.
.
.
師走である。同じ年の瀬の同じ時刻にも、いろんな世界がある。
都心の訪問先の隣で、ビル建設の基礎工事がなされていた。アネハ問題以来、設計変更や工程変更の規制が厳しいとか。周囲の空気まで緊張している。
その隣で、昼過ぎの約2時間、細かい株式データの転記作業を行う。煩瑣な無駄作業である(コンピュータ出力を手書きで転記するのである!)。案の定、転記ミスをおかして、捨印のお世話になることとなる。
相続関連では、しばしば、降って沸いたような「無理難題」を要求される。すべて「姉のため」と思い、「恨むなら義兄を恨め」と自戒して、要求相手に対しては腹を立てぬように堪(こら)える。その姉は、静かな別世界で年の瀬を迎えている。
.
.