この四月末からの連休の備忘録。
連休は都内で開催されたラジオの公開録音イベントでスタートしました。

上坂すみれの文化部は夜歩くというラジオ番組の公開録音イベントで、上坂すみれさんをパーソナリティ、早瀬かなさんをアシスタントとして、ゲストを招いての文化的トーク番組です。公開録音は二部構成で、特に第二部のゲスト山田五郎氏の土着の信仰と新たにもたらされた信仰との融合の話は面白かった。元々あった冬至の祭とキリスト教が融合してクリスマスになったとの話でしたが、この日を境に昼の時間が長くなる冬至を祝いたいという気持ち、わかる気がします。
それからワラビ採りに行ったり、

演奏会にて、うむうむ青春しているなあ、と思ったり、

683系サンダーバードに乗ったり、

そういえば、今はもう走っていない大阪–新潟間を運行していた急行きたぐにでは、途中、敦賀と福井の間で直流–交流の切り替えのために車内の照明が消えたものだけど、サンダーバードは照明が消えなかった。技術は着実に進歩しています。
武生に行きました。

GWの昼下がりだというのに歩く人影も少なく閑散としていました。
若竹食堂の中華そば。

あっさりシンプルな中華そば。美味しかった。あれだけ人影が見当たらなかったのに、どこから出てきたのか頻繁にお客さんが出入りしてました。
駅前に戻り、便数の少ない路線バスに乗って一路西へ。バスの乗客は私を含めてわずか数名。そんなバスを途中下車して越前陶芸村に立ち寄り食器類を購入しました。ぶつけたりして縁が欠けていた食器類を買い替えないと、と思っていたので丁度いいや、というわけです。しかしここも人影はまばらで、歩いている人はほとんど見かけませんでした。地方は車社会と言いますが、公共交通機関の発達した都内での生活と比べて、平均してみると地方の人は本当に歩かないと思います。
再び路線バスに乗り、道の駅越前へ。ここには日帰りの温泉設備があり、温泉に浸かりながら日本海の風景を楽しめるという趣向の露天風呂があるというので来てみたかったのです。
越前温泉露天風呂 漁火の入り口。

鍵つきのロッカーに靴を預け料金を支払い温泉へ。脱衣室にも鍵つきのロッカーがありました。掛け湯して早速露天風呂に入ってみようと外に出ましたが、外は風が吹いていて肌寒く、そして温泉のお湯は至って普通、というか温水プールみたいな感じです。しかし何はなくとも眺望が素晴らしい!
露天風呂は波が打ちつける消波ブロックが並ぶ海岸の堤防の上にあり、露天風呂の前に広がる日本海の眺望を遮るものは何もありません。ちょうど真向かいに沈んでいく日焼けしそうな強い日差しの太陽の眩しさに目を細めながら、眼前に広がる日本海を眺めつつ、歩いて疲れた足を湯船で伸ばしてお湯に浸かっているのはとてもよい気持ちでした。
お風呂から出た後は、利用者に開放されている畳敷きの大広間で飲み物を飲みながら寝転がってネットで遊びつつ日没の時間まで一休み。
日没の時間が近づき、日本海の水平線に沈みゆく太陽。

そして日没。

夜に向かって空の色は目まぐるしく変わっていきます。なかなかよいところでした。
バスは終わっているのでタクシーで武生へとんぼ返りし、ヨコガワ分店にてボルガライスで晩御飯。

ボルガライス、オムライスの上にトンカツが乗っているだけじゃねーか、と言われればそうなのですが、このオムライス、トンカツとソースの組み合わせが絶妙で、スプーンが進む進む。あっという間に完食しました。ボルガライスは池上遼一先生のイラストとともに「武生に来たらボルガライス」というキャッチコピーで有名な?たけふ駅前中華そばに並ぶ武生名物だそうです。
翌日は勝山市の福井県立恐竜博物館へ。福井県は日本国内でもトップクラスの化石の産地で、その最大拠点がこの恐竜博物館とのこと。県も恐竜を観光の目玉として推しているようで、福井駅構内には恐竜博士の座るダイノベンチが!

最初福井駅に降り立った時、ベンチに何かいる!とギョッとしてしばらく様子を見ていたのですが、みんな恐竜博士を特に気にする風もなく、恐竜博士と並んでベンチに座って休んでいたり、博士の広げた本の上を荷物置きにしたりと、恐竜博士、意外に市民生活に馴染んでいました。
恐竜博物館へは、えちぜん鉄道の勝山駅で博物館へ直行の恐竜バスに乗り継いで行きました。GWということもあり、博物館への道路は一般車両で大渋滞していましたが、シャトルバスは専用道路を通るので渋滞とは無縁です。場内は小さな子供達を連れた家族連れで混雑。展示は複製品が主体ですが、これでもかと立ち並ぶ恐竜の骨格標本に圧倒されます。本当にこんな生物がこの地球上にかつていたんだな、と実感するのに十分な展示で、CGで再現された恐竜の生活も面白いものでした。幾つか展示物の写真を。
ティラノサウルス・レックス!

アーケロン・イスキロス!

そしてイカ。

居並ぶ恐竜の骨格標本とともにイカの化石が展示されているのを見てえっと思ったのですが、食卓でおなじみのイカが中世代ジュラ紀の一億五千万~二億年前からの生物だったとは。人類の歴史はわずか二十五万年とのことなので、イカは生物界における大先輩です。
恐竜博物館の展示は、恐竜以外にも植物を含めた地球上での四十億年!に渡る生物の進化の過程が分かる展示となっていました。この地球上で、四十億年をかけて生物は様々に分化、進化、絶滅を繰り返し、その結果として今の生態系があるのだなあ、と地球上の生物の長い歴史にしみじみと思いを馳せました。
展示を見た後は、野外恐竜博物館へのツアーに参加。このツアー、化石発掘体験ができるというもので、これはやってみたい!と思って参加申し込みしたのですが、参加者はやはり小さな子供連れの家族がほとんどで、内容も小さな子供向け。うーむ。低気圧の接近により風がかなり強くなっており、空模様が心配な状況でしたが、幸いにもツアー中はなんとか持ってくれました。
発掘作業は、このテントの下にて。

貸し出される発掘用のハンマーとタガネ。

このハンマーとタガネを使って岩を割り、その割った面に化石が出て来ればラッキーということなのですが、岩も割れやすい方向があるようで、割れる時はすんなり割れますが、そうでない方向ではいくらガンガンやってもなかなか割れません。植物の化石が露出した岩がいくつも転がっていて、自分も割った面に植物の化石を見つけることができました。
それから、化石発掘現場を見学。
手取層群北谷層と呼ばれる中世代白亜紀前期(約一億二千万年前)の地層で、ボーンベッドと呼ばれる化石が多く含まれる地層があり、発掘現場に並んでいるプレートは、そのボーンベッドの中で正式名称のついた恐竜の化石が発掘された場所を示しているとのこと。様々な条件が揃わないと化石発掘に至らないそうですが、ここはそんな条件がすべて揃った奇跡的な場所なのでしょう。最後に屋外恐竜博物館を見学してツアー終了。化石発掘体験は、宝探しみたいで楽しかったです。
恐竜博物館に戻って博物館のレストランにて遅い昼食。またしてもボルガライス。

ボルガライス Dino ミュージアム風。こちらもうまいうまいとあっという間に完食しました。ヨコガワ分店のボルガライスのライスは焼飯に近いチキンライスでしたが、こちらのライスは典型的なケチャップライスです。
あくまでも私見ながら、同じような構成をとるカツカレーは、カツに対するソースはカレーかせいぜいウスターソースというパターンしかありませんが、ボルガライスは、カツに対するソースはデミグラスソースありトマトソースもありで、カツの美味しさを引き出すソースと合わせてオムライスを食べることができるところがよいと思います。
風がますます強まり雲の色もどんどん濃くなっていく中、バスに乗って恐竜博物館を後にしました。JRの運行情報を確認すると、北陸本線は遅延、運休が発生している様子。列車に乗っている間に横殴りの雨が降り始め、福井駅に着いた頃には雨は本降りに。駅で改めて確認すると金沢方面の特急は全て運休で、普通列車も今ホームに止まっている金沢行きが最終とのこと。その最終列車に乗り金沢からは北陸新幹線で無事地元に帰り着くことができましたが、これに乗り遅れていたら福井で追加で一泊する羽目になるところでした。危なかった…。
金沢駅で買った梅酒で一杯。
