1年では自分のやり方を定着させるのは無理で、少なくと2-3年は必要だ。その成果の上で、4年目に次の代表を選ぶということは、私は理にかなっていると思う。折角選んだのだから、4年間はやらせなければ、民主主義はあまりに無駄の多いシステムになってしまう。4年待てないというのは、往生際が悪すぎると思う。

私の親しい日本在住の日本の事情に詳しいアメリカ人もこの状況の中で、菅首相は大変よくやっている、他に誰がいるのか、と言っています。
最後に私は、政党に関しては全くの中立で、毎回、各党の政策・候補者の見識をみて、選挙では異なる政党の人に投票していることを付け加えます。

それでは、くだんの記事のコピーを。

--------------日経ビジネス2011年6月20日号、武田斉紀-----------------------

次期首相候補も見えないのに、降ろしちゃって大丈夫?

 経営のバトンをしっかりと渡せる企業だけが生き残れる――民間企業では常識だ。
今日はこの話をしたいのだが、その前に気になることがある。この国は現在有事にあるにもかかわらず、後任のメドも立たない中で、トップが引きずり降ろされようとしている。

 ここ最近、自民党の首相2人、民主党の首相1人が、わずか1年以内という短さで、任期半ばにして政権を放り出してしまった。偉そうなことを言ってトップになっておきながら、何たる体たらくと国民は怒り、あきれてしまった。彼らは歴史に残る無責任さで国民を裏切っておきながら、まだ政治家を続けている。それに比べたら、菅直人という首相は逃げなかった。

 彼らの言動を目の前で見ていた者として、同じことだけはしたくなかったのだろう。その責任感は買いたい(というか、国のトップになる人なら、本来そんなことは当たり前であってほしい)。ただ現実は野党・自民党だけでなく、身内の民主党までもが引きずり降ろそうとしている。理由は口をそろえて「対応が遅い。菅さんではこの難局を乗り切れないから」と。

 東日本大震災と東京電力・福島第1原子力発電所の事故発生から早や3カ月が過ぎた。復旧復興、そして事故収束へのスピード感は、阪神・淡路大震災と比べれば遅いのかもしれない。が、ほかの震災と単純に比較できるものだろうかとも思う。阪神・淡路と比べても、被災地域ははるかに広範囲で大規模であり、津波によるヘドロや塩害問題、大量のがれき、原発事故、風評被害までもが多重化している。

 正直、国民からすれば、永田町で何が起こっているのかよく分からない。菅さんが引きずり降ろされなければならない本当の理由は何だろう。

 「A.阪神・淡路大震災と比較して対応が遅い」からか。「B.同震災と規模が違うのは分かったうえで、それでも自民党(あるいは民主党)の○○さんならもっとうまくできる」からか。もしくは、「C.本当は対応の遅さではなく、菅さんは人間的に嫌いだから」降ろされるのか。

 A.だとするなら、もう少し冷静に阪神・淡路大震災との共通点と違いを踏まえて判断してほしい。頑張っているがスピード感が足りないのなら、当時以上に与野党が協力して取り組んでいけばいいだけではないか。国民目線で言えば、政治だけは有事とは思えないバラバラ状態だ。恐らく世界もあきれている。

 いやその前提としてC.の菅さんの人徳問題が横たわっているのであれば、もっと国民に分かりやすく説明してほしい。菅直人という人はあまりにも決断力のない人なのか。方針がブレブレでついていけない人なのか。怒りっぽくて部下のやる気を失わせるだけの人なのか。「菅さんがやるくらいなら、他の人がやった方がよっぽどまし」という話なのか。長年付き合ってきていながら、それらが事実であれば、なぜ民主党の議員たちは菅さんにトップを託したのか。解せないことばかりだ。

 自民が「菅さんが降りるなら協力する」と言っているくらいだから、よほど嫌われているようにも感じるが、国民としては菅さんの人徳のどこにどれくらい問題があるのかを知りたい。一国の首相を引きずり降ろすというのは、異常事態だ。それでもリーダーとして決定的な問題があるなら、「個人攻撃になるから」などと気を遣わずに教えてほしい。これはこの国の今日と明日、そして未来が懸かった重大な問題なのだから。

 さて実はA.やC.の問題が解決したとしても、B.の「菅さんよりも実行力のある○○さんの存在」に確信を持てない限り、国民としては何ら安心できない。逆にB.さえ証明されれば、A.やC.の問題は触れる必要がなくなるかも知れない。もっと実行力のある○○さんがいるなら、スムーズな引き継ぎが可能な範囲で「交代時期は早い方がいい」という結論になる。

 果たして○○さんはっきりしているのだろうか。○○さんは菅さんと比べて、国民が納得できる形で明らかに期待できると言えるのか。「男気があるから」とか、「子分の面倒見がいいから」といった永田町の抽象論など聞きたくない。具体的に菅さんよりも上回っている点を教えてほしい。

 「菅さんから代わってみたけど、○○さんはイマひとつだったね。じゃあまた代えようか」というのだけは“マジ勘弁”だ。1億3000万人の国民はそんなバクチには付き合っていられない。命と生活が懸かっているのだから。

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武田斉紀という人のプロフィールを見たら、まだ若い経営コンサルタントでした。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110616/220821/#author_profil
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加納貞彦