2003年10月22日。ヤンキース2-1でリードしていたワールドシリーズ第4戦。Roger Clemensはマウンドにあがった。引退して殿堂入りするRoger Clemensの最後のマウンドをカメラに収めようと試合開始前からフラッシュの嵐。試合も順調に進み、Roger Clemensは7回のマウンドへ。2アウトを取ると試合のクライマックスが訪れる。打席にはLuis Castillo。1-3ビハインドのヤンキース。投球数も100球を超えるRoger Clemens、この回が最後になるのは暗黙の了解。そして奪三振マシーンRoger Clemens最後の打者は三振するしかなかった。Luis Castilloは何球もファウルで粘りフルカウント。しかし最後はシナリオ通り見逃しの三振。
敵地プロプレイヤースタジアムにもかかわらず、観客は総立ち。フラッシュの洪水。Roger Clemensはグローブを力強くたたき、跳ねるようにダグアウトへ向った。マーリンズ選手たちは一斉に自分らのダグアウト前に並び拍手で贈る。異例の敵地カーテンコールに応え、Roger Clemensは二度帽子を振った。そして手を胸にあてた。テレビなのにもかかわらず、すっかり球場にいる気分にさせてくれる演出だった。
ヤンキースはワールドシリーズに破れるものの、Roger Clemensが大リーグ入りした頃1歳だったMiguel Cabreraが技ありの逆転本塁打を放つなど世代交代ドラマがあった試合だけに最高の花道だった。しかし、その2003年シーズンのヤンキースのチームメートAndy Pettitteがアストロズへ移籍すると突然Roger Clemensは引退を撤回。アストローズで現役復帰した。先ほどのワールドシリーズの試合を見ていただけに納得がいかなかった。でも大リーグに限らず、アメリカでは他のプロスポーツでもスーパースター選手は引退から復帰することが多々ある。アメリカ人は嘘つきだ。
そもそもRoger Clemensがアストローズに復帰したのは、自宅が本拠地ミネットメードパークに近いこと。そして、シーズン中とオフのトレーニング仲間Andy Pettitteがいたからと言われている。そして今回、Andy Pettitteは再びFAでヤンキースへ戻ってきた。それからは「Andy Pettitte移籍=Roger Clemens移籍」の方程式で今期オフ散々ヤンキース復帰説の記事が書かれている。しかし、前回のアストローズ移籍は、家族が優先順位のトップであり、Andy Pettitteの存在はダメ押し要因だったとみる。そして今回もAndy Pettitteの存在はダメ押し要因に過ぎないと感じるのは私だけか。
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先発を狙う井川の立場が微妙になりますが、それも、ヤンキースにとっては、プラス要因ですし。
確かに井川の先発の枠は厳しくなりますね。
Carl Pavano次第になりますね。Clemensが入団すると。