KOBE Diary

神戸から、愛する人たちへ。

心を透明にして

2008-06-24 | Weblog

ときにぼくは、心を透明にする。

自分を見つめる目さえ遠くに押しやって、

風に溶け込ませて心を自由に漂わせる。

するとすべてが一瞬に見えてくる。

すべてが一瞬に覚知できる。

動こうとする人の気配。

人の怒りや悲しみや境涯や心の動き。

次の瞬間に何が起きるかということ。


欲望や自我を越えたとき。

そのとき世界を覚知することができる。

欲望や自我はつねに自分にあるものだけれど、

それを飛び越えてみる。

心を透明にする。

それはほんの短時間だけ可能なことだ。

なぜなら普段のぼくは、

自分の欲望や自我の行方をつねに見守っている。

自分を知る上で、それはとても大切なことだから。

そうしてときには鎧を着せて自分を防御する。

心を透明にすることは、

自分を守る防御の一切を取り払うことだ。

だから長い時間はできないけれど、

そのおかげでぼくは、

世界の一端に触れ、知ることができる。

慈悲も無慈悲も、善も悪も、生も死も、

すべては生々しくここに存在しているのだ。



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