冷たく春の立った日 さくらんぼ 片方落ちた
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ぺぐちゃん。
キミが居なくなってから、私はどこをみても景色が霞んで見える。
キミと過ごした日々が、あまりに楽しすぎたから。
私があなたの周りに死神の影を感じ始めたのは、いつの頃からだったろうか。
辺りの草が茶色に染まりだした頃だったように、思う。
最初は気のせいだと思っていた。
だけど、その影はだんだん頻繁に姿を見せるようになる。
見たくない!
見たくないのに、その影は更に濃くなっていく。
私は怯えた。 そんなはずは無い!
死神に見せ付けるように、彼の楽しい姿を求めた。
ほら、ぺぐちゃんはこんなに元気。 こんな素敵な笑顔で笑っている。
あなたになんか、用はないのよ!
私は必死で彼の手を引いて、走り続けた。
だけど、時折ぺぐちゃんは付いて来れない。
哀しく、苛立つ。
そんなはずはないでしょう!
あなたはまだまだ、私の側に居てくれるはずでしょう!
焦る。
一生懸命走るのに、死神との距離は広がるどころか、縮んでいく。
ぺぐちゃんが逝く、前日。
彼は朝、ご飯を食べたがらない。
お願いだからお薬だけでも飲んで!
口に入れようとした時、彼はキッチンマットの上にお粗相をした。
もう!何やってるの~!! 思わす、怒ってしまった。
怒りながら、心の中で
もしかしたら、この子はダメなのかも知れない・・・。 って、思った。
あわてて打ち消したが、もう遅かった。
私が死神に負けた瞬間だった。
その日彼は痙攣を起こし、翌朝動けない姿となって帰ってきた。
守るつもりで引きずりまわし、最後の最後で手を離してしまった。
ごめん!ぺぐちゃん!!
間違ったやり方。悔やんでも、悔やみきれない。
そんな私なのに、病院で最後に会った彼は
ガラスの酸素室の中から、真っ直ぐ私を見つめ
ゆっくりお座りをして、カリカリとケースを掻き
どうしてこっちに来てくれないの? と、言った。
私は涙が止まらなかった。
2年前の冬。思いつきで始めたブログ。
最初はテキトーに様々な事を書いていたが
「犬ブログなんだから」 と、2人に的を絞って書きはじめた。
始めのうちはこんな動きをしてくれたら面白いのに。って、思いながら作っていた。
だけど、日を重ねる毎に彼等の自由な動きの面白さに、私が引かれ始める。
だんだん、写真から彼等の会話が聞こえてくる。
私はただ舞台設定をして、書くだけ。
あとは2人が勝手に色々やらかしてくれる。
もう、彼等を連れて歩くのが楽しくて、楽しくて!
この辺りで彼等が自由に動けるところにはほとんど、行ったと思う。
充実した、日々。
写真の中の二人は、自由で、イキイキとし、弾けていた。
だけど、ぺぐちゃんは大好きな雪遊びが出来る季節になって
その目がだんだん透きとおるように、澄んでいく。
突然の幕切れ。
ぺぐちゃんは亡くなる数時間前、ぽんちゃんのところに帰ってきたようだった。
私は病院からの電話を恐れつつコタツでウトウトしていたのだが
ソファーで丸まって寝ていたぽんちゃんが
突然、首をあげ真っ暗な窓の外を睨むように見つめた。
「どうしたの?」私が声をかけても
ジッと見つめている。
きっとぺぐちゃんが、ぽんちゃんに会いに来たのだな。と、思った。
「頼んだぞ!」とでも言われたのか・・・。
ぽんちゃんは私が泣いていると、吠えて怒る。
隊長の言いつけを実践しているのかな。
ぺぐちゃんは「アノ飼い主は案外ダメだから・・・」なんて言い残したかな?
今日、お姉ちゃんのレースが行われます。
彼女には、具合が悪いとしか伝えていません。
本当なら、レースを控えた合宿に入っているお姉ちゃんに
聞かせるべきではないのかもしれません。
だけどぺぐちゃんの命が灯っている間に
9年間、朝のお散歩を共にしたお姉ちゃんに祈って欲しかった。
彼を思って欲しかった。
彼女に伝えてからほとんど3日間。ウソのメールを流していました。
ぺぐちゃんは頑張っている。 貴女も負けないように頑張って!
死神に負けた私がです。
今日レースが始まってしまえば彼女が携帯で私のブログを覗く余裕はありません。
皆さんに可愛がってもらったぺぐちゃんの報告が、これで漸く出来ます。
遅くなってごめんなさい。欺くような前回のUP、ごめんなさい。
皆さんに応援され頑張ったぺぐちゃんは
。
2月4日朝5時30分。虹の橋に旅立ちました。
今その亡骸は、彼が大好きだった和室の大好きだった場所で
お友達から送っていただいた沢山の、やはり大好きな草花に囲まれて
お姉ちゃんの帰りを待っています。
彼が元気になったらゲージツ公園に出かける時に颯爽と着て行こうと
大切にしていたコートが、死に装束となりました。
オモチャより、ご飯より、オヤツより何よりお散歩が好きだった彼。
具合が悪くなってからも、私達が出かけるそぶりを見せると
置いていかないで!と、吠え続けた彼。
彼は自由を愛し、頑固なまでにそれを貫いた。
具合が悪くなってから、21日。12歳まで、あと21日。
春を待ち、春の日に旅立った彼。
今、安らかな寝顔をみると
彼はその人生を満足してくれたのではないかと思うのは
私の自己弁護でしょうか。
今日でこのブログは最終回です。
ぺぐぽんが揃わなくては、お話ができませんから・・・。
7日にお姉ちゃんとぽんちゃんと一緒に、彼が大好きだった土手の風にあたらせて
その後、荼毘に付します。
全てが終わったら、お世話になったブログ村から出て行きます。
皆さん。沢山の応援を頂き、ありがとうございました。
このブログは私のぺぐぽんのアルバム代わりに一冊製本し、先に逝ってしまった
ぺぐちゃんといつか私より先に逝くであろうぽんちゃんの骨と共に
私がこの世から消えるときに一緒に葬ってもらいます。
ですから、その本が出来るまで残しておきます。
沢山の方にご覧いただき、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
いつか落ち着いたら、またぽんちゃんの新しい相棒を迎えようと思います。
そうしたら、また別のブログを書くこともあるかも知れません。
また、トライのキャバで名前がPeguだったりしてね!
でも、まだわからない。
ぺぐちゃんを思い出して、涙がでなくなったらね!
もっと皆さんとお話がしたかったのにこんな幕切れがやって来てしまいました。
ごめんなさい。
ここはお終いですが、皆さんのところへは落ち着いたらお邪魔しますからね!
ぺぐちゃん。キミは最高に面白い、素晴らしいワンコだったよ!
楽しい時間を、ありがとう!