わけししょうロケ【愛媛】Matsuyama Ehime

日常から非日常まで、独特な人生の渡り方。不安定な安定の求め方。非正規上等、「いざ」という時のためにも。

愛媛県今治市北宝来町「喜多方ラーメン麺小町」【わけししょうロケ】今治麺事情も

2018年01月10日 | 食い呑み

日本を各地方に分けたとき、四国エリアはおそらくインフラ整備では全国で最も後に置いていかれていることは間違いないでしょう。産業的にも経済的にも本州等に後塵を拝しているでしょう。それでも、遅ればせながら高速道路もそれなりに整備され、基本的には空いているので対面通行以外は走りやすく、気持ちいいドライビングができます。くれぐれも飛ばしすぎにご注意ください。

されど、愛媛をはじめとして四国を旅するには鉄道もお薦めなんです。和気入道自身は熱烈な鉄道愛好者ではないのですが、通勤で予讃線を利用するときもあり、その風景や行程に魅力を感じているのであります。松山今治間では単線で運行されている区間が多く、日中は線路を走るというより、目の前の緑をすり抜け、木々の中に飛び込んでいくような独特の迫力があります。天気がいいときは瀬戸内海の青さがよく映えます。都会の通勤風景とは違って、旅程にふさわしいものがあると思います。

 

 和気入道が通勤で使う駅付近にはよくランチタイムにお世話になっているお店があります。それがこちら。

高架を走るは予讃本線、右方向数百メートルで今治駅です。駅とつながっているわけではありません。

本題としましてJRつながりというましょうか、JRのグループ企業が運営してるラーメン屋さん「麺小町」であります。その筋のマニアはすでにご存知なのかもしれませんが、鉄道ファンは押さえておく必要があるかもしれません。




初めて見た人が思うに違いない、四国になぜ? 喜多方ラーメンなのか。理由は定かではありませんが、JR四国の多角経営の先駆け的存在だったような。

うつろなんですが、十ン年前に四国内に複数店舗展開してたはずです。宇和島方面とかにもあったはず。が、淘汰の波をかぶり、松山と高松と、ここ今治が残っているとのこと。昼飯時はかなり盛況なのでありまして、完全に定着している感があります。現場系、ネクタイ族、ご高齢の方、昼呑みのオッサン、などなど。

 


 で、すでに経年の風格漂う店内でありますが、落ち着いた色使いともいえますかね。自動ドアを入るとすぐのところにおでんがあって、セルフでお取りいただくシステムになっています。これは本場喜多方ではあまりないんじゃないかな。四国愛媛ではラーメン屋におでんってのはよくある商品構成ですよ。

 

和気入道が統計的にみると、仕事場から出て外食で利用する頻度が最も高いお店の1つだと思います。で、よくオーダーするのは「Aランチ」(税込み710円)也。日替わりのおかずとラーメン(フルサイズ)、ご飯に小鉢、タクワン。

この日のおかずはささみシソチーズ揚げ? だったかな。ラーメンは選択できます。定番の醤油をチョイス。

 

別の日はこちら。

とり天、ラーメンは味噌。

 

またま別の日はこちら。

から揚げと春巻き、醤油。

かなりのハイカロリーメニューですよね。毎日ってわけではないので、是としておりますが、男性客が多いのもうなずけるところです。もちろん、その他にもいろんな単品/セットのメニューがあります。今治名物「焼き豚卵飯」も完備しております。そのへん、観光の方も満足いただけるようになっております。

 



メインとなるラーメンですが、和気好みの、やや硬めの太平麺です。スープはごくごく普通かなあ。あまり特徴がありません。超専門店とまではいかないのかなあ。チャーシュー(正確には煮豚)はやや硬めですが、存在感があります。

 

 

さて、タイトルにも揚げましたが、今治の麺事情を少々。

愛媛は西日本で香川の隣ということもあり、当然ですが蕎麦ではなく、ウドン文化圏であります。松山等との比較となりますが、今治は意外とうどん屋が少ないのであります。

これは地元の製麺屋の社長から直接聴いたのですが、戦後復興期には当然ながらうどん屋さんが多かったそうです。しかし、商売大好き今治人は考えました。そう、どうやって単価を上げて稼ぐかを。そのため、ラーメンとか蕎麦とか、当時はあまり目にしなかった業態に移行したお店が多かったんだそうです。その結果、うどん屋さんが少ない、とか。

本編とは関係ありませんし、別の機会にも述べることになりそうですが、ここ数年「町おこし」としての、今治ラーメンなるものがはびこっています。塩でレモンで鶏で、って感じの。自由にご商売していただくことにはいささかの異論もありません。ただし! そんなもん改めてぶちあげる必要はありません。戦後から脈々と続く今治ラーメンの流儀が厳然と存在しています。和気個人としては、そちらを尊重するほうが絶対にいいと思うんですけどね。

で、本編で取り上げました喜多方風? ラーメンなんですが、こじつけていえば限りなくうどんに近いとも言えなくもない。西日本愛媛のローカル都市でも受け入れられた要因はもしかすると、そんなところにあるのかもしれません。


愛媛県松山市道後一万「和食たかなし」【わけししょうロケ】新春編

2018年01月07日 | 食い呑み

誰に向かって宣(のたま)うか、まあ内なる声としての宣言ではありますが。

 

昨年はいい年でありました、が。本年はさらにいい年とすることとします

 

このロケに目を通してくださっている皆々様にも、そうあっていただきたいと祈念するものであります。

 

 

正月気分なんて年々薄れていく日本の片田舎、和気入道宅にたくさんのお花が来ました。知人からいただきました。

 

 普段は華がない和気であっても、正月を実感できる気分になりますなあ。

 

 

でもって、家人と2人で正月後半のイベントとしまして、和食「たかなし」へ行くことにしました。電話して営業中を確認。家から伊予和気駅まで徒歩にて移動。JR予讃線に乗って松山駅下車。伊予鉄道路面電車「道後温泉方面行き」に乗り換えます。上一万電停で下車して到着です。時間と手間がかかるといえばそうかもしれませんが、車での移動では味わえない行程も楽しみの一つだと思います。都会だと徒歩&電車移動が普通だし、田舎者の脚力の衰えとかにも影響あんじゃないかなあ。

 

寒さ暗さもなんのその、約1時間の旅程の先に……………

とっぷりと日が暮れた闇に浮き上がる暖簾が和食「たかなし」です。ランチライムに一度お邪魔したことは当ブログにupしておりましす(こちら)が、夜の部については初めてロケとなります。ランチのクオリティから、夜の部についてもかなり期待しての来訪です。

 

木をふんだんに使った店内は落ち着いた感じであります。すでに2組がご来店。テーブル席に腰を下ろします。

 

まずはお飲物ですが、こちらの芋焼酎をチョイス。特に理由はありませんが、なんとなくお正月っぽいタイトルではありませんか。普段はまったく縁起を担がない和気ではありますが、さて本年は宝の山に巡り合えるでありましょうか。否、さにあらず。置かれている現在只今の場所こそ、宝の山也。眼目開けば自ずと判り候……………と。

説法はこれくらいにしておきます。

 

 

お通しがこれまた賀正度満点ですよ。

栗きんとんにカズノコであります。造り込んだおせち料理をいただける気分になれました。

そういや、このお店とは全然関係ありませんが、割烹とかがすんごい値段設定の限定予約でおせち料理をやってるじゃあないですか。あれって全然儲からないんだけど、季節のサービスでやってるんだとか……………とある人が謂ってました。

 

 本年の大願成就も祈念せず、とりあえず乾杯。

本日のおすすめはこちら。季節感全開の野菜と地元産が多いと観た魚介が多くエントリーされています。見所勘所を解説したいところではありますが、字面だけでは判断できません。さて、何をいただくことにしますかねえ……………

 

 まとめて頼まず、展開によって臨機の応変するのが和気流でありまして、まずは家人の希望にて、モズク酢とイカの塩辛なぞ。

肉厚ではない小振りなイカではありますが、 久しぶりにキチンとした塩辛をいただきましたよ。素材の鮮度の良さと活かす腕がないとこの味は出せません、ハイ。こりゃあ、日本酒がいいなあ。

 

さらにイカ。モンゴイカのお刺身でござい。

 

和気入道一家としてはシュッとしたスルメ・剣先系も好きなんですが、ぼってりしたアオリ・紋甲系がさらにお好みです。お味はもちろん文句なし。

特筆すべきなのは、こだわってんなあ、と感心したワサビです。絶対に大事です! と声を張り上げたい。愛媛では土地柄、新鮮な刺身は年がら年中いただくことは難しくないのですが、安いわさびを供するお店も少なくありません。それではせっかくのいい素材も活きないのであります。某CMの「味はわさびできまります」はあながちウソではありません。ただし、その商品レベルでは物足りませんがね。

 

 

 さて続いての「本日のおすすめ」からのチョイスはこちら。何か判りますか?和気も初めて見ましたよ。

 

こちらは「つくねいもの磯部揚げ」でございます。海苔で包んだもっちり感がある芋を揚げ出しでいただきます。ホントに、餅みたい。

こういう包み物って、縁起物なんですよ。子宝運や金運につながるって、これは中国の慣習ですか。ま、日本でも通じることにします。

 

 

でもって、続いては焼き物でいきたいとの意見になり、大将に訊いてみることに。「サワラが美味しいですよ」とのこと。

和気殿の中では選択肢に挙げってこない、意外なお薦めです。まあ、そういわれるなら、注文しましょ。

で、けっこう時間がかかって供されたのがこちら「鰆のカマ焼き」。このサイズだとかなりの大物。瀬戸内では非常にメジャーですが、カマは食ったことないような。

一口いただき、 おお!!! こ、これは………………… 

今回のチョイスでは一番だった、というか驚きの美味さです。いやあ、これはいい。

カウンターの奥に鎮座するオーブンに見入ってしまいましたぞ。いい仕事してんなあ。

 

 

さて、バランスなんて考えずのメニューチョイスが毎度なんですが、煮物を頼んで気が付けば、一応はコース? みたいになってしまいそう。で、お次はこちら。

ふろふき大根。言うまでもなく、冬の定番です。これまたおいしい。

 

 

ここまで来れば、締めもいきますか。ご飯物って、ほとんど頼まないのですが、今回は好きなのがありましたので。

「貝柱土鍋飯」です。オーダーが入ってから炊くので、こちらもお時間をいただきます。

炊き立てを女将に盛ってもらいます。ただし! ただの貝柱じゃあございませんぜ。これぞ、愛媛ならではの、この時期ならではの、お楽しみ。そうです、アコヤ貝柱の炊き込みご飯であります。これ、大好き。

真珠養殖が盛んな愛媛らしい、でも実はけっこう珍しく、以前は養殖している人だけが真珠の浜上げの時期に食べられる役得みたいなものでありました。和気もえらい以前に真珠をやってる人に頂いて、その美味しさに驚いた記憶があります。それが流通するようになってきたのですが、まだあまり知られてないかもしれませんねえ。旅人風情にはお薦めですよ。

 

ということで、新年早々の大盤振る舞いとなりました。いや~、満足度高いですよ。

 

 

後ろ髪、惹かれるものがありましたので、備忘録的に記しておきます。なんかねえ、我々以外のお客さんが洩れなく注文していたのが、「あったか寄鍋」でした。すごく美味しいんだとかで、となりのおじさんは残った野菜まで持って帰ろうとして連れの方に止められてました。けっきょくお持ち帰ってました。う~ん、そんなに旨いのか。次回以降の宿題にとっておこうか。