わけししょうロケ【愛媛】Matsuyama Ehime

日常から非日常まで、独特な人生の渡り方。不安定な安定の求め方。非正規上等、「いざ」という時のためにも。

Rugby World Cup in Oita 【わけししょうロケ】一生に一度かな?

2019年10月29日 | イベント

地の利をいかすことができるチャンス到来、ではないかいなと。

昨年からずっと考えていたのでありますが、ラグビーワールドカップを見に行きたいなあ、と。

思い起こせば、サッカーワールドカップ日韓大会があったときのこと。ネットでチケットがまったく取れなかったというか、日本戦以外は眼中にありませんでした。今思えば、他国の試合でもぜんぜんよかったのに。また、偶然にも当時の仕事の関係で大阪に行く日程もありました。たしか、長居スタジアムで日本の最終戦があった日にも大阪におりまして、ミナミでは敗戦後のサポーターの殺気立った姿を目の当たりにしましたねえ。

それから時間が流れ流れて、オリンピックパラリンピックの前哨戦ともいうべき? ラグビーワールドカップがアジアで初めて開催されると。前回の南アフリカ戦が話題になりましたなあ。和気入道、熱狂的なファンということでもないのですが、なにか惹かれるものがあったのかもしれません。しかも豊予海峡のお向かいで試合があるじゃあ~りませんか……………… といいながらも、決め手に欠けるというか、決断に至らない日々。今年に入ってから、チケットエントリーしてはみたものの、安いチケットは完売しており、3万円コースが最安でして、これまた決断できない金額。さらに日程的に行けるのは準々決勝で、まだどの対戦か判っておりませんでした。流れとしては、ほぼ行かない方向に傾きつつありました。

ところが、9月に入ってのこと。関係者の方が脳梗塞になったことが判明しました。幸い、後遺症もほぼ認められず、体も動くとのこと。いや~、気功とか武術の効用であることは明白、であることを強調しておかねばなりますまい。松山市和気海岸で毎土曜午前8時半でございます。お暇な方は是非どうぞ。

誰(たれ)であろうと、ある程度の時間を駆け抜ける人生を考えたときに、この期に及んでの後悔をなるべく少なくすることは殊に重要であると思うようになりました。それが決め手となり、3万円というこれまでの和気入道史上の最高額の切符を購入しました。当日はウエールズvsフランス戦と決まりました。宿泊はしません。というか、できません。数か月前から大分では宿が取れない状況になっていたからです。いわば、弾丸日帰りで行程は当日になっても決まりません。愛媛から大分へは3つのルートがあり、試合開始時間が夕方4時台ということから逆算し、陸路でかかる時間に鑑み、松山市和気から三崎まで走り、徒歩で佐賀関に上陸し電車かバスで大分に移動するルートにしました。

朝6時に出発、夜明けと共に。すいてる時間帯です。まあまあ飛ばして三崎へ向かいます。約2時間で三崎港に到着です。

 

単独渡航のため、車両での上陸はコストが高いとの判断です。実際、予約でいっぱいのようです。さて、三崎港の駐車場ですが、フェリー乗り場には8台分しか無料駐車スペースがありません。想定していたのですが、「いっぱいですよ」とのこと。ほかの駐車場はありませんか? の問いにはぶっきらぼうに「ありません、知りません」の返答。さーて、困った。

車を移動してぐるりを見回してると、ガソリンスタンドにおじさんがおりましたので、「駐車できるところはありませんか」と訊きますと、無言で道の向こうを指さしました。スタンドの正面にある駐車場を利用してかまわないようです。結局、帰りの船から降りた人たちが何組も同じ駐車場に来てました。

 

 

船内にもラグビー観戦組がおりまして、船内のテレビでは前日のニュージーランド戦が再放送されいましたし、徐々に雰囲気がでてきました。となりの二人組はテレビを見ながらルール解説。和気はまあまあ分かっているつもりなので、あらそうでしたか、などと聞き流し、水筒に仕込んだ焼酎水割りを流し込み。70分で九州です。

 

佐賀関はいたって静か。どうやって大分市内に行くのか、ほとんど調べておりません。JRが近くにあったような、と交差点でたたずむ自転車のおっちゃんに「駅ってどういったらいいんですか?」と言うと、怪訝な顔されて「歩いてはいけんよ」とのこと。恥ずかしながら、佐賀関と臼杵の違いがなく、ごっちゃになってました。「バスならあるけど、日曜だから注意してな。1時間に1本くらいやろ」と教えてくれました。時間的にはぜんぜん余裕があるので、停留所のベンチで座って待ちます。しばらくすると、おっちゃんが自転車で近付いてきて、同じことを言ってくれます。えらく気にしてもらったようで恐縮至極であります。

40分も待ったころ、おばさまたちがバスに乗るため集まります。和気入道、この日も着物で行ったんですが、そのいでたちを見て、「あんた、このへんの人じゃないね、どこの人?」などと訊かれました。海の方向を指さし、「四国からです」と言うと、「このへんのひとじゃないと思ったわ」とのこと。「すてきやね」とお着物をほめていただきました。小一時間かかり、大分中心部に近づきます。近づくにつれてラグビー観戦組がどんどん乗車してきます。昨日から市内は交通規制が敷かれており、車での移動はそうとう不自由との前情報がありました。

 

観戦組が降りる流れに乗って下車。はっきり言ってお祭り騒ぎレベルで、こりゃ日本じゃない。まだ、陽射しも強いからビールもうまいでしょうなあ。

 

 ビヤ樽みたいなオヤジか、ビヤ樽がオヤジなのか。商店街をブラっと歩いてみても、そこいら中のカフェでも公園でも、外国人がビールを呑んでいます。着物姿はやはり珍しく、スマホを向けられたり、声をかけられたり。ちょっと話をしたけど、「陽気」そのもの。日中に呑んだくれて、まさにパラダイスか。すでに満足度も頂点です。いや~、来てよかったなあ。フードブースもホントにたくさんあったけど、けっきょくはコンビニでおにぎり買いました。なんか、屋台っておっくうになってます。

大分と松山って、スケールとか都会度とかほぼ同じと思ってましたが、圧倒的に大分が上と感じました。松山ではこんなことないだろうなあ、と。

 

大分駅から無料シャトルに乗って会場に移動します。すごい数のお客を、これまたすごい数のバスがお出迎えです。ボランティアもすごい数でご対応。白バイの先導で約40分でスタジアムに到着。買わなかったけど、ハイネケンonlyのブースがズラリ。意味もなくグッズ売り場に並んで、欲しくもなかったんですがTシャツなどお買い上げ。着物の人も何人かいましたが、着慣れてない感がありまして、単なるコスプレかいな、と。日本人が和服を着ないのもなんか寂しいですねえ。

場内のボルテージは最高潮です。試合前のアップではフランスのキッカーの異常に正確なペナルティキックと、ダミーへのタックルがすごかったです。体当たりの基本は同じなんだなあ、と。

試合はあっという間に終わりました。1点差でウエールズがフランスに勝つという劇的な展開で、しびれましたねえ。すごかった。どちらつかずで観戦してましたが、充分に元を取ったと思いました。

大分市内にシャトルバスで戻ってる最中に日本戦をやってましたが、なんか興味が失せたような。パブリックビューイングもチラッと見ても入り込めません。電話したところ、会う予定の御人は歯痛でキャンセルとなりました。はてさて、どうするか。

JRで幸崎まで行ってタクシーを拾えれば大分で朝を迎えることなく、帰れると判断してホームに急ぎます。問題は無人駅でタクシーが拾えるかどうか。ちょっとした賭けです。駅から佐賀関までタクシーで15分はかかるので、ダイレクトに乗れないと船には間に合いません。

で、駅前には2台のタクシーが待機しております。覗き込むと「△△さんですか?」「いえ、ちがいます」「予約なんでごめんなさい」もう1台も同じです。駆け込んできた子供連れが乗り込んで発車。ん~ん、万事休す、か。

途方に暮れようとしたところ、1台はじっと動かず。予約した人が来ないようです。「もうみんな降りたと思いますよ」と運転手さんに押してみたところ、事務所に連絡して協議。ほどなくドアが開きました。お~、悪運強し。午後10時発の便に間に合いました。

試合観戦中からは事態の展開によっては、と思いましたので飲酒は控えてました。残ってれば車で休憩してから、と思いましたが、まあ大丈夫だろうと。午前1時半には無事に帰宅できました。

 

余韻に浸るとまでの印象でありませんでしたが、東京オリンピックも同じような体験ができるんじゃないかなあ、やっぱり行こうかなあとか考えてます。