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窓の向こうの海

素直で純心なきみに、憧れ手を伸ばしていた。いつのまにか、掴まれていた。もう離さないよって、きみが太陽みたいに笑った。

Bread & Butter ⑥ 芦原妃名子

2017-07-27 20:55:32 | 読書




食べるとは、誰かと生きるとは、人と向き合うとは、人生とは、、を考えさせられる、これまた大好きな作品。
パンが全部美味しそうで、食べたくなる。


今回もすごく良かった。


すこしずつお互いに対する理解を深めていく柚季と洋一さん。


この、なんともいえない関係、距離感が、良いんだよなぁ。
こういう雰囲気がほんとうに好き。
婚活ならではというか、、婚活にしてはイレギュラーだからちょっと違うのだけれど、、
恋愛ではないというか。
もっと冷静に、人と向き合いぶつかり合い生きようとしている。



ひとは信じたいけれど信じられない時に信じてるから、って言うんだ、とか、
いいかげん『女の子』を卒業して大人になりな、とか、
今回も散りばめられた名言がたくさんあった。



純さんもとても好きで、、
お仕事ができて料理もできて、一人暮らしを頑張っていて、でも不器用で人に頼るのが苦手なところがあって、、
そんな彼女がまた、前に進んでいくのを見るのは励まされる。応援したくなる。


次巻がたのしみ!



太陽が見ている(かもしれないから)⑥ いくえみ綾

2017-07-27 20:38:52 | 読書




大好きないくえみ作品の新刊、
とは言っても4ヶ月前に出ていた、、最近やっと買った。

本屋さんにしょっちゅう行かなくなった(大抵まとめ買い)ので、新刊に気づくのが遅れるこの頃。


前巻はとても苦しくて、岬が自分と向き合うために爆発して、今回はそこから一歩ずつ進み始めた。
切ないけれど、すごく好きな展開にどんどんなってきた。
髪をばっさりと切った岬が可愛い。
ふわふわショートヘアの女の子好きだ、、
決別のために髪を切る岬の精神も好き。
ぶれない想いを抱えるハタチの岬。


どうしても岬寄りで見てしまう、ずっと読んでいる。



そして日帆は高校時代からもうずっと飯島兄に相談を続けていたのね、
いや、一度途絶えて再開、か

日帆はわたしの大学時代の親友に似てる。
時々こわいくらい、似てる。
だからかなあ、すこし苦手でもある。


楡は優しいなあ、優しいけど冷たい、でもそこがまた良いんだよなぁ、

冷たい愛情、、すきだ。




そして巻末には潔く柔くの番外編!!!


もうもう素晴らしすぎて泣いた、、、


ハルタの弟くんが出てきて、、生きてる。
『ふつうに』生きてる。

ロクとカンナも結婚して、子どもも生まれて、
月日はきちんと流れていくものなのね、
そしてむっちゃんはずっとずっとロクのことが好きで、、

魂は循環していて、憶えていて、いま、生きてる。


感動が止まらなかった。


いくえみさんはほんとうに天才漫画家さんだ、、



こんなにも心揺さぶられて、くるしくて切なくて愛おしくて、めげずに生きていこうって思える。


高3の頃、潔く柔くに出会ってから、ずっとわたしのバイブルだった。


学校の帰り道に駅の本屋さんに寄って一巻ずつ買っていた。

ひとりで部屋で静かに読んで、心掴まれて、受験期に、友達に貸しまくった。語りまくっていた。あの頃。


大学でも友達に回していて、サークルの子に貸したまま実家に戻ってきてしまったから、いまはもう手元にはない。


もう一度買い直そうかなあ、一巻から読み直したい。


ほんとうに素晴らしい作品。


確かに、生きる力を貰っていた。


新刊を読むのが遅れた代わりに、
次の新刊をあまり間を空けずに読める喜び。


2ヶ月後がたのしみ。






少年たちは花火を横から見たかった 岩井俊二

2017-07-27 16:47:43 | 読書



来月公開の映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の原作的小説。


映画がすごく楽しみで、岩井俊二監督が好きなので、本屋さんで見つけて即買いした。


ひと夏の淡く切ない物語。


どうしようもない気持ちを持て余す少年少女たちに感情移入して、懐かしくもあり、ほろ苦い思いを味わった。


今年の夏は花火を友達と見に行く約束をしている。


たぶんその時、この物語を思い出すんだろうと思う。


すこし大人びていて、自由奔放ななずなちゃんが魅力的だった。


映画が待ち遠しいなあ。




ハルチカ

2017-07-27 00:35:57 | 読書





先週末に無事に初めての展覧会が終わって、
絵の方にひと段落がついたので、
ようやく積み本たちに手を出し始めている。


今日は2冊読めた。

ハルチカシリーズの『惑星カロン』と
番外編集の『ひとり吹奏楽部』。


このシリーズは、大学生の頃本屋さんでよく見かけて、ずっと気になっていたのだけれど、
実家に戻ってから買って読み始めた、大好きなシリーズ。


今回も初野節が健在で、
ものすごく切なくて苦しくなるくらいだった。
特に、惑星カロンにはやられた。

SNS上の人格はもうひとりの自分で、別人。

確かにそうかもしれない。

だけど、最近は顔も声も知らない人との交流、なんてこともなくて、
最近わたしがSNSで交流しているひとたちは、
顔も声も話し方も、知っていることが多い。


だから一概には偽物だとか別人だとか言えない、とも思うけれど、
これは、なんとも切ない、宇宙の星と交信する話だった。

なんにせよ、どんな形であれ、出会って、繋がることができるのは、奇跡なのだ。


わたしは出会いや縁を大切にしたい、と言っていた彼のことを信じたいなと思った。


草壁先生の感じていたもどかしさや切なさは、わたしにも理解できる。
表現は時に人間関係をややこしくする。
癒すことも傷つけることもできる。
それでもわたしはこの世界にもうずっと救われてきた。
息苦しくて堪らない時、ここでだけは呼吸ができた。
不思議だけど、生きるのを手伝って貰っている。
そんな場所。


作品世界に流れる確固たる作者さんの哲学とユーモアが好きだ。

わたしはわたしで胸を張って自分の哲学を持って生きよう、と、改めて思えた。


それにしても、小中と吹奏楽部で過ごしたわたしにとっては、
あるあるな感情ばかりで、それにもきゅっと胸が痛んだ。
憧れの総銀フルート。自分の実力と楽器のスペック。
有限の時間と、次々入ってくる後輩たち。
時折垣間見るOBOGの存在の大きさ。
チカちゃんや成島さんの気持ちが痛いほど理解できた。
芹沢さんの抱く片桐部長への想いの変化にもぐっときた。

何でも知りたがる10代にロクな未来は訪れないって、似たようなことをわたしも、19の頃に言われた。
いまならわかることがたくさんある。
あの頃はずっと焦っていて、短い時間のなかで、果てしなく長いトンネルの中にいるような気がしていた。
いつまでも大人になれないような気がして、怖かった。


青春はほろ苦いものなんだって、やっぱり、思う。

はしゃいでみても、ふざけてみても、
どうしても切なさが纏わり付いてくる。

でも、その期間をどう過ごすかで、
その先の人生がきっと変わる。

闇雲だけど必死に駆け抜けてきて良かった。

きっとそんな時期が、誰にでも必要なんだ。




新刊が待ち遠しいなあ。続きが楽しみ!



雪月花黙示録 恩田陸

2017-06-20 14:22:38 | 読書



すこし、いやかなりご無沙汰の読書でした。

恩田陸、つまり作者買いの一冊。

エンタメ色が強くて最初はとっつきにくかったけれど、
読んでいるうちにどんどん引き込まれていきました。
蘇芳がとにかく可愛い。ザ恩田ガールって感じで。
でも男の子も女の子も、いつもよりちょっとだけ薄っぺらかった、内面が。

レビューでも相当言われているようだけれど
終わり方もまぁ恩田節という感じで、曖昧にぶった斬る、文字通りそんな感じだった。

でも恩田作品は過程や文章を楽しんでいるのでそこそこの満足度でした。
これ、書いていて途中で疲れちゃったんだろうなあ。


次はやっと『蜜蜂と遠雷』を読みまーす!


積み本が溜まりすぎているので、一冊ずつじっくり消化していこう。

読書の梅雨、そんな感じで。



また読んだら感想かきます。