陽光の中の裸婦
1875-76頃
油彩・キャンバス
パリ、オルセー美術館
写真の場合は、木漏れ日の当たらない陰の部分、
その色を鮮やかに描出するのは、きわめて難しい。
ところが油彩などの絵画制作の場合は、色を別々に塗って隣接した色と、視覚的に混色させるという手法を採用することが出来る。肌色を真珠の色に輝かせるには、水色、ピンク、白そして黄緑などの絵の具を近隣にちりばめる。こうすると、それを遠くからながめれば、光沢を放つ真珠色のきらめきに見えてくる。
写真の場合でも、編み目で分解して、光の三原色に分けることが出来、それを絵画のように視覚的に合成させて、より明るい色の表現は可能だ。しかし、絵描きは、興味のある部分を、より強調して色の冴えを表現できる。
上の画像の、肌に写った木の枝とか葉の陰は、直射光が中っている部分よりも、極めて光量が少ない。
なので、注意深く自然の中で観察すれば、空の青を写してブルーに見えている部分でも、灰色にしか表現できない場合が多い。
ところが絵描きは、その部分を青とか、あるいはもっと明るい薄青いろで表現できる。