今季オフ最後の大型FA選手のプレイ先が決まった。大リーグ・デビューしてからずっとプルージェイズで活躍していたCarlos Delgadoは、4年52億の年棒でマーリンズと契約した。彼は、メディアが噛み付きたがるコメントをしないので、ほとんどスポーツの紙面を飾ることはないが、昨年はヤンキースタジアムでプレイした時に、ちょっとした騒ぎになった。
2001年9月11日の同時テロ以降、セリグ・コミッショナーの指令で『ゴッド・ブレス・アメリカ』が試合中に演奏されるようになった。しかもこのおかげでヤンキースタジアムの試合の流れに異変が起きた。ヤンキースタジアムでは毎試合、7回表終了時に『Take Me Out to the Ball Game』が流れていたのに、その日以来『ゴッド・ブレス・アメリカ』が流れている。
Carlos Delgadoは、2004年シーズン7月ヤンキース3連戦中、指摘されていないのに、記者に喋ってしまったことがある。『ゴッド・ブレス・アメリカ』が流れると、起立をせず、ベンチの奥に入って抗議の意思を表明していることを。各球団の選手が皆きちんとフィールドで起立、脱帽しているかというとそうでもない。メッツの選手は特にひどく、ユニフォームを着替えている選手さえいる。なのに翌日、ヤンキースやメッツの選手でもないのに、ニューヨーク各紙のスポーツ面は、Carlos Delgadoでいっぱい。記事を読んだアホなニューヨーカーたちは、Carlos Delgadoをヤジルそれぞれのプラカードをもってヤンキースタジアムをうめた。情けない光景だった。
ニューヨーク・タイムズの記者に対してCarlos Delgadoは、「僕は戦争に反対し、平和を求める。あくまでも個人的な感情で、注目されたいわけではない」と語っている。
実はCarlos Delgado、アメリカの軍活動に対する抗議の意思表面は今回が始めてではなかった。彼は母国プエルトリコの小さな島Viequesが、米海軍の演習場として利用されていることに対して抗議を続けていた。2年前の春、米軍はViequesから出て行ったが、演習場跡に残る爆弾の影響とみられるがん患者が多くいる。アメリカに土壌浄化や補償を求める運動に、Carlos Delgadoは今も引き続き加わっているという。
こんなCarlos Delgadoなので、アメリカ愛国主義者が強烈に多い都市の球団と契約して欲しかったが、結局ラテン系の移民が最も多い都市、マイアミに落ち着いてしまった。彼にはこれからも同じスタンスでセリグ・コミッショナーにプレッシャーをかけ続けて欲しい。
(今週水はGooブログがメンテナンス中だったためお休みしました)
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デルガド選手が言いたかったのは結局、この一言に尽きるのではないでしょうか?
現地の記事をいくつか読んでみたのですが、デルガド選手は同時多発テロで亡くなった方に対し心から哀悼の意を表されていますし、様々な国の人々を受け入れているアメリカという国の素晴らしさに対して敬意を表されています。デルガド選手は自分や自分の国だけが良ければそれでいいという選手では決してないと思います。
彼はアメリカが勝手に始めた戦争によってイラクで何の罪もないのに殺されている人々や、管理人さんが書かれおられます様に、プエルトリコで数年前まで米海軍が駐留していた事によって様々な被害を被っている人々の事も米国民に考えてほしい、『ゴッド・ブレス・アメリカ』が流れている間、ベンチ裏でそう考えていたのだと自分は思っています。
『ゴッド・ブレス・アメリカ』の演奏が終わった後、デルガド選手にブーイングをしている光景をテレビで見て管理人さんと同様、本当に残念に思いましたが、自分は救いがあると思ったのは、ブーイングをしている人をあまりよく思わない表情で見ているファンがいたり、デルガド選手とこの件について考え方は違うけれども、行動は理解出来ると述べたチームメートがいた事です。
〔http:www.shimotsuke.co.jp/hensyu/news/column04/040724c.html〕
今シーズンからはマーリンズでプレーをされるんですね。さらなる活躍を心よりお祈りしています。
管理人さん、今回の記事について調べていて非常に参考になったある方のブログがあります。もしまだご存知でなければお手数ですが一度アクセスしてみて下さい。
↓
http://amstudinfo.exblog.jp/m2004-07-01