ウォーキングの「グループわらじ」活動紹介

主に宮城県内で、楽しく歩いて自然に親しむをテーマに、毎月一回徒歩定例会を実施中。2023年1月で583回を数えました。

グループわらじ 第584回徒歩定例会 「常磐線廃線と海岸復興地帯を歩く」

2023-03-01 20:01:48 | グループわらじ徒歩定例会

グループわらじ第584回徒歩定例会 「常磐線廃線と海岸復興地帯を歩く」

2023年2月26日(日)晴れ時々曇り西風強 19.2km 参加者30名(会員28名、一般2名)

 本日は廃線歩きです。「廃線」と聞くと古い時代の鉄道が乗客減少で鉄路を廃止するのを想像しますが、宮城県には震災時の津波で移設となった為の廃線部分があります。一つは昨年歩いた仙石線の陸前大塚駅から野蒜駅を過ぎて鳴瀬川の鉄橋の手前までの部分(山側に新野蒜駅ができた)、そしてもう一つが今回の常磐線の浜吉田駅から山下駅、坂元駅を経て新地駅を過ぎた所まで(山側に新山下駅と新坂元駅ができた)。更に気仙沼線のBRT転換部分も鉄路から見れば廃線と言えるでしょう。

 今日の集合は常磐線浜吉田駅。参加予定者30人が全員集合。ミーティング、体操の後、2グループに分けて歩行開始。線路沿いを南下した。今回はグループ紹介の動画撮りを兼ねているため、写真撮影はできませんでした。過去画と動画からのキャプチャーで報告いたします。

 800mほど進むと桔梗長兵衛翁頌徳碑の所で新線と旧線が分かれる。海側の旧線は昨年新道として整備されている。ここから津波浸水地帯で、津波に一階をぶち抜かれたままの家、太陽光発電パネルや小型風車、また浸水高の表示もある。用水路をかさ上げした橋で越え、交差点はロータリーになっている。津波浸水地帯は居住禁止で電気が来ていない所も多く、信号設備不要のロータリーが役に立つようだ。この辺りで体調不調で一名離脱、無理は禁物だ。

 1時間ほど歩いて、旧山下駅に到着。プラットホームが再現されている。道の向かいには3.11m高の大地の塔と犠牲者の慰霊碑。

 

 更に南下する。かさ上げ県道の38号線と合流。可能な所は側道を歩く。道の脇にはいちご栽培のビニールハウスが広がる。暖房用の重油が高騰しており、経営は苦しいのではないだろうか?環境センターの所から県道を渡って東進。笠野避難丘へ向かう。トイレ休憩。避難用の四阿が建つ丘の上からは太平洋が見えるが今日は風がとても強い。女性用トイレが不足し全員が済ますのに時間がかかり女性軍には申し訳ない。その後、八重垣神社に移動。事前のお願いなしにもかかわらず宮司さんのご説明を伺う事ができた。感謝!震災前は大変精巧な彫刻の素晴らしい建物だったが、現在は青森ヒバが香る新しい建物となった。全壊の鎮守の森も植樹されて10年、再生が進んで来ました。

 

 さて昼食前の一歩き。旧道をしばらく歩いた後、新浜地区の墓地を経て県道38号線へ。新浜の辺りは「いちご御殿」と呼ばれる大きな家があった地帯です。38号線の歩道は風当たりが強くまっすぐ歩くのに難儀するほど。旧坂元駅の所から西進して、坂元駅へ向かう。途中常磐線に電車の姿を見ていない事に気が付き、強風で運休したかと危惧。その後、特急ひたちが徐行ながらも通過するのを見て安心。

 

 予定通り12時過ぎに昼食予定の坂元駅到着、道の駅やフードコートもある。駅員さんに遅れはあっても運休は予定されていないと確認できて安心、歩を進める事とした。ここまで11.3キロ、全体の約60%を歩いた。

 

 昼食後は旧坂元駅まで戻って、次のポイントは震災遺構中浜小だ。時間的にビデオ鑑賞と内部見学ができないので、パンフレットを頂いて外側を一回りして見学した。印象的だったのは、この新校舎建築時に2mのかさ上げを実施していたという事。これによって屋根裏に避難した90名の命が守られたのだ。過去の津波情報があっても実際には利用されず、事故を起こして「想定外」で免責されようとしているどこかのお偉方に是非見て頂きたいものです!

 中浜小を過ぎると土地は農地として長ネギや玉葱の大規模収穫地として耕されていました。食料の安全保障の面からも地産地消が第一。ぜひ塩害を乗り越えて耕作が成功して欲しい。

 再び県道38号線を渡り、側道を一路南下。今度は砂利道、今日はここまでずっと舗装路で足の裏が痛いと文句が出ていた。廃線の用水路にかかる鉄道橋の跡などを見ながら新地駅が近づいてくる。最後に県道に上って、新地エネルギーセンターの角から新地駅東口へ。地下道で線路を潜って新地駅に到着。15時半、予定通りだ。電車もほぼ定時運航となっており、19.2キロを完歩した29人が仙台方面の下り電車で帰途についた。

 

 今日は歩けなかったが、新地駅南側の新旧線の合流点付近には、津波を受けた鉄橋がそのまま残っています。また駅周辺には日帰り入浴可能な温泉を持つホテルやエネルギーセンター等出来ております。写真をご覧ください。

  

 廃線を歩きながら、海岸地帯の復興の様子を見聞きした一日でした。お疲れ様!

グループわらじの行事計画は下記のリンクからご覧ください。

2023年4月から2024年6月の第600回徒歩定例会までの行事計画 (biglobe.ne.jp)

22年歩行行事一覧 (biglobe.ne.jp)(2023年3月まで)

参加希望はHPの問い合わせ先までお願いします。みんなで歩いて健康づくりを!! (TK)