言わなければならない事は言わないと前には進まない

生活する中において言わなければならない事や、他の記事で共感したことなどを中心に。今その時の思いを表す。

石牟礼さんも皇后陛下にお手紙出してたよ

2013-11-04 00:45:53 | 言いたいことは何だ
JANJANBlogで三上英次さんが書いていることが、今回の見方の見本なんじゃないでしょうか。
http://www.janjanblog.com/archives/102705
 
(引用開始)
 

“直訴”に雄弁 “被曝”に沈黙 ―問われる“議員の資格”―





三上英次
 中国の古典『孟子』には、よく知られる〈性善説〉のエピソードが書かれている―「いま、ふと幼い子どもが井戸に落ちかかっているのを見かけたら、誰でもハッと思うだろう。その時の心情は、子どもを助けてその両親と交際しようとするためでも、まわりからほめてもらおうとするためでも、子ども見殺しへの悪評を恐れるためでもない」
 それに似せて、こんな想像をしてみた――「ある秋晴れの日に、年嵩(としかさ)の男性と若い男性が向き合ってお茶を飲んでいる。ふと、その青年が視線をあげると、そこから250メートルほど離れたところで、子どもが池に落ちて助けを求めているのが目に入った。彼は、とっさに相手の男性に、背後を指差し、その急難を知らせようとする」

 山本太郎議員(38)の“手紙手渡し”行為への批判が、メディアを通して伝わって来る。中には、“憲法学者”を自認する大学教授の発言を紹介して、たいそうな憲法論議になっているものすらある。
 おそらく、山本議員にすれば、たとえ相手が誰であれ、相手の背後―つまり相手からは見えにくい死角の場所―で、誰かが転んだり溺れそうになっていたりしているのを見かけたら、それについて知らせたいという気持ちがあっての行動だったと推察する。
 今回はたまたま、それが人々の集まる場所から250メートル離れた池や川ではなく、およそ250キロメートル離れた放射能汚染地域でのできごとであったというに過ぎない(但し、この…ある種の“政治的タブー”をことさら園遊会という場でふれたことで、“政府関係者”らの怒りを倍増させたという事情もあるだろう)。

 今年9月、台風で増水した川に流された小学4年生男児を、中国人留学生が自ら川に飛び込んで助けた一件があった。3年前に来日した厳俊さん(26)は、男児を川中から岸に押し上げられず、いったんは自ら岸にあがり、今度はロープを身に巻いて、再び濁流に飛び込んだ。無事に男児を救い上げたあとの厳俊さんの言葉が何ともすがすがしい――「人命を助けるのに国籍は関係ない」。その厳俊さんに、政府は紅綬褒章を授与する予定だという。
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水俣問題について石牟礼道子さん(86)のことを伝える記事(2013年10月25日付朝日新聞)
 若者は、いつの時代にも理想を掲げ、それに向けて些か勇み足をしがちである。「若気の至り」とはよく言ったものだ。そして、そういう血気盛んな行為を、あたかも鬼の首でも取ったかのように、世渡りだけうまくなった無能の人たちがあげつらうのもまた、世の常である。ただ、今回の騒動を多少なりとも好意的に解釈すれば、それは「理想に向かってまっすぐに物が言える若者」への形を変えたジェラシーであるのかもしれない。

 11月1日、毎週金曜日の官邸前抗議行動に合わせて、文部科学省前では〈ふくしま集団疎開裁判の会〉の集会が持たれた。その中で、「原子力資料情報室」会員の男性は、
   ○ 賠償の地域がきわめて狭いこと
   ○ 賠償の対象も限定されていること
   ○ 賠償の金額も低いこと
   ○ 実際の賠償の支払いも先延ばしにしていること
   ○ 賠償手続きがことさら煩雑にされていること
 などを挙げて、東電の姿勢を厳しく批判した。
 「たとえば、2000万円で建てたいなかの家があります。いなかの2000万円の家ですから、2世帯、3世帯で住めるわけです。ところが、その賠償額がわずか400万円程度というケースがあります。住んでいる家を放射能だらけにされて、わずか2割程度の賠償しかしない…これでは生活は再建できません」
 さらに男性は、「被害者が損害及び加害者を知ったときから3年で時効消滅する」という民法の規定(724条前段)により、原発事故の被害者らの損害賠償請求権が無くなる可能性にも言及した。
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11月1日(金) 文部科学省前にて (撮影…三上英次 以下、同じ)
 また、「原子力損害賠償紛争解決センター」なる機関が「センターは、原子力事故の被害者からの原子力事業者に対する損害賠償請求について、円滑、迅速、かつ公正に紛争を解決することを目的として設置された紛争解決機関です」と謳(うた)いつつ、実際には被害者らが細かい領収証などを求められて、泣き寝入りせざるを得なくなっている実態も男性は訴えた。
 さらに別の女性からは、福島県産の食材を半ば強制的に給食で食べさせられることに母親が意見を言うと、親が担任に呼ばれて「あなたの言うことは理解できない」と諭されたり、「除染してある」という理由で子どもたちが校庭での草むしりをさせられたりしている現状も紹介された。

 今回の“手紙手渡し”問題で、「立場や身分は一度横に置いて思いを伝えたかった」という山本議員のコメントに、世耕弘成官房副長官は「誰でもわかる、やってはいけないこと。議員の資格はない」と述べたという。
 冒頭に引用した『孟子』では、続けて、人をあわれむ心を持たない者、善を行わないことを恥じない者、是非の判断が出来ない者などを「人ではない」と断じている。これだけの子どもたちへの健康被害、〈いのち〉への危機が憂慮される中で、問題を“手紙手渡し”に矮小化し、根本にある〈いのち〉の問題には沈黙を続ける多くの議員たち。世耕官房副長官の言う…「誰でもわかる、やってはいけないこと」、「議員の資格はない」というのは、実はそれらの沈黙する議員たちのことを指しているのだろうか――。
(了)

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今年から始まった「創エネ・あかりパーク2013-光とコラボのグランドフェスタ-」(於上野公園)で、風力発電が体験できるという「経済産業省」テント (同フェスタは10月31日~11月4日まで開催。主催が「〈創エネ・あかりパーク2013〉実行委員会」、共催が「経済産業省」と「環境省」である。同フェスタには「被災地応援テント」も設営されている) 
  《関連サイト》
◎ 「ふくしま集団疎開裁判の会」
 同会の「子どもの緊急避難を求める署名」は10月末現在で9000筆に届く勢いであるという。
 http://www.fukushima-sokai.net/
◎ 東電の損害賠償踏み倒しは許されない!
http://onndannka.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-3355.html
◎「原子力損害賠償紛争解決センター」(文部科学省所管)
http://www.mext.go.jp/a_menu/genshi_baisho/jiko_baisho/detail/1329118.htm
   
  《関連記事》
◎「ふくしま集団疎開裁判の会」、避難プロジェクト立ち上げへ
 http://www.janjanblog.com/archives/97334
◎ 被ばくし続ける子どもたち ―交通事故のたとえ―
 http://www.janjanblog.com/archives/85872
    
    
     
     
※本記事に対するご意見・お問い合わせは下記まで
pen5362@yahoo.co.jp (三上英次/現代報道フォーラム)
(引用終わり)


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