常子が大阪に帰っているので、長子は日向子の塾を休ませようとしているのだが、
日向子は勉強が遅れるから休みたくないと駄々をこねる。が、何とか休ませた。
由紀に子供が生まれたら、日向子が本間医院の跡取りにならなくていいから、
医者にならなくていいとは、大人たちの都合で、日向子はまだ医者になる気でいる。
かわいそうな日向子。
大阪では常子が由紀の世話をしていた。日向子のために東京へ帰れという由紀に
対し、常子は長子が日向子を私立の学校に入れるつもりはないから、塾もやめ
させるだろう、由紀とお腹の子が大事と答える。かわいそうな日向子。
常子から長子へ電話で常子はずっと大阪にいることを聞いた長子、日向子に
塾をやめろとなかなか言えなくて少々沈んだ気持ちになる。
邦子、長太、ミカが幸楽を訪れた。これからヨーロッパに発つからキミに挨拶を
しに来たと言う邦子だが、キミはまだアメリカから帰ってきてない。行くのは
邦子とミカのみ。加津や隆が行かないので長太は残ると言う。が、邦子は自分たち
よりも加津が大切だから行かないんだと愚痴を言う。
そんな邦子たちを話題に幸楽では休みがないと話していると、勇が突然、今年は
うちも休むと宣言する。休んでどうするの?と問う愛に勇はそれぞれ好きなことを
すればいいと言う。キミが二千万円を使ったんだから、自分たちもいい思いをしたい
と言う勇。勇は愛に城代と旅行でも行けとしつこいぐらいに勧めるが、愛は城代
と遊んでいる暇はないとそんな気は全く無い。愛ファンとしてはうれしいのだが、
最近、愛はとことん城代を嫌ってるな。最初とは全く逆の態度だ。
勇は一人で温泉にでも行くと言う。五月はあきるまで寝ていたい。眞は受験勉強。
が、勇はこっそり里美に電話を掛ける。一緒に温泉へ行こうというのだ。
それでいいのか、勇!?完全に浮気である。
「渡鬼」には珍しいスキャンダルだ。
岡倉では日向子が塾に行きたくて、本間のおばあちゃんに電話を掛けてと駄々をこねていた。
と、そこへ常子がやって来た。英作も病院から呼び出されていた。
常子は今後一切英作夫婦には干渉しないと言う。英作の就職も日向子の教育も
英作たちの思うようにすればいいと言うのだ。そして、日向子に塾もピアノの稽古も
しなくていいと説明する。果たして日向子は理解出来たのか、出来てないのか?
今日は岡倉の給料日。大吉の手から直接、タキさん、勉ちゃん、そして壮太にも
給料が渡される。壮太は住み込みで世話になってるし給料はいらないと遠慮する
壮太。大吉はこの三ヶ月間、壮太を見て来て、どうやら岡倉で修行する覚悟が
出来たとふんで、初めての給料を渡した。
なかなか心温まる場面である。
以前も書いたが壮太関係は良い話が多い。
突然、壮太の父親が岡倉を訪ねて来た。出てきた壮太に父親はつかみかかり、何で
こんなところにいるんだと何回も殴りつける。壮太の父親と知らず、勉ちゃん、
止めるとき、ちょっと手荒なまねをしたようだ。
落ち着いたところで、話し出す壮太の父親。壮太を福島の実家に預け、壮太の
父親は山奥のダムの管理の仕事をしていて、今まで壮太は福島にいるものだと
思っていたのだ。そして、壮太から手紙が届いて、あわてて東京まで出てきたのだ。
壮太の父親は仕送りをするからちゃんと高校に行ってくれと壮太に頼む。
が、壮太は板前になると決心している。父さんは何のために働いているんだと
問う父親に、俺のために働くのはやめて、自分のために生きてくれと言う壮太。
積もる話もあるだろうからと今日は壮太の部屋に父親も泊ることになった。
常子から解放され、長子夫婦にも平和が訪れたと思いきや、
翌朝、長子が目を覚ますと、日向子がいなくなっていたのだった。