この所、このブログに新規記事が掲載されない、と苦情を戴いております。ブログサーバを引っ越して、どうも以前の様な使い方が出来なくて、何となく疎遠に成ってしまっておりました。申し訳ございません。
お詫びに今回の記事は、普段であれば決して記載しない「失敗作」を掲載してみたいと思います。今迄の僕のブログから、僕が色々料理を作っているイメージをお持ちの方も多い事でしょう。ですが、かなり失敗作も有るのです。但し、失敗しても、いつもの標語「喰える物と喰える物を足して、食えない物が出来る筈が無い。」の気持ちで、「これは世界一のシェフが、僕の為だけに作ってくれた料理。ただ、日本人のシェフでは無いから、僕の口に合わないだけ。」と、心の中で、かなり妄想して食べる訳です。
さて今回の失敗作、それは「納豆を増やす」です。
いつも会社帰りに利用している、ご存じ三越仙台店の裏、一番町四丁目商店街の地下「○○スーパー」で、このスーパーのプライベートブランドに成るのでしょうか、「○○スーパー」の文字がパッケージに印刷された「大豆水煮1kg」を二袋購入したので、大豆の煮物でも作ろうとしたのです。が、何となく日持ちしない様な気がしたので、大豆で日持ちのするもの、そうです、納豆にしてしまえ、と思った訳です。

納豆に不可欠な納豆菌は、買い置きの有ったカップ入り納豆をそのまま使用する事として、さて、準備。あっ、繰り返しますが、今回の記事は「失敗例」ですからね。
先ずは基本の納豆菌の用意です。買い置きの有ったカップ納豆を、からしやたれを使わずに、良く掻き回して、糸引きを強くします。

適当な頃合いで、今度は大豆の水煮に手を加えます。
水煮の入ったパッケージに「水洗いしてからご使用下さい」と記載されています。中国製の水煮ですし、最近の寒さで、パッケージ内の水分は全てゼラチン化しています。ゼラチンを溶かし、納豆菌を後で繁殖させるにも「熱」が必要ですから、もう一度茹でてしまえ、と思い、鍋に入れて水からしっかり茹でました。しかし、この「茹でる」作業が間違っていた事に気付くのは、もう少し後の事です。

茹でた大豆をざるに上げ、アッツアツのまま、タッパーに写し、先程糸引きを強くしておいたカップ納豆を投入、掻き回します。ちなみに、納豆菌は本当に強い菌です。100℃の温度では死にませんから、雑菌を死滅させるのには好都合です。しかし、強過ぎる菌なので、糀菌を扱う日本酒の杜氏や、味噌職人、醤油職人達の中では、現代でも納豆を食べない方々が多いそうです。職業として扱っている糀(麹)菌よりも納豆菌の方が強いので、仕込んでいる物に悪影響を与えない為だそうです。

さて、この本物と茹で大豆の掻き混ぜ作業ですが、茹でた大豆が皆、どんどん潰れてしまうのです。そうなんです、そもそも商品が「大豆の水煮」。しかも「ふっくら仕上げ」とパッケージに書いてあるので、既に柔らかく成っており、今回茹でた事で、柔らかく成り過ぎてしまっていたのでした。
こう成っては、「納豆を増やす」事はかなり難しく成ってしまいます。温度管理もそうなのですが、空気の管理です。
温度管理について少々触れますと、納豆菌は約40℃から45℃程度が繁殖適正温度の様ですが、これはたとえそこまで温度を上げられなくても、少しでも近い温度を少なくとも48時間は保持したいのです。その時間で、納豆菌の作用で大豆内部まで糖質が旨味のアミノ酸に変化する訳ですが、通常市販されている納豆が「小粒」「極小粒」の大豆を使う事で、この内部変化の時間を短縮させている訳ですね。しかし、今回の使用大豆は、かなりの大粒。48時間では無く72時間以上は温度保持が必要か、とも思われます。
昔は、囲炉裏の傍に置いたり、こたつの中に入れたり、腹巻にくくり付けたり布団の中に入れたりと、工夫して作っていたそうですが、何もそこまでする事は当初から考えていませんので、「温度管理」は今回は無視します。だって、こたつ、持っていませんから。
問題なのは空気の管理です。納豆菌は好気性菌の代表格。空気が無いと繁殖出来ないのです。昔は稲わらで作っていた為、当然、空気を遮断しておらず、納豆菌の繁殖には適していた訳ですね。ところが今回の容器は深型タッパーで、しかも大豆が細かく潰れ、本物の納豆を混ぜている為に粘度が高く、空気に触れるのは表面だけです。
と、言う事で、納豆を増やす熟成工程はあきらめました。この潰れた大豆を「挽き割り納豆の出来損ない」と認識して、醤油、からし、だし汁を入れて食べる事にしたのです。
熟成工程が無いので、本物の納豆が混ぜて有るとは言え、味は熟成前の「大豆」。当然、食べられない訳では無く、「物足りない味」程度ですが、「挽き割り納豆」とは程遠い物。それでも、数日間の食卓の主役を務めてくれました。
はい?二袋目の水煮1kgはどうしたのか、ですか?はい、茹でる工程を省き、ざるで水洗いだけしただけで、本物のカップ納豆と混ぜました。当然、大豆の形は崩れませんでしたが、温度管理も空気管理もしませんでしたので、あくまでも味は熟成前のただの「大豆」。見た目だけ、一応糸は引きますから納豆なのですけどね。「なんちゃって納豆」でした。こちらも数日間の食卓の主役でしたよ。なにせ1kgも有るのですから。

と言う訳で、今回の記事は「失敗作」のご紹介でした。実際にこの様な事は多々有るのです。まぁ、こんな僕のブログですが、皆様、今後共どうぞご贔屓の程、何卒宜しくお願い申し上げます。