ずっと一緒にいた二人で歩いた一本道 二つに分かれて別々の方歩いていく
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立春。
また新しい春が巡って。
また一歩
キミの記憶が遠くなる。
まだ憶えてる。
憶えてる。
キミの柔らかい胸元の飾り毛。
案外硬い、尻尾の毛。
緩く描いたカーブがストンと落ちる、背中のライン。
ブンブンと振った尻尾が床を叩く音。
忘れるわけがない。
だって毎日キミを想って暮らしてきたのだから。
去年のキミを追い駆けて
毎日開いた、マイピクチャー。
写真のなかで同じ時間を再び過ごす日々。
今日は公園で。
今日は山へ、海へ。
そして土手へ。
だけど春の来た日。
去年の今日のキミは動かない。
春に連れ去られたキミ。
明日からは、おととしのキミが始まる。
一年が経ちました。
一年のあいだ色んなことがあり
その様々なことが遠い昔のことのように感じられるのに
ぺぐちゃんが居なくなった。
それだけが、ついさっきの出来事のようです。
家にいても外へ出掛けても
彼の姿を捜し思い浮かべるのですから
過去になんてなりようがありません。
そして、ブログを始めたことによって撮りだした沢山の写真が
今は彼と私を繋ぐ大事な手段となっています。
写真をみては当時を思い出し、ぽんちゃんとぺぐちゃんの話をする。
常に同じ時間を共有したのは、ぽんちゃんだけですから。
写真の中のぺぐちゃんは
私が思いこんでいたよりずっと凛々しくて
真っ直ぐ眼差しを前に向ける、本当に男らしいワンコだった。
男らしい彼は、今思うと当時私が感じていたよりも早くから
キツそうにしていた。
今悔いても仕方のないことばかりですから
その辺のことは自分で考えないようにしています。
が、最後だけは。
最後。
呼吸すら苦しくなったぺぐちゃん。
獣医さんで高酸素室に入ったぺぐちゃん。
その結果、最後を一人で迎えたぺぐちゃん。
多分、もう何時間持つか分らないと知っていて
何故、彼を獣医さんに一人で置いてきてしまったのか。
彼の気持ちを考えたら
置いてくるべきではなかった。
抱きしめることが彼を苦しめるのであれば
せめて見守っていて
何故それをしてあげなかったのか。
どこへ旅立つのか、自分でもわからない不安であろう時にひとりぼっち。
自分が許せない。
ぺぐちゃん、ごめんね。
多くのことを私に与えてくれたぺぐちゃん。
逝ってしまった後も、大きなものを残してくれました。
彼が逝ってしまったことで
沢山の方と直接ふれあい、力づけられ、どうにか日々が回った。
人の情の深さ。
今日の日をこうやって迎えられたことを
皆さんに御礼申し上げます。
ありがとうございました。
そして、いつも私の傍らに暖かな体を寄せてくれたぽんちゃん。
私はどれだけあなたを頼り、助けられたことか。
ありがとう!
隙間の開いた空間をいっぱいの元気で満たしてくれたぺぐ坊。
明るさをありがとう!
新しい、春。
北国に生まれ育ちながら
立春の日が一年で一番心が冷たい日になるなんて、皮肉なものですね。
でもいつの日か、暖かな立春を迎えられる日がくるまで
暦は回ります。
私が春を捕まえ、彼に追いつく日。
春はくる。
さぁ、3人で春をつかまえに