妄想ペナントNo.5『留学』

夏休みが終わった（；；）

2013年度　妄想ペナント
No.5『留学』

※これはフィクションです。実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※検索よけのために、名称を一部変えています。
　例）スワ□ーズ　→　スワロース
※水曜日はサクッとちょこっとの更新の日。

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今日はパワプロの契約更改の日。
神妙な面持ちで面接会場の前のソファーに座る。
「一軍で（一本だけ）安打も打ったし、バントも3つ成功させたし、まだプロ3年目だし、
クビということはないと思うんだけど…緊張するなぁ」

パワプロ　2012年シーズン成績
打数10（13試合）　打率.100　本塁打0　打点0　犠打3

スタメンショートがケガをしたときのサブのサブだったが、運良く1軍登録されラッキーなプロ初安打を放った。
しかし、それっきり鳴かず飛ばずで、結局シーズン10打数1安打。
バントには定評があるので、バント要因代走要因として起用されたが、
スタメンショートがケガから復帰すると同時に一軍生活は幕を閉じた。
高卒は5年は待ってくれるという話もあるが、ドラフト下位指名の自分には当てはまらないかも知れない。
そんな不安が膨らみながら、パワプロは契約更改を待った。

「パワプロくん、奇遇でやんす」
矢部が現れた。
パワプロのやる気が下がった。
「あれ、矢部くん。君の契約更改は明日じゃなかったっけ？」
「おいらの輝かしい未来が待ってると思うと、おちおち待ってられないでやんす！
　いきなり一億円プレーヤーになったらどうするでやんす？　
　スタープレーヤーの仲間入りでやんす！　かわいい女の子に囲まれて圧死するでやんす！」
「…（寝言は寝て言え）」

「パワプロ選手、お入りください」
そうこうしている間に呼ばれる。
中に入ると、オーナーが座っていた。
「パワプロくんだね。まあ、かけたまえ」
うながされるまま、座るパワプロ。
「パワプロくん、ね。今年もさっぱりだったね」

「え、まさか…、ク、クビ！？」
「そうだ！　まごうことなきクビ宣告だ！　荷物をまとめてさっさと田舎へ帰れ！」
「そ、そんなー！」
「と1回言ってみたかった」
「…」

「前ふりはこれくらいにしておいて、パワプロくん」
（なんて心臓に悪い前ふりなんだ）
「君はアメリカに行きなさい」
「えぇ？」
「今のままの君では大成しない。広い世界を見て、大いに学び、成長しなさい」
「な、なんで俺なんです？　他にもっとふさわしい人がいるんじゃ」
「それは君が考えることじゃない。君の考えるべきことは、このチャンスを活かすか活かさないかだけだ。
　それともなにかね。行きたくないと」
「是非、行かせていただきます！」


パワプロ、海を渡る。