対象の９割で法令違反 長野労働局、１１３社を重点監督

対象の９割で法令違反　長野労働局、１１３社を重点監督

2014年1月5日「中日新聞」より転載
 
 

　長野労働局は昨年九月に実施した過重労働重点監督で、対象企業の九割にあたる百一社で法令違反があったと発表した。
　労働局は「法令違反は若者の使い捨てにもつながる」として是正を指導する。是正しない企業に対しては、「送検も視野に入れて対応する」と強調している。
　労働局は、事前に労働者からの申告や情報提供があった県内の百十三社を対象に重点監督を行った。法令違反の内訳は、「違法な時間外労働があった」が五十八社、「賃金不払い残業があった」が三十一社、「休日労働時間の削減といった健康障害の防止措置が実施されていない」が二社あった。
　また、重点監督を行った企業で時間外と休日労働時間が最も長かった人を調べたところ、時間外と休日労働時間を合わせて、八十時間を超えていた企業が三十二社あり、うち二十社で百時間を超えていた。
　長時間労働の背景について、労働局の担当者は「景気が回復しても県内の求人倍率はそこまで上がっていない。既に働いている人たちの負担が増えている」と指摘。「法律を守らずきつい労働をさせれば、良い労働者が去り、会社の評判も下がる」と法令順守を訴えている。