わけししょうロケ【愛媛】Matsuyama Ehime

日常から非日常まで、独特な人生の渡り方。不安定な安定の求め方。非正規上等、「いざ」という時のためにも。

愛媛県今治市祇園町「コリアタウン」【わけししょうロケ】送別会編

2018年03月24日 | 食い呑み

今年もそんな時節がやってまいりました。そう、日本は全国的に3月は年度末でありまして、人の異動がどなた様のところで繰り広げられるのでありましょう。希望通りに新天地へ赴く場合もありましょうし、年季・定年による退職もあれば、不本意な雇止め等もありましょう。和気入道を取り巻く仕事場にも、そんな風が吹きまして、諸氏との離別が到来したのであります。

 職場全体の送別会の開催はありました。まあ、こう言っちゃあなんですが、すこぶる形式的儀礼なんですよね。致し方ないんでしょうが、個人の想いや共々の思い出が深く共有できる場とは言い難いのであります。色んな意味で、しんみりするのが難しい。(そんな悪い意味ではなく)邪魔な奴らもいるわけで、そっちあっちに気を遣いながらではセンチメンタルにもなれねえ、ってもんでしょ。

ということで、和気入道の所属セクションだけでの送別会なんぞを企画実施することにいたしました。今回は、正確に言やあ「祝別会」ではなく、「惜別会」ってとこですかね。和気の流儀として、言葉などだけではなく、設ける宴席に惜別の度合いというか、想いを反映させるのであります。つまり、適当でいい場合は他人任せやおざなりで済まします。

しかし今回は、「私の手向け」として史上最大の謝恩を示すべく、和気入道渾身のチョイスとしました。今治の地を去る方向けであり、未体験ゾーンへの突入となる方向けともなり、全員の舌をなるべく満足させることができそうなお食事処としては、今治市祇園町にあります、「コリアタウン」での一席としました。コリアンタウンちゃいまっせ、コリアタウンでっせ。和気入道の経験から導き出せる法則として、「街(まち)」を冠する店名のエスニック系に当たり多し! なのであります。

 コリアタウンは本ブログでは度重なる登場となり、「またかよ」とか「店側の仕込み?」とかの感想を誘発しているかもしれませんが、単に「大切なことは何度でも謂う/取り扱う」だけのことであります。お店の評価であっても、夫婦間であっても、子育てでも、(和気入道的)習い事でも、大切なことは繰り返し繰り返し口にする、のであります。聞いてるほうは「耳に胼胝(たこ)ができる」ことになりましょうが、メッセージを発しているほうは、「聞くだけではなく、行動を変えてほしいんだよね」と願っているのです。まあ、平たく言えば、ぜひとも一度は行ってみてはいかがでしょうか、ことです。

 

 今回は9人での利用となります。2週間くらい前に電話で席を確保します。やや迷ったんですが、予約の段階でオーダーはせず、現地でのメニュー決定としました。また、送られる方はどなたもお酒を呑まれないので、和気の提案でアルコールのない宴席という、和気入道史上初となる、誰も酒を呑まない宴席の企画となりました。まあ、食事会ってことですが。よくあることですが、主賓よりも酒飲みの都合が優先されて、本来の意義が薄れてて、どっちが付き合ってあげてるのか、わからなくなってることって、ありませんか? 

 

さて、当日を迎えまして。

今回のオーダー。参加者に食べてもらいたいものが多すぎなんですが。牛プルコギ(麺で〆て)、石焼玉子むし、タコ・イカ・チャンジャ3点盛り、韓国おかず4点盛り、チヂミ2種、韓国海苔巻きを適量でfirst order。白菜キムチと韓国海苔はサービス。

 

  

安定のquality、コリアタウンの牛プルコギです。焼肉とすき焼きの中間的な感じもしますが、ジンギスカンに近いかなあ。野菜とのバランスを考えると、焼肉よりもこちらかなあ。白ご飯でもぜんぜんいけますけど。

 



  

玉子の「蒸し」となってますが、正確には「玉子の石焼」というべきか。絶妙のバランスで溶かれた卵がドロドロの状態で供され、かき混ぜると、みるみるうちにふわふわに変化(へんげ)していきます。玉子焼きと茶碗蒸しのいいとこ取りといったかんじでしょうか。熱々の優しいお味。和気は「茶碗蒸し」の水っぽい? 食感がそれほど好きではありませんので、これはおいしいと思いましたねえ。出されてから20分以上経っても、まだ熱っせられてますよ。どんだけ高温なのか。



  

存在感満点のチーズチヂミ。コリアタウンではチーズメニューが少なくありません。惜しげもなくぶちまかれたチーズは韓国料理っぽさと一線を画すかもしれませんが、これはこれでアリです。



  

こちらは韓国海苔巻きです。お寿司屋さんのとはチト違います。酢飯ではなく、白ご飯と韓国海苔で具が巻かれています。これもなんか優しいお味なんですねえ。日本人には新しい感覚で楽しんでいただけるんじゃないかなあ。

 

アドリブ的なオーダーで、お店的にはたいへんだったかもしれませんが、開店一番であったため、どれも早く出てました。ノンアルコールビールとウーロン茶で乾杯。しかしまあ、完全なお食事かっこみモード全開です。あんまり会話もなく、黙々と喰ってます。みんなピッチはや! これじゃあ、単なる晩ご飯じゃあ、あ~りませんか。

とはいえ、1時間近くもすればだんだんペースもダウンして、色んな会話が弾みます。気がつけば3時間もの席となりました。楽しい時間が共有できたとすれば、和気的には大成功といえます。しかもお値打ち価格がまたうれしいのであります。

 

 

酒飲みには、これだけのqualityを酒なしでは、あまりにも寂しい、寂しすぎる! となります。しかし、ご安心ください。コリアタウンは持ち帰りアリアリなのです。また、この美味しさをお土産として家族と共有できます。和気宅では家人のリクエストで「キュウリキムチ」(オイキムチではない)を2つ持ち帰りです。参加された皆さんも、お気に入りをご注文。

 

  

これもリーズナブルです。しばらくはこれで楽しめます。しょっぱくないキムチをお探しの方、一度お試しください。

 

和気入道としては、韓国料理とは日本の人にとって、中国料理とは違った位置にあると思うのです。エキゾチックな半島料理の数々についてはエスニック料理の一端としてわかりやすく存在しております。焼肉文化については日本の物として完全に同化しています。カレーやラーメンと同等かもしれません。発祥の地は日本ではありませんが、日本で独自の発展を遂げて、食卓には欠かせない日本料理といえるでしょうか。

さらには、料理の味付けなどについて、日本人が美味しいと感じるものを韓国の料理は持っているのではないか、というような印象を持っているのであります。なかなか表現しにくいのではありますが、和気の経験ではそんなことを思うことが何度かありました。以前にソウルでいろんなものを食べたのですが、一番よかったのが、唯一日本語が通じなかった食堂でのトンカツ定食と海苔巻きだったりしました。また、松山でオムライスや焼き飯が美味しいお店があったのですが、半島系の味付けだったのではないか、と。関西や東京のお店でも同じような体験が何度かあったように思います。明確な証拠のない、和気の個人的に感覚なのかもしれませんが、日本人に合う、優しい系の味付けが少なくないのかもしれません。