雨の灯台

ポケモン擬人化を取り扱っています。
参加企画関連の記事メインです。

小さな約束

2008-08-31 20:35:37 | R.N!/SS
「また負けたぁ……」
目を閉じて空を仰いだハロウの口から、溜息まじりに漏れる声。
先程、トリルとの手合わせに決着が着いたばかりだ。
呼吸もまだ完全には落ち着いていない。
「ハーロウっ」
そんなハロウに、背後から明るい声がかけられる。
同時に、頬に何か冷たい感触。
「わ!?」
びっくりして目を開け振り返ると、缶ジュースを手にしたトリルがいた。
「あはは、はいこれ、おごりね」
手に押し付けられ、とっさに受け取ってしまう。
トリルはさっさと隣に並び、自分の分のジュースを開けた。
「あの、トリルさん」
「んー?」
一口喉に流し込んで、ハロウの方を見る。
「悪いですよ、おごってもらったりして」
「いいじゃんいいじゃん。可愛い後輩にジュースおごる位の“先輩の余裕”、持たせてよ」
「でも……手合わせの度に毎回なんて申し訳ないです。まだ一度も勝ててないのに」
「そんな気にしなくていいって」
また一口、飲む。
「でも」
「じゃあこうしない? ハロウが勝ったら、“勝者の余裕”でおごってよ」
その提案に驚き、ハロウは目を丸くする。しかし次には笑顔になり、しっかりと頷いた。
「はい!」
「楽しみにしてるね」
にこっと笑って、トリルが三度缶に口をつける。
ハロウもプルタブに指をかけた。
「必ずおごりますから、待ってて下さいね」
プシュッと音を立て、飲み口が開く。
「いただきます!」

ハロウ君お借りしました。
手合わせ後の日常。
現代の物もオッケーなら、自販機の缶ジュースも有りかなーと。
仲良く並んで、手合わせの反省点話し合ったり雑談したりしてればいいよ!