朝目覚めると、いつもの音。
ぱさっぱさっぱさっぱさっ
私の頭上で正座をしたぺぐちゃんの尻尾が畳をこする音。
『あっ、起きましたか?』
『起きたんでしたら、向こうへ行ってご飯としましょう。』
『・・・・・・・まだ、寝るんだよっ。』
ぱさっぱさっぱさっぱさっ
もう一人を見ると、ヤツは自分のハウスに埋もれてる。
ぱさっぱさっぱさっぱさっ
無言の格闘が続く。
ダメだぁー。 耐えられないっ。
仕方なく布団の上で起きる準備?をしていると
すぅっと私の布団に前足2本を投げ出して寛いだ表情の犬1匹。
私の布団は犬立ち入り禁止です。
オマエ等が乗ると私の顔に毛が貼り付いて、むしゃくしゃするんだよ。
ダメっての、知ってるでしょ。
なのに、なんでそんなに自然に乗るかなぁ。
『ねぇねぇ。知ってるぅ♪』 『あっちのアノ扉を開けるとさぁ♪』
『美味しいものあるんだぜぇ♪』 『一緒に行ってみない♪』
スッと人の懐に入ってきて、親しげに話しかける。
まるで、プレイボーイじゃん。
でも、見るとムラムラ可愛くて追い払えないっ。
イイオトコってこうなんだろうなぁ。
散歩に行っても
ぺぐちゃんは相手が明らかに自分に興味があると分らないうちは
まとわり付いたりしない。
人間だって、普通はこうだよね。
でも、ぽんちゃんは常に周囲に気を配り
チョットでもスキがあると
満面の笑みで全身をヒラヒラさせ、踊りだす。
オマエこれ人間だったら 《 軽いヤツ 》 って言われるんだぜ。
『アイツちょっといい男だと思って、軽いよねー。』 っとかさ。
しかし犬に器量なんてものがあるわけも無く、やっぱり持って生まれた性格なのか。
どっちがソンで どっちがトクなのか・・・?
いいかげんに、退きなさい。